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Le #KuToo : le mouvement qui s’insurge contre les talons hauts
Après le #MeeToo, un autre mouvement vient de naître au Japon et promet de bouleverser les codes de la société au point de peut-être devenir le nouveau phénomène viral de 2019 ?
Peut-être en avez-vous déjà entendu parler ? Le hastag #KuToo entend lutter contre les diktats de la société qui impose aux femmes de porter des talons hauts au travail. Au Japon, elles sont déjà des dizaines de milliers à avoir rejoint le mouvement #KuToo afin de dénoncer cette habitude qu’elles considèrent comme étant de la discrimination sexiste. Fatiguées de devoir correspondre aux critères de ≪ féminité ≫, les Japonaises dénoncent un style de chaussure inconfortable, qui peuvent être extrêmement douloureux à supporter.
#KuToo, d'où ça vient ?
D’ailleurs, le nom ≪ KuToo ≫, vient des mots ≪ kutsu≫ (chaussure) et ≪kutsuu≫ (douleur) et fait évidemment penser au mouvement #MeToo qui avait provoqué un véritable tsnumani sur les réseaux sociaux en 2006 provoquant une prise de conscience internationale sur le harcèlement sexuel. Le mouvement #KuToo entend bien faire bouger les choses, en particulier au Japon où le port des talons aiguilles pour les femmes fait partie du règlement de certaines entreprises, les chaussures plates étant mal vues considérées comme ≪ trop décontractées ≫ pour certains employeurs.
Lancé en février dernier, le hastag #KuToo ne cesse de gagner du terrain. Sur les réseaux sociaux, les femmes partagent des photos de leurs pieds ensanglantés pour expliquer le calvaire des talons hauts. D’ailleurs une pétition a même été lancée et a déjà récolté près de 30.000 signatures et vient même d’être transmise au ministère de la Santé et du Travail. Mais jusqu'à présent, le ministère reste impassible face à cette rébellion. Reste à voir si ce mouvement continue de s’étendre.
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フランス語の勉強?
清水栄助(ガラパゴスさん) @galapgscom
安倍首相の来訪を報じるイラン地元紙は「アメリカのメッセンジャー」「トランプが送ってきたヤギ」と報じているのにNHKは「日本からサムライが来た」と期待の声があると報じている
捏造であるだけでなく海外からはアメリカの属国としか見られていない現状を意図的に隠そうとしている点で悪質


昨日映画を見終ったのが11時で帰ると0時過ぎてました.というわけで出勤も朝早くというわけにはいかず,重役出勤になってしまいました.仕方ない…と言ってしいでしょうか?
生活のリズムがずれてしまっていることもあって,お腹も変な感じ.満腹感でいっぱいです.

浜に再びにぎわいを 震災で中断の気仙沼・階上地区の荒磯まつり9年ぶり復活へ
 東日本大震災で大きな被害を受けた気仙沼市階上地区で、震災のために中断していた地元の恒例イベント「荒磯まつり」が11月、9年ぶりに復活する。地元のまちづくり団体や観光協会、農協、漁協などが実行委員会を設立。地域総出でにぎわいづくりに取り組み、復興した姿を発信する。
 荒磯まつりは1986年に同市波路上岩井崎にあった市の観光施設「岩井崎プロムナードセンター」で始まった。中止の年もあったが、震災直前の2010年まで23回続いていた。
 地元の漁協や農協、水産加工業者などの出店がずらりと並び、新鮮なホタテやカキ、野菜などを格安で販売した。マグロの解体ショーや餅まきなど多彩なイベントもあり、多い時は4万人の人出でにぎわった。
 震災で階上地区は壊滅的な被害を受けた。犠牲者は200人以上に上り、漁業者も多く被災。会場だった岩井崎プロムナードセンターも被災したこともあり、祭りは中止に追い込まれた。地域の復興が進み、数年前から再開を求める声が住民から上がり始めていた。
 今月8日夜には、同市階上公民館で「階上地域まちづくり振興協議会」や地元の観光協会、漁業関係者ら約50人が集まり、実行委の初会合が行われた。
 日程は震災前と同じ11月23日に決定。会場は同市波路上瀬向の県漁協わかめ流通センターを予定し、出店者数は約30に上る見通し。
 実行委員長を務めるまちづくり振興協議会の畠山光夫会長(76)は「大きな被害を受けた階上地区も確実に復興が進んだ。祭りを復活させ、県内外の多くの方々に新鮮な魚介類などを提供したい」と話した。


<宮城県沖地震41年>リスクの連鎖(中)津波想定 最大級 復興の街「浸水」
 宮城県沖地震は、1978年6月12日の発生から41年となった。政府の地震調査委員会が今年2月、次の宮城県沖地震が30年以内に発生する確率を「50%程度」と公表。東日本大震災以降初めて具体的な数字が示され、警戒度は一段と増した。最大級の津波浸水想定の見直しが進む一方、地震の揺れによる被害も見過ごせない。連鎖するリスクへの備えを考える。
<震災時の1.3倍に>
 「復興事業でできたこの地区にも津波が来ると聞いて驚いた。津波で自宅を失ったから、やっぱり怖い」
 2017年3月に全町避難指示が一部解除された福島県浪江町。海から約2.7キロの幾世橋地区の災害公営住宅に夫と暮らす鎌田豊美さん(72)が困惑した表情を浮かべる。心配のもとは福島県が3月に公表した最大級の津波想定だ。
 浸水面積は東日本大震災の1.3倍、沿岸10市町の5.9%に及ぶ。浪江町は震災の津波が到達しなかった地区の災害公営住宅85戸や昨春開校したなみえ創成小・中、認定こども園が想定浸水域に入った。
 町は津波ハザードマップを見直す。安倍靖総務課長は「いたずらに不安をあおりたくないが、しっかりリスクを伝えないといけない」と表情を引き締める。
 想定は11年12月施行の津波防災地域づくり法に基づく。最大級の津波から命を守るため都道府県に策定を義務付け、被災3県では福島が震災の津波などを基に初めて公表した。
 震災時より浸水域が広がるのは当時、干潮だったためだ。同法は潮位を約1メートル高い「満潮」、防潮堤は「決壊」などと最悪シナリオを前提に策定を求めており、想定浸水域が平野部を中心に奥へ奥へと広がった。
<計画の条件緩和>
 復興した街が「浸水」してしまう事態は、福島県に限った話ではない。
 震災発生から間もない11年7月、国は被災各県に津波浸水シミュレーションの手引きを示し、潮位を満潮とするなど最大限の被害を想定して復興まちづくりを進めるよう助言した。
 これに対し、宮城県内の沿岸自治体から「想定浸水域が広がりすぎてまちづくりに支障が出る」と懸念の声が相次いだ。
 沿岸の事情を踏まえ宮城県は11年10月、避難計画は最悪の津波を想定するものの、復興まちづくりの想定は「潮位は震災時(干潮)」「防潮堤は破壊しない」など条件を緩和し、各自治体に伝えた。岩手、福島両県も震災津波を前提に復興を進めた経緯がある。
 宮城県の検討に携わった茂泉博史・県北部土木事務所長は「防潮堤やかさ上げ道路で多重防御を図り、住民が安心して暮らせる環境づくりに苦心した。ただ最大級の津波では復興後の街も『逃げる』ことが大前提になる」と強調する。
<域外も備え必要>
 岩手、宮城両県が今後示す想定次第では、住民に困惑が広がる事態も懸念される。福島県の想定もあくまで現時点のもの。内閣府の検討会が日本海溝・千島海溝沿いの巨大津波モデルの検討を進めており、結論が出れば見直しは必至だ。
 福島県の想定に関わる東北大の越村俊一教授(津波工学)は「モデルが出れば想定浸水域がさらに広がる可能性が高い。最大級の想定は『ここには津波が来ない』と安全を保証するものではなく、想定の線引きを超えた命を守る備えが必要だ」と訴える。(報道部・高橋鉄男)
[津波防災地域づくり法]津波に強いまちづくりを進めるため2011年12月に施行。都道府県が最大級の津波浸水想定を設定し、市町村が被害軽減に向けた計画を作る。都道府県は避難体制を整備すべきエリアを「警戒区域」、開発行為や建築を制限すべきエリアを「特別警戒区域」に指定できる。浸水想定は36道府県が策定済み。


<宮城県沖地震41年>小学生らが訓練 県など初動態勢を確認
 1978年に起きた宮城県沖地震から41年となった12日、宮城県と仙台市は大規模災害に備えた総合防災訓練を実施し、関係機関が安全確保策や初動態勢を確認した。
 仙台市は、長町−利府線断層帯を震源とする最大震度6強の直下型地震が発生したと想定。市内の小中学校や事業所では地震から身を守る「シェイクアウト訓練」を一斉に行い、計約4万2400人が参加した。
 若林区の遠見塚小では、校内放送で緊急地震速報が流れると、児童約400人が机の下に潜って身をかがめた。
 県消防学校(宮城野区)では自衛隊や消防関係者が集まり、負傷の程度を見極めるトリアージや救出の手順を確かめた。
 県は、東日本大震災と同規模の地震が発生したと想定。図上訓練で被害状況を確認し、市町村との情報共有の在り方を検証した。


豪雨から復興 “協力惜しまず”
村井知事は13日、広島県の湯崎知事と会談し、東日本大震災を経験した宮城県が持つさまざまなノウハウを提供するなど、広島県の西日本豪雨からの復興に向け、協力を惜しまない考えを伝えました。
同じ地方の拠点都市として共通する課題に連携して取り組もうと、平成27年度から定期的に開いているもので、13日、広島県尾道市で行われた会談では災害からの復興など4つのテーマについて話し合いました。
この中で、村井知事は東日本大震災の際、宮城県では、生活再建に加えて被災者や子どもたちの心のケアに関する支援に重点的に取り組んできたことを紹介しました。
そのうえで、そうしたノウハウを提供するなど、広島県の西日本豪雨からの復興に向けて協力を惜しまない考えを伝えました。
また、両知事は地方分権改革推進の一環として、全国知事会の中に自治体による条例制定権拡充を議論する研究会の設置を目指し、連携することで一致しました。


香取慎吾さん サプライズで登場
俳優の香取慎吾さんが、独立して初めての主演映画のPRのため、13日、ロケの舞台となった塩釜市の卸売市場にサプライズで登場しました。
今月28日に公開される映画「凪待ち」は、香取慎吾さん演じる主人公が人生をやり直すため恋人の故郷、石巻市で暮らし始めたところ、恋人を殺されるなど相次ぐ不幸にさいなまれる物語です。
撮影は去年6月から7月にかけて、石巻市や女川町などで行われ、13日はロケの舞台の一つとなった塩釜市の水産物仲卸市場で試写会が開かれました。
会場には白石和彌監督のほか、香取慎吾さんもサプライズで登場し、市場で働く人たちから大きな歓声で迎えられました。
香取さんはあいさつの中で、「皆さんに会えて、自分のファンの年齢層が上がったなと驚いています」と笑いを誘いました。
そして、宮城での撮影について、「震災直後に来たときと比べ、復興は進みましたが、多くの人と話すと震災を伝えたい人、目をそらす人など受け止め方は人それぞれだと感じました。この映画が、宮城の人たちを思い出す機会になってほしい」と話していました。
香取さんは2年前の9月にジャニーズ事務所を離れ、独立してから初めての主演映画となります。
試写会に参加した市場の女性は、「映画の撮影を見たことがありますが、店の前を何度も香取くんが通る姿を見て、映画作りは大変だと感じました。これからも応援しています」と話していました。


香取慎吾、主演映画「凪待ち」が撮入した塩釜仲卸市場での試写会に飛び入り参加
 元SMAPの香取慎吾(42)が13日、宮城・塩釜水産物仲卸市場で行われた主演映画「凪待ち」(白石和彌監督、28日公開)の完成報告試写会にサプライズ登場した。
 昨年6月に映画がクランクインした思い出の地で“史上初”の市場上映会を開催。市場の片隅にスクリーンを設置し、一升瓶ケースでステージを作るなど手作り感満載の会場に香取が登場すると、市場関係者約70人は大興奮。「本物だよね?」「慎吾ちゃ〜ん!」と歓声が飛び交うなど大フィーバーとなり、香取は「僕のファン層がだいぶ上がった」と笑わせ、「成功ですね。皆さん、全く気づいてなくて」としてやったりの表情だ。
 映画は東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市を舞台に、人生のどん底まで転落したギャンブル依存症の主人公(香取)が、もがき苦しみながら再生と喪失を繰り返す姿を描く。
 撮影は昨年6月18日に同所でクランクイン。香取は「最初は緊張感があったのですが、この地の皆さんに支えられて力をもらって映画の中で僕は役として生きることができました」と感謝。白石監督は「お世話になった場所に最初に報告したかった。ここに来られてうれしい」と喜んだ。
 震災から8年が経過したが、香取は11年7月に石巻市内で主演映画「こちら葛飾区亀有公園前派出所 THEMOVIE〜勝どき橋を封鎖せよ!〜」の上映会を行うなどこれまで何度も被災地を訪問している。香取は「やっぱりキズはあるなと。もちろん復興している部分もあるけれど、工事している部分もたくさんある」としみじみ。
 「自分では忘れてはいけないと思いつつも、(被災地を)見たり緊張することが減ってきているので、こうやって足を運んで見るといろんなことを感じられる。自分にとって必要な時間だったと思う」と力を込めた。


香取慎吾『凪待ち』感謝の特別試写会。映画ロケ地の塩釜水産物仲卸市場にサプライズ登場!
映画『凪待ち』は2019年6月28日(金)よりTOHOシネマズ日比谷を皮切りに全国ロードショー公開!
監督・白石和彌と俳優・香取慎吾が初のタッグを組んで世に放つ、震災後の宮城県石巻市が舞台とする骨太のヒューマン・サスペンスドラマ。
それが、2019年6月28日(金)に劇場公開される映画『凪待ち』です。
このたび2019年6月13日(木)、映画『凪待ち』のロケスタート地である塩釜水産物仲卸市場にて、撮影に協力してくださったロケ地で暮らす方々に向けた完成報告試写会が実施されました。
また作品上映前の舞台挨拶には、本作を手がけた白石和彌監督のみならず、主演を務めた香取慎吾が来場者への事前告知なしで登場するというサプライズも!
本記事では、塩釜水産物仲卸市場での『凪待ち』完成報告試写会と舞台挨拶の模様をご紹介いたします。
試写会リポ Щ埔貽發妨修譴娠撚茣
今回、塩釜水産物仲卸市場で映画『凪待ち』を上映するにあたって、市場内には巨大なスクリーンが出現。
漁港の市場内が映画館へと様変わりするという、これまでに類を見ない不思議な光景が見られました。
観客席には、試写会が始まる30分も前から続々と地元の人々が集い、満席の状態に。
「早く始まらないかな?」「どんな作品なのだろう?」「『凪待ち』というタイトルはどういう意味だろうか?」など、和気藹々とこれから鑑賞する映画『凪待ち』について語り合う人々たち。
その様子からは、撮影に協力してくださったロケ地に暮らす人々がどれほど映画『凪待ち』の鑑賞を楽しみにしていたのかが手に取るように理解できました。
また試写会場の立てかけられた壁には幾つもの大漁旗が掛けられており、今回の試写会場が「漁港に現れた一日限りの映画館」であることを体現していました。
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試写会前の舞台挨拶が始まり、ビールケースで組み立てられた壇上に立った白石和彌監督。
ところが、「もう一人ゲストが来ている」と監督が呼びかけると、そこには本作の主演を務めた香取慎吾の姿が。
来場者の方々にとっては予想だにしなかったサプライズゲストに、会場は大きな歓声と拍手に包まれました。
スケジュール抜きで「どうしても来たかった」と語る香取。
香取は、撮影開始の当初は多少の緊張感を抱いていたものの、ロケのスタート地であった東塩釜水産物仲卸市場の撮影を通して、自身の演じた主人公・郁男の役柄を掴むことができたと言います。
本作の撮影が始まった場所であり、お世話になった場所での完成報告試写会を実現できたこと、そしてその試写会に来れたことへの感謝と喜びを来場者の方々に伝えました。
また白石監督も、今後展開されてゆく五大都市での完成披露行脚が始まる前に、塩釜水産物仲卸市場という場所で完成報告ができたことへの喜びを露わにしました。
試写会リポ:『凪待ち』撮影と東日本大震災
白石監督は東日本大震災の被災地としての宮城県についても触れ、この市場で働く人々から震災の話を教えていただいたこと、その方のお話を通して「復興に終わりはない」という実感を得たと語ります。
香取も本作のロケ中に出会った人々について言及し、写真を見せながらも震災について語ってくださった方もいれば、震災の話題になると目を伏せてしまう方もいたとコメント。
また、震災によって家族や親類を亡くしてしまったが、それでも撮影中に大量のジュースを差し入れしてくださった女性とのエピソードを明かし、どれほど道路が整備され、新たな防潮堤/防波堤が建設されて「復興」が具体化されていっても、確かな「傷」が残っていること。そして、その「傷」と向き合わなくてはならないことを語りました。
最後に白石監督は、東京五輪が開催される2020年が刻一刻と近づき、震災の話題が少なくなりつつある現在、未だ復興は終わっていないという一面を切り取ろうとしたとコメント。『凪待ち』の描こうとしたものと東日本大震災の被災地としての宮城県の深い関わりを強調しました。
試写会リポぁЩ埔譴諒々からのプレゼント&香取からもプレゼント
舞台挨拶の終盤には、市場の方々から香取と白石へ、縁起を担いだ「鯛」がプレゼントされるという市場らしいサプライズが。そのあまりのサイズと重量に、それを手にした香取は思わず驚きの声を上げてしまいました。
またそのサプライズへのお礼として、香取自らが自撮り棒を操り、来場者の方々とともに自撮り撮影を敢行。その後は壁に掛けられていた大漁旗の前に立ち、やはり来場された方々のための記念撮影フォトセッションとファンサービスを続けました。
映画『凪待ち』の作品情報
【公開】2019年6月28日(日本映画)
【監督】白石和彌
【脚本】加藤正人
【キャスト】香取慎吾、恒松祐里、西田尚美、吉澤健、音尾琢真、リリー・フランキー
映画『凪待ち』のあらすじ
ギャンブル依存症を抱えながら、その人生をフラフラと過ごしていた木野本郁男(香取慎吾)。
彼は恋人の亜弓(西田尚美)が故郷である石巻に戻ることをきっかけに、ギャンブルから足を洗い、石巻で働き暮らすことを決心します。
郁男は亜弓やその娘・美波(恒松祐里)と共に石巻にある家へと向かいますが、そこには末期ガンを宣告されてからも漁師の仕事を続ける亜弓の父・勝美(吉澤健)が暮らしていました。
郁男は小野寺(リリー・フランキー)の紹介で印刷工の仕事を。亜弓は美容院を開業。美波は定時制の学校へ。それぞれが、石巻で新たな生活をスタートさせました。
けれども、郁男は仕事先の同僚に誘われたのがきっかけとなり、再びギャンブルに、それも違法なギャンブルに手を染めてしまいました。
やがて些細な揉め事から、美波は亜弓と衝突してしまい、家を出て行ってしまいます。
その後、夜になっても戻らない彼女を郁男と亜弓は探しに行くものの、二人はその車中で口論となってしまい、郁男は車から亜弓を降ろしてそのままどこかへと去ってしまいました。
そして、ある重大な事件が起こります…。
まとめ
主演・香取慎吾のサプライズ登場。試写会に訪れたロケ地で暮らす人々は突然の出来事に驚きと歓喜に沸き立ち、試写会は大盛況という形で幕を閉じました。
「本作の撮影に協力してくださった、ロケ地で暮らす人々への感謝を伝えたい」という目的で行われた本試写会は、まさに大成功という結果を迎えたのは疑いようがありません。
それでは、宮城県の塩釜市・石巻市を中心にロケを行った映画『凪待ち』を今回の試写会にて鑑賞し、そのロケ地で暮らす人々は本作にどのような感想を抱いたのか?
その答えは、近日公開される別記事にてご紹介させていただきます!
映画『凪待ち』は2019年6月28日(金)より、TOHOシネマズ日比谷を皮切りに全国ロードショー!


「仙台地下街」日の目見ず 構想、67年から浮かんでは消え…
 「仙台市にはどうして地下街がないの?」。素朴な疑問が「読者とともに 特別報道室」に寄せられた。JR仙台駅に地下自由通路や地下歩道はあるものの店舗はなく、地下街とは様相が違う。東北最大、人口108万都市なら地下街があってもよさそうなのに、なぜ存在しないのか。取材を進めると、地下街構想が浮かんでは消えた仙台特有の事情があった。
◎駅前商店街の反発強く
 JR仙石線の地下化で、2000年に全面開通した仙台駅の東西地下自由通路。東口の宮城野通からJR、市地下鉄の駅構内を経て青葉通、あおば通駅まで約700メートルをつなぐ。
 途中、エスパル仙台店の食料品売り場に入る約40メートルはにぎにぎしい。それ以外は壁面広告が続き、殺風景だ。市民が黙々と歩く文字通りの「通路」。東北の玄関口としては少し寂しい。
 地下街を整備する話は、これまで一度もなかったのか。市都市整備局に尋ねると、幹部職員は記憶をたどり「昔はあったが、中心商店街が反対して立ち消えになった」と教えてくれた。
 河北新報に掲載された過去の記事を調べると、地下街の開発は1960年代ごろ、全国で進んだ。仙台も時流に乗ろうと商工会議所が67年、検討委員会を設置したものの実現しなかったと分かった。
 その後も82年の東北新幹線開業、87年の市地下鉄南北線開業、仙石線の地下化、2015年の東西線開業など、仙台駅の姿が変わるたびに地下街を望む声は上がった。ただ、具体的な話には発展しなかった。
 市議会の会議録をたどると、構想が水泡に帰した背景が分かる。02年、当時の市幹部はこう答弁した。
 「新幹線の関係で(仙台駅整備構想の)絵としては出ていたが、地元商店街の地盤沈下になるということで相当タブー視され、具体的には進まなかった」
 名掛丁商店街振興組合(青葉区)の元理事長岩崎一夫さん(81)は、南北線開業前の地元経済界の空気を覚えている。
 「反対というよりは、やめた方がいいという雰囲気だった。地下街は危険で、コストがかかる。大型店が進出し、地上店舗の不利益になるとの理由だった」
 市中心部は駅前から中央通、一番町にかけて六つの商店街がアーケードを連ね、仙台の「顔」として歴史を刻んできた。地下街は新たな顔となる恐れがあり、街を支える商店街には受け入れ難い構想だった。
 「政令市になると、どこも判で押したように地下街を造りたがるが、地元商店街が衰退するだけ。地下街は喫緊の課題じゃない」
 クリスロード商店街振興組合(青葉区)の前理事長鈴木泰爾(ひろみ)さん(78)は90年代後半、当時の藤井黎市長にこう強くくぎを刺したことを思い出す。
◎72年大阪の大規模火災契機 規制強化も壁に
 都市空間を有効利用した地下街は、にぎわいの核になる。JR東京駅の八重洲地下街は有名。約180の飲食店などが連なり、首都の活気を支える。札幌市のさっぽろ地下街、福岡市の天神地下街など全国20政令市の約半数に存在する。東北はJR盛岡駅西口に小規模な地下街がある。
 「仙台は商店街の反対もあったが、構想が浮上した時期も良くなかった」
 東大大学院工学系研究科の広井悠准教授(都市防災論)は、仙台に地下街がない要因をこう指摘する。
 地下街開発は1960年代ごろピークを迎え、仙台商工会議所も67年に検討委員会を設置した。ところが、72年に大阪・千日デパートで118人が犠牲になる火災が発生し、地下街開発は規制が強化された。
 広井准教授は「当時、駅前整備は地下街とペデストリアンデッキの二択だった。地下街の規制が厳しくなり、仙台は後者を選択したのだろう」と解説する。
 今後も仙台に地下街が生まれる余地はないのだろうか。
 実は、あの殺風景な仙台駅の東西地下自由通路には驚きの仕掛けがある。JRと市地下鉄の間の約200メートル区間は壁が薄く、くりぬけばいつでも店舗が設営できる構造になっている。
 市都市整備局の幹部は「将来、地下街開発の機運が高まったときに備え、可能性を残している」と明かす。
 肝心の機運はどうか。仙台商工会議所の広報担当者は「議論は全く出ていない」と話す。市幹部も「将来のまちづくりの選択肢という程度」と冷ややかだ。
 青葉通沿いの企業や商店街などでつくる協議会は昨年9月、「青葉通まちづくりビジョン」を公表した。仙台駅の地下自由通路を市地下鉄東西線青葉通一番町駅まで延長し、地上と地下を回遊できる歩行者ネットワークを提唱した。ただし、ビジョンに地下街開発の構想はなかった。
 協議会の渡辺博之副会長(58)は「札幌、名古屋などのにぎわう地下街もあるが、仙台は事情が異なる。いまさら地下街を造るより、地上の商店街を活性化すべきだ」と強調する。
 近年、地下街は大規模災害時の一時避難場所の役割も担う。天候に左右されず安全な空間を提供できる利点が見直されつつある。
 広井准教授は「地下街は人に優しい空間で、にぎわいづくりのツール。街の活性化を目的に全国で再び地下街開発が進んでおり、仙台で議論が再燃してもおかしくない」と指摘する。(上村千春)


老後の資金不足/年金の全体像を議論しよう
 「年金だけで老後資金を賄えず、95歳までに2000万円の蓄えが必要」。金融庁の審議会がまとめた報告書について、所管する麻生太郎金融担当相が受け取りを拒否し、宙に浮く異例の事態になっている。
 年金制度への不安が高まり、参院選に影響するのを避けようとしたとされる。報告書の書きぶりは、金額を強調するなど粗いところも見受けられる。しかし、少子高齢化で年金水準の引き下げが予想される中、このまま制度を維持できると考える人はそう多くないだろう。
 報告書を一つの材料にして、給付と負担のバランスや貯蓄の在り方など年金システムの全体像を議論するのが筋である。本来なら、政府が参院選前に新しい年金政策の方向を示すことがあってもいい。
 政局の火種になるからと頬かむりせず、現状をつまびらかにし、広く国民に呼び掛ける建設的な論議を望みたい。
 報告書の試算は、総務省の家計調査(2017年)を基に、夫65歳、妻60歳以上の平均的な無職夫婦の世帯を想定している。
 1カ月の家計について、収入が年金など約20万9000円に対し、支出は食料、医療費など約26万3000円。毎月5万円の「赤字」としている。夫が95歳になるまでの30年間で約2000万円不足とはじき、預貯金などでそれだけの蓄えが要ると指摘した。
 各家庭の生計やライフスタイルはさまざまであり、試算は一つの事例なのだが「赤字」の表現や金額がクローズアップされ、大きな騒ぎになった。
 報告書の後半をみると「公助」の限界をカバーする手だてとして「自助」、ここでは資産の運用を奨励している。確定拠出年金の「iDeCo(イデコ)」とか「つみたてNISA」を例示する。
 金融庁が国民に財テクを勧めるような内容に対し、批判も聞かれる。安全志向の強い一般家庭では、いわゆるたんす預金に向かう傾向にある。投資に回すと言っても、どれだけの人々が商品を理解し、反応するだろうか。唐突の感がある。
 その前に、限界の近づく公助をどのように維持し、見直すのか、抜本改革を含めて根幹を議論するのが先だろう。
 今年は5年に1度の「財政検証」の公表時期に当たる。現在の年金制度は、保険料収入と積立金、国庫負担で賄えるように水準を引き下げる「マクロ経済スライド」の方式を取る。引き下げを続ける期間や現役当時の収入に比べて何割かなど、見通しを明らかにするのが財政検証である。
 今月初めの公表とみられていたが、いまだに公表時期さえ示していない。選挙の争点化を避けているとしたら、これもまた自己都合のそしりを免れまい。先送りせずに正確な情報を提示し、議論のテーブルを整えるのが肝要だ。


河北春秋
 「老後に2千万円の貯蓄が必要」と聞いて、どきりとした人は小欄ばかりではないだろう。金融庁の審議会が、年金だけでは老後の資金を賄えないとして、夫が65歳で退職した後、夫婦が95歳まで過ごすための必要額を試算した報告書をまとめた▼野党は「日本は老後に2千万円がないと行き詰まる国か」と政府を追及し、与党からも「誤解や不安を招き、参院選に影響しかねない」と批判が相次いだ。麻生太郎金融担当相は報告書の受け取りを拒否するという。審議会に諮問した当人だ。都合が悪くなると切り捨てる姿勢にあきれるほかない▼公的年金だけで生活できると思っている人は今、ほとんどいないだろう。だからこそ、多くの高齢者が定年後も再雇用などで働いたり、生活を切り詰めたりして、蓄えを取り崩しながらつつましく暮らしている▼報告書には、自宅で現金を保管する「たんす預金」を、リスクがある投資へと誘導しようという金融庁の狙いも透けて見える。ただ、本質は老後の現実を踏まえて現役時代からの自助努力を求めたにすぎない▼自助努力をしようにもできない低所得者をどうすくい上げるかも含め、政府は老後の生活設計の青写真を野党と議論するべきだ。今のように逃げていては、年金不信は高まるばかりである。

「2000万円」報告書を拒否 将来不安から逃げる政府
 夫婦の老後資金として公的年金だけでは「約2000万円不足する」と試算した金融庁の報告書の受け取りを、麻生太郎副総理兼金融担当相が拒否した。異例の展開である。
 報告書は金融審議会の作業部会がまとめた。夫が65歳以上、妻が60歳以上の夫婦の場合、年金収入だけでは生活費が毎月約5万円、30年で約2000万円不足するという。不足分を補うために預貯金を資産運用するよう促した。
 老後といっても、生活水準は世帯によって異なる。にもかかわらず、報告書は平均値だけを示し2000万円という数字が独り歩きする状況を招いた。説明は丁寧さに欠けた。
 しかし、金融庁の報告書をなかったことにしようとする麻生氏の対応は理解に苦しむ。
 与党は2004年の年金改革で「100年安心」をアピールした。現制度の出発点だ。野党は今回、「『100年安心』はうそだったのか。2000万円ためろとはどういうことか」と批判した。安倍晋三首相は「100年安心はうそではない」と説明した。麻生氏は「世間に著しい誤解を与えている」と報告書をなかったことにして決着を急いだ。
 夏の参院選が迫る中で、年金問題に火が付き選挙戦に影響が出ることを懸念したのだろう。
 04年改革は、制度の持続性に力点が置かれた。少子高齢化の進展に合わせて給付額を抑制することが始まった。給付水準が下がれば、生活が苦しくなる高齢者が増える。こうした人々にどう配慮していくかという課題は残されたままだ。
 金融庁の報告書は、表現に問題があっても、蓄えを使い切るリスクについて警鐘を鳴らすという狙いは間違っていない。政府はその存在をなかったことにするのではなく、正面から受け止めるべきだ。
 今国会は会期末までまだ2週間ある。政府は例年よりも公表が遅れている年金財政の検証結果も早急に出し、与野党で将来不安軽減につながる議論を深めるべきだ。野党はいたずらに不安をあおるのではなく、建設的な議論を重ねる必要がある。
 首相は少子高齢化を「国難」と述べる。一方で、関連する年金について「安心」と繰り返す。その一点張りでは国民の不安は解消しない。


何もかも辻褄が合わなくなってきたのは「政権末期」の兆し
 金融庁が3日に発表した「老後を年金に頼るのは無理なので、夫婦で95歳まで生きるつもりなら2000万円の金融資産を自分で用意しろ」という趣旨の報告書が大きな波紋を呼んでいる。枝野幸男立憲民主党代表は、「そんな貯蓄ができない人たちが圧倒的多数であり、それをどうするのかが政治の仕事だという自覚が、麻生金融担当相には全くない。この姿勢そのものが参院選の最大の争点だ」と語っているが、その通りだろう。
 考えてもみよう。今から15年前、第2次小泉内閣の売り文句が「年金100年安心」で、その時の自民党幹事長は安倍晋三である。ところが5年も経たないうちに早くも「安心」が怪しくなって、民主党政権は年金はじめ社会保障改革のための財源確保と財政の再建をどう両立させるかという難問に取り組まざるを得なくなった。それで生まれたのが、野田政権下での「社会保障と税の一体改革」のための自公民3党合意で、消費税を14年に8%に、15年に10%にアップして、それを主として社会保障の改革に注ぐ方向を打ち出した。
 野田政権は12年末の総選挙で惨敗し、第2次安倍政権が成立したが、もちろん3党合意は有効で、同政権もそれに拘束されている。そこで安倍は約束通り14年4月に消費税を8%に上げたものの、それを景気面から支えるアベノミクスは何の成果も生んでおらず、またそれでも耐え忍ぶに必要な年金はじめ老後の暮らしへの「安心」は何ら確保されていなかったので、この増税はマイナス面ばかりが目立ってしまった。
 それですっかり懲りた安倍は、10%への増税を2度も延期し、3党合意を裏切り続けてきた。その揚げ句に生じたのが今の事態である。
 3度目の消費増税延期を言い出すことは、いくら何でもできない。それを支えるだけの景気をアベノミクスがつくり出すことに失敗したと自ら認めるに等しいからだ。そこで、増税分を活用してどのようにして社会保障を充実させ、財政を再建して「安心」できる世の中を実現できるのかを示して参院選を戦わなければならないが、その矢先に、政府自身の一角から「年金なんかアテにしてもダメだよ」という声が上がってしまったのだから、どうにもならない。
 このようにして何もかもが辻褄が合わなくなっていくところに、政権末期の兆しが表れている。


老後報告書撤回/「赤字」の実態は隠せない
 夫婦2人世帯の年金暮らしは月5万円の赤字、95歳まで生きるには2千万円の蓄えを−。
 老後の資産形成を促した金融庁金融審議会の報告書が、異例の撤回に追い込まれた。国民に自助努力を求める内容が世論の反発を浴び、麻生太郎金融担当相は「不安と誤解を与えた」と受理を拒んだ。
 2千万円どころか、総務省の家計調査では貯蓄500万円未満が高齢者世帯の2割を超す。政府が掲げる年金の「100年安心」に矛盾すると、多くの国民が憤るのは当然だ。
 野党も攻勢を強めており、参院選に向け悪材料を取り除くのが政府・与党の狙いだろう。
 リスクのある投資を勧める内容の是非はともかく、報告書が示したのは年金の平均的な給付額が生活費に見合わない実態である。政府にとって「不都合な真実」は撤回しても消えない。
 安倍政権は「人生100年時代」を強調し、高齢者の就職を促す。しかし働きたくても働けず、年金頼みの世帯は数多い。実態を踏まえ、老後の安心を増すために社会保障制度を強化するのが政府の責務だ。
 参院決算委員会で安倍晋三首相は報告書について「不正確だった」と釈明したが、「100年安心」を虚偽とする野党の攻撃には反論を重ねた。
 現役世代の負担額を軸に給付額を決め、年金制度を持続させるのが「100年安心」の趣旨だ。しかし給付額自体が安心できる水準かは見通せない。国民が抱く不安はその点にある。
 報告書が問題提起した年金頼みの限界を、首相は直視せねばならない。
 厚生労働省は、将来の厚生年金の給付水準をチェックする5年に1度の「財政検証」に着手している。経済が順調に成長しても30年後には現役世代の手取り収入に対する給付水準が2割目減りする、というのが2014年の検証結果だった。
 前回は6月上旬に公表された。今回は給付先細りの結果を想定し、参院選後に先送りされるとの見方がある。
 「安心」を強調するなら、政府は検証結果を速やかに公表し、年金の将来像と自らの老後について国民が明確にイメージできるようにするべきだ。


[老後報告書 実質撤回] フタをせず説明尽くせ
 国民の関心が極めて高い問題であるにもかかわらず、説明も議論も不十分なままだ。 選挙を意識した国民不在のドタバタ劇が将来不安をかき立てている。
 麻生太郎金融担当相は、老後の資産形成を促した金融審議会の報告書を「正式な報告書としては受け取らない」ことを明らかにした。
 報告書は、夫65歳以上、妻60歳以上の高齢夫婦の場合、年金だけでは老後の資金をまかなえず、生活費が30年間で2千万円不足する、と試算している。
 年金以外に約2千万円の蓄えが必要だとの試算は、年金制度そのものへの不安をかき立て、各方面から反発を招いた。
 野党は一斉に「年金の『100年安心』はウソだったのか」と政府を追及した。
 自民党は参院選への影響を懸念し、金融庁に強く抗議した。
 審議会の作業部会が報告書を発表した当初、麻生氏は内容を容認する姿勢を示していた。各方面からの批判にさらされ、麻生氏は「表現が不適切だった」ことを認めた。
 自らが諮問して専門家らに作成させた報告書の受け取りを担当大臣が拒否するのは極めて異例である。
 自民党は「政府は報告書を受け取っていない」との理由で、野党が要求した予算委員会の開催を拒否した。
 選挙への影響を最小限にとどめるため、公になった報告書そのものをなかったことにし、十分な説明もないままフタをしようとする−その姿勢が不信感を招き、年金不安を高めているのである。
    ■    ■
 予算委員会の開催は、衆院が3月1日、参院は3月27日が最後で、その後一度も開かれていない。なぜ、予算委で集中審議し、国民の不安に答えようとしないのか。それがまったく理解できない。
 少子高齢化が進む中で公的年金の給付水準が低下するのは避けられない、と言われ続けてきた。
 報告書は原案では、年金水準の「実質的な低下が見込まれる」としていた。公表された報告書では「今後調整が見込まれている」とのあいまいな表現に変わった。
 表現が変わっただけで、将来の想定が変わったわけではない。そして強調されたのが資産形成などの「自助」の勧めである。
 選挙前になると政権与党は、糖衣錠のような「おいしい話」を有権者向けに打ち出し、「苦い話」を避けたがる。だが、今必要なのは正確な事実に基づいた将来を見すえた制度構想だ。
    ■    ■
 各世代に広がる年金不安を放置すれば、有権者は将来に備え、個人消費を抑制する。 金融機関は投資を奨励するが、リスクを考えると、とてもなけなしの預貯金を投資に回すことはできない。
 安倍政権の経済政策(アベノミクス)の恩恵を受けている層は、大企業や資産家など一部に限られている。
 単身高齢者の貧困や高齢者間の格差は深刻だ。
 議論すべきことを先送りしてきたツケが回ってきているのである。


「老後」報告書  将来への議論封じるな
 国民の「老後」に関する議論まで封印しようというのだろうか。
 95歳まで生きるのに夫婦で2千万円の蓄えが必要と試算した金融庁金融審議会の報告書の受け取りを、政府が拒否した。
 内容を巡って野党をはじめ各方面から強い批判が上がっていた。夏の参院選への影響を排除しようとしたことは明らかだ。
 確かに、報告書は公的年金の先細りを指摘して自助努力を促し、投資を勧めているとも読み取れる。違和感を感じさせる内容だ。
 麻生太郎財務相は「世間に不安や誤解を与えた。政府の政策スタンスとも異なる」と受け取り拒否の理由を述べた。だが、報告書はその麻生氏の諮問を受けてまとめられており、公的な性格を持つ。
 内容が妥当でないというなら、政府内や国会で議論を尽くすのが筋ではないか。
 報告書の門前払いは、審議会が提起した年金の将来に関する問題まで封じてしまいかねない。
 自ら諮問しておきながら、選挙で不利になりそうだと見るや一転して突き放し、はしごを外す−。麻生氏のこうした姿勢も、政治に対する不信を招きかねない。
 報告書はもともと、高齢社会の資産形成に関するものだが、公的年金制度の限界を政府が認めたと受け取れることや、元本割れリスクもある投資を促すなどの内容は衝撃的だった。
 批判が拡大したのは、非正規労働者の増加や高齢者の貧困拡大など、国民が抱く生活実感とつながる面があったからではないか。
 その意味では、年金の給付水準低下や長い老後への備え方など、報告書が示唆する課題を国民に示し、幅広く考えるきっかけにできる可能性があった。
 参院選を控えた今だからこそ、与野党を超えて議論を深めなければならないはずだ。報告書をなかったことにするのは、そうした機会の放棄に等しい。
 今年は5年に1度行われる年金の財政検証の年だが、政府は検証結果の公表時期をいまだ明らかにしていない。参院選での争点化を避けるため、選挙後に先送りするとの見方も出ている。
 そうだとすれば、年金制度の現状と先行きの見通しを覆い隠そうとするもので、極めて不誠実だ。
 批判を強めている野党も、政権の姿勢を責めているだけでは済むまい。年金制度の持続可能性や負担と給付のあり方に踏み込んだ具体策をぶつけ、実りのある議論につなげる気構えが欲しい。


老後2千万円問題 撤回はあまりに無責任
 公的年金だけで老後の生活を送ろうとすると夫婦で2千万円不足するとした金融庁金融審議会の報告書に批判が高まっている。麻生太郎金融担当相や菅義偉官房長官は「正式な報告書としては受け取らない」と述べ、実質的に撤回することを表明した。
 しかし、今さら報告書がなかったことにはならない。麻生氏ら政府、与党の対応は参院選での批判をかわす狙いがあからさまで無責任極まりない。政府は年金制度の持続性や給付水準に対する国民の不安に正面から向き合い、明確な根拠を示して丁寧に説明するべきだ。
 報告書は、長寿化が進み「人生100年時代」を迎える一方、公的年金を支える働く世代は減少するため、国民に資産形成の自助努力を促す内容。男性65歳以上、女性60歳以上の夫婦だけの世帯では毎月の年金収入が支出より5万円不足し「赤字」になると試算した。30年間で2千万円不足することになる。
 そもそも多くの国民は老後の年金生活に不安を抱いているのが実情だろう。可能な限りの貯蓄に努めてもいる。そんな中で、年金が危機的状況にあることを認めるかのような内容の報告書は、国民の不安と不信をかき立てることになった。想定外の批判の高まりに、安倍晋三首相は金融審議会の試算は「不正確で誤解を与えるものだった」と述べた。麻生氏は「政府の政策スタンスと異なっている」と突き放した。
 審議会は金融相の諮問機関であり、有識者らが昨年秋から議論を重ねてきた。報告書は、日本で初開催となった20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を前に、高齢社会への対応をアピールしようと公表された。報告書の実質撤回はあまりにお粗末な対応だ。
 与党内からは「選挙に影響が出てはかなわない」などと不満の声が相次いだ。自民党の二階俊博幹事長ら与党幹部は金融庁の独断専行などとして官僚に責任を押しつける発言をしている。報告書の撤回も含め、露骨な選挙対策だ。問題があるのなら隠さずに議論し、選挙で有権者の判断を仰ぐのが民主主義である。
 政府は年金制度を「100年安心」と強調してきた。今年は5年に1度行われる年金の財政検証の年だが、まだ結果は公表していない。政府の主張に変更がないなら、今国会中にも結果を明らかにし、審議会報告書と比較できる形で説明して国民の不安払拭(ふっしょく)に努めるべきだ。
 金融審議会メンバーの一人は「年金の給付水準はこれから下がっていく。不都合な真実を伝えるのが誠実な態度だ」と発言している。実際に年金生活が始まってから、年金だけでは生活できないという結果になったのでは手遅れだ。年金制度の行方を冷静に見つめ直し、国会の場で真摯(しんし)な議論を深めることが求められる。


【老後報告書拒否】逃げずに議論と説明を
 自ら諮問した審議会の報告書を、選挙に都合が悪いからといってなかったことにするのは、聞いたことがない対応だ。
 95歳まで生きるには夫婦で2千万円の蓄えが必要だと試算した金融庁金融審議会の報告書について、麻生金融担当相が受け取りを拒否する異例の事態になった。
 報告書は「人生100年時代」の備えとして、公的年金だけでは老後の資金を賄えないことを認め、国民に計画的な資産形成など自助努力を促す内容だった。
 当初は追認するかのような発言もしていた麻生氏が受け取りを拒否したのは、「政府の政策スタンスと異なる」のが理由という。報告書は実質的な撤回に追い込まれた。
 麻生氏だけではなく、政権与党はこぞって不安や誤解を招いたとして金融庁を批判。参院選を前に持ち上がった「年金不安」の早期火消しに躍起だ。
 ただ、少子高齢化が進む中で、国民は年金制度の持続性や将来的な給付水準への不安を持っている。
 報告書は、年金頼みの限界を直視した問題提起ともいえる。封殺するのではなく、正面から受け止めて議論と説明を尽くすのが政治の責任ではないか。
 年金制度は少子高齢化の急速な進行で「支え手」が減り、「支えられる側」が増えている。政府は世代間の負担格差を和らげるため、2004年の制度改革で「マクロ経済スライド」と呼ばれる給付の抑制策を導入している。
 これによって高齢者が受け取る年金額は徐々に目減りしていく半面、政府は公的年金財政を「100年安心」と触れ込んできた。
 2千万円もの蓄えという自助努力を促す金融庁審議会の報告書は、こうした政府の立場と矛盾するとの疑念を広げている。
 国会では、野党が「100年安心」に疑義が生じたと追及。安倍首相はこれに反論し、「将来の世代も含め、皆さんに安心してもらえる制度になっている」と説明した。
 「安心」であるのならば根拠を示すべきだが、政権の対応には他にも疑問がある。経済状況や人口、雇用情勢の変化を踏まえて年金財政の健全性をチェックする5年に1度の「財政検証」がまだ公表されていないことだ。
 検証は、経済成長のパターンごとに現役世代の平均手取り収入に対する厚生年金の給付水準を示す。政府は50%を確保すると説明しており、前回は14年6月3日に公表された。
 政府は「必要な作業が終わり次第公表する」と説明しているが、時期は明言していない。参院選への影響を懸念して公表を先送りしているとすれば、これも国民に対して誠実さを欠くのではないか。
 不都合な要素を封じ込めようとする政権の選挙至上主義には批判の声も上がっている。国民の不安と向き合い、逃げずに議論と説明を尽くすべきだ。


自民党「報告書はなくなった」に“詐欺そのもの”と批判殺到
金融庁の審議会が6月3日に発表した「高齢社会における資産形成・管理」の報告書がさらなる波紋を呼んでいる。報告書では「老後20〜30年で最大2千万円の不足額が発生する」など、年金だけで生活することが厳しい実情が明かされた。その内容に批判の声が殺到していたが、報告書をまとめるよう諮問した麻生太郎金融担当相(78)がその受け取りを拒否したのだ。
発表直後の4日に、「100歳まで生きる前提で自分なりにいろんなことを考えていかないとダメだ」と報告書の内容を支持していた麻生氏。しかし批判の声が高まると、7日に「(年金だけでは)あたかも赤字で表現したのは、不適切だった」と釈明していた。そして、麻生氏は6月11日の記者会見で「正式な報告書としては受け取らない」と発言。
理由について「年金制度自体が崩壊するかのごときに思われるような表現になっていた。世間に著しい不安とか誤解を与えている」と説明した麻生氏。自民党の二階俊博幹事長(80)は11日に「我々選挙を控えておるわけですから、そうした方々に迷惑許すことのないように注意したい」と述べ、7月に予定されている参院選への火消しに躍起だ。
政府による突然の手のひら返し。報告書作成に携わったセゾン投信の中野晴啓社長は、11日放送の「報道ステーション」で「大変残念な思いです。この報告書は大変時間をかけて1回2時間半の会合を12回。本当にとことん時間をかけて議論してまとめあげたものですから、我々委員にとっては自信を持って提案したものです」と反論。
そんななか、さらに火に油を注ぐ出来事が。12日、記者から予算委員会での集中審議について問われた自民党の森山裕国対委員長(74)は「この報告書はもうないわけですから。なくなっているわけですから。予算委員会にはなじまないと思います」と応答。一度発表した報告書の存在を黙殺しようとしているのだ。
昨年の森友学園への国有地売却を巡る公文書改ざんやデータ統計不正が発覚するなど、その姿勢が問題視されている政府。先日も安倍晋三首相(64)が官邸で官庁幹部と面談した際に、首相官邸が打ち合わせ記録を作成していないと判明し危惧する声が上がったばかり。こうした現状を、国民民主党の小沢一郎氏(77)はTwitterで激しく批判。
《そもそも公文書の改竄を何とも思わない政権だから審議会の報告書の存在など簡単に消せる訳だ。どうしようもない。 とにかく自分達に都合の悪いことは全て隠滅し、現場に押し付けるという意味では一貫している。あとは国民の判断ということになる》
ネット上でも「改ざんそのもの」と、政府の不誠実な態度に怒りの声が巻きおこっている。
《「報告書はもうない」って、日本政府って自分たちにとって都合の悪い報告書はなかったことにしてしまうのですか。政府のこの考え方は、公文書の破棄や改竄にも共通する病理だと思うのです》
《国民なめてんのか、いい加減にせえよ》
《ご都合主義もここまでくると怖いわ!なんでも都合の悪いものは改ざんするわ!なかったことにするわ。詐欺商法そのものだわ》
《「まともな仕事」に対する敬意を一切持っていない人々が、国家運営をしている地獄》
一連の不義理な対応は、国民の記憶にはっきりと刻まれたことだろう――。


自民“クビ切り”画策 金融庁長官に2000万円問題の責任転嫁
「老後のために2000万円貯蓄せよ」――。金融庁の報告書に国民の不安は募るばかりだが、そんな国民の思いをよそに“ご立腹”なのが、麻生金融担当相と二階自民党幹事長だ。参院選への悪影響がよほど心配らしい。麻生氏は自分で諮問したクセに報告書の受け取りを拒否し、火消しに躍起。「まだ足りない」とばかりに、今度は金融庁長官の“クビ切り”を画策しているという。
  ◇  ◇  ◇
「金融庁の報告書の指針案が先月23日に報道された直後は、麻生さんも内容について大して気にしていませんでした。企業関係者らとの会合で、同席した遠藤俊英長官のことを『彼はよくやっている』と持ち上げていたほどです。そんな様子を見て、誰もが『7月の霞が関人事で遠藤さんは長官続投だ』と感じたそうです」(霞が関事情通)
 金融庁の遠藤長官は1982年東大法卒後、旧大蔵省に入省。公文書改ざん問題の佐川宣寿前国税庁長官や片山さつき地方創生相ら「いわく付き」と同期だ。検査局長などを務め、昨年7月、森信親前長官の後任として就任した。長野・軽井沢の自宅から約2時間かけて霞が関に通う“変わり者”でもある。長官任期は「1期1年」が通常だが、遠藤長官は続投が「既定路線」だった。理由は、麻生氏の“お気に入り”だからとみられている。実際、麻生氏は遠藤長官の就任直後、報道陣に「森(前長官)に比べれば人柄は優しい」と話していた。
「ところが、報告書に老後の生活資金が2000万円不足すると書かれていたことが世間に問題視されるようになると、麻生さんの態度は一変。『なんで選挙直前にこんなもん発表したのかねぇ』『遠藤のケツをなんでオレが拭かなきゃいけねぇんだ!』と周囲に怒りをあらわにしたそうです」(永田町関係者)
■大バッシング報告書の「起草者」
「我々は選挙を控えているわけですから」と、ア然とするほどロコツだった二階氏も、はらわたが煮えくり返っているという。
「二階氏の周辺が遠藤氏と直接面会し、『何だこの報告書は』『配慮が足りない』と、長々と“お説教”したといいます」(前出の永田町関係者)
 そこで浮上しているのが、怒りに任せた遠藤長官の「続投撤回論」。事実上の“クビ切り”である。
「そこまでしないと国民は納得しない」(二階派関係者)
 実は、遠藤長官は昨年11月の講演で「(お金を)適切に増やしていかないといけない。そのやり方を示すことが金融庁のひとつの大きなミッションだと思っています」と発言。資産運用の重要さを語っていた。炎上中の報告書の「起草者」と目されているのだ。それだけに「『もともとあんたが描いた絵だろ』と詰め腹を切るよう迫りやすい」(前出の二階派関係者)という事情もある。
 要するに、トカゲのシッポ切りだ。役人に責任をなすりつけての幕引きなど許されない。安倍自民は、国民の老後の不安より“選挙ファースト”だ。


GPIFも年金運用成績公表せず?過去にも参院選後まで“隠蔽”
 2018年度第3四半期の運用実績はマイナス14.8兆円――。
 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が今年2月、過去最大となる年金運用の損失を発表してから4カ月余り。例年、7月第1週の金曜日に前年度の通期の運用成績を公表するが、霞が関では「参院選の前には公表しないのではないか」と疑念の声が上がっている。
 18年度の年金運用は、第1、第2四半期が2.6兆円、5.4兆円のそれぞれプラスと順調だったが、第3四半期は米中貿易摩擦などを懸念した世界的な株安と円高の影響をモロに受け、15兆円に迫る大損失。第1、2四半期のプラス分を完全に溶かした。
 通期の見通しも「第4四半期(今年1〜3月)は、外国株の上昇が期待できても円高傾向が続いた影響で利益は減殺されてしまう。約15兆円もの損失は補填できず、恐らく通期はマイナス運用です」(経済評論家・斎藤満氏)という状況だ。
 そのため、運用損が投票に及ぼす影響を考慮し、「公表を参院選後まで避けるのでは」と勘繰られているのだ。なぜなら、GPIFにはあきれた前科がある。
 15年度も約5兆3098億円もの運用損を出したが、その事実を国民に知らせたのは16年7月29日。同年7月10日の参院選の投開票が終わるまで公表を例年から1カ月近くも遅らせたのだ。
「当時、GPIFは『初めて保有銘柄を発表するため、時間がかかった』と説明しましたが、公表した『平成27年度業務概況書』のうち保有全銘柄に費やされたのは、たった1ページ。しかも、上位10銘柄の表を張りつけただけで、11位以下は『管理運用法人のホームページをご覧ください』と片づけられていた。この作成に1カ月近くもかかるわけがない。非常に苦しい公表遅れの言い訳でしたね」(厚労省事情通)
 政権からの指示があったのか、それとも忖度かは“ヤブの中”だが、今年は例年通り公表するのか。GPIFに聞くと、「今のところ、7月第1週の金曜日に公表予定です」(企画部企画課)とのこと。なぜ、「今のところ」なんて含みを持たせるのだろうか……。マイナス運用の公表を再び参院選まで隠蔽させないよう、監視が必要だ。


東京福祉大の留学生不明 脱法許した国にも責任が
 東京福祉大で昨年度までの3年間に、計1610人に上る留学生が所在不明となっていたことが文部科学省などの調査で判明した。同省などは、同大の学部研究生の新規受け入れを当面認めないことを決めた。
 同大の一部のキャンパスでは、銭湯やコンビニエンスストアの入る雑居ビルなどの部屋を急ごしらえで教室にしていた。教育の場とは程遠い環境だ。
 同大では2013年度に348人だった留学生が18年度には5133人に膨らんだ。この増加に受け入れの体制が追いついていなかった。
 人手不足でコンビニなどのアルバイトが留学生頼みとなっている。留学の在留資格を得て、実際は就労目的で日本に滞在している外国人もいる。少子化の時代にあって、そんな留学生制度の穴につけ込み、留学生を多く入学させて授業料収入を確保しようとしたのではないか。
 そう疑わせるのは、昨年度の不明者の8割が原則1年の学部研究生だったことだ。研究生は大学の定員に含まれず、人数に規制がない。研究生は16年度から急激に増え、留学生全体の人数を押し上げていた。本来は十分な日本語能力を身に付けている留学生が対象の枠だが、実際には日常会話程度しかできない留学生が多数いた。
 国はこの実態になぜもっと早く気付けなかったのか。
 文科省は各大学に除籍者や所在不明者について定期報告を求めている。同大の報告を丹念にチェックしていたら異常に気付けたはずだ。今年3月になってやっと実地調査を行い、実態を突き止めた。大学の自治への配慮もあったのかもしれないが、対応が遅かったと言うしかない。
 一方、所在不明になった留学生の側も、同大の緩い留学生選考を悪用した可能性もある。文科省などは各大学について、留学生の在籍管理に問題があるとして指導しても改善が認められない場合、留学生への在留資格付与を取り消す新たな方針を示したが、当然の措置と言えよう。
 政府は外国人労働者の受け入れ拡大へかじを切った。多文化共生が社会の大きな目標となっている。脱法行為を許す制度の穴をふさがなければ、共生社会での安定した日本経済は築けない。


消えた留学生 制度のゆがみ正さねば
 大勢の留学生が所在不明となった東京福祉大に対し、国は厳しい指導に乗り出した。本来の趣旨を逸脱し、留学生は人手不足の業界で不可欠の労働力とされている。制度のゆがみを直視すべきだ。
 トイレのわきに机といすが並べられた雑居ビルの一室。文部科学省が公表した一枚の写真がこの大学の劣悪な教育環境を物語る。授業を受けていない学生もトイレを利用するために出入りしていた。
 同省の調査で所在不明者は三年間で千六百人超に上る。多くは正規課程への準備段階の研究生や留学生別科の学生だ。正規課程は大学設置基準に基づき定員が定められているが、研究生などには明確な上限はない。
 この制度上の抜け穴なども使って、大学が受け入れた留学生数は六年間で約十五倍の五千百人超に膨らんだ。キャンパスだけで学生を収容できず、雑居ビルやマンションなどが教室とされていた。
 名古屋市にある系列の専門学校も、収容定員の四倍を超える生徒が在籍している可能性がある。
 大学の新規の研究生の受け入れは当面停止される。国は新たな制度を設けて、他の大学にも在籍管理の徹底を求める。
 日本語教育に携わる関係者によると、二〇〇八年に国が「留学生三十万人計画」を打ち出して以降、日本での就労希望者が現地のブローカーのあっせんで、留学生として入ってくる事例が以前にも増して目立つという。留学生は週二十八時間のアルバイトが認められている。コンビニエンスストアなどでは留学生店員が日常の風景となっている。
 ブローカーに仲介料を払うため、借金を抱えている学生もいる。思ったほどにはアルバイトの収入が得られなかったり、学業との両立が困難だったりという現実が、留学生が「消える」背景にあることは想像に難くない。留学生数は目標として掲げた三十万人を達成しつつある。しかし数字ありきになっていた側面はなかったか。国は内実を検証すべきだ。
 留学生のアルバイトが解禁されたのは一九八三年。政府が留学生十万人計画を掲げた年だった。学業を持続可能にし、日本を深く知ることができるという意味では、アルバイトは一概に否定されるものではない。だが人手不足の問題は本来、労働政策の中で解決策を見いだすべきだ。学業に出稼ぎ目的が入り交じるグレーゾーンは解消する時期にきているのではないか。


地上イージス/計画は撤回するのが筋だ
 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の候補地を巡り、秋田市の陸上自衛隊新屋演習場を「適地」とした防衛省の調査に誤りがあったことが明らかになった。
 調査は、ほかに適地がないかを検討する目的で、東北地方の国有地19カ所が対象となった。このうち9カ所で、山を見上げたときの角度を示す「仰角」の数値が過大に記載されていた。実際は4度しかないのに15度と記された地点もあった。
 防衛省はレーダーの電波を遮る高い山があるとして「新屋以外は不適」と結論付けたが、その根拠が揺らぎ、判断の信ぴょう性は失われたことになる。
 秋田県の佐竹敬久知事は「議論は振り出しに戻った」と表明した。防衛省は配備計画を撤回し、見直すのが筋だろう。
 地上イージスは、北朝鮮のミサイル脅威に対抗するため政府が2017年に導入を決めた。新屋演習場と山口県のむつみ演習場が候補地とされている。今回の問題で山口県でも防衛省への不信感が高まっている。
 ミスの原因は、標高と距離から仰角を計算する際、縮尺が異なるデータを使ったためという。にわかに信じがたいが、ミスに気づかぬまま、山の高さが強調された断面図を作製し報告書に記載していた。
 防衛省は、数値を修正しても判断は変わらないとする。
 はじめから新屋への配備ありきだったのではないか。安易な調査方法といい、ずさんなデータ処理といい、そう疑われても仕方がない対応だ。
 ミスを指摘した地元紙の報道がなければ、誤った根拠に基づいて配備が進められていた可能性がある。防衛省は責任の重大さを深く自覚すべきだ。
 ところが、発覚直後の住民説明会で防衛省職員の居眠りが目撃され、住民の怒りを買った。候補地周辺には住宅が密集し、学校も近い。有事には攻撃対象になる恐れもある。住民の抱く不安に真剣に向き合おうとしない姿勢は目に余る。
 適地の判断は妥当なのか。そもそも地上イージスは本当に必要か。防衛省は配備ありきで計画を進める前に、こうした疑問に丁寧に答え、信頼回復に努めねばならない。


地上イージス  「配備前提」に不信増幅
 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備地を選ぶ根拠としたデータに、信じがたい誤りが見つかった。
 イージス・アショアは弾道ミサイルをレーダーで探知し迎撃する。周囲に高い山がないことが配備条件だ。
 安倍晋三政権は国内2カ所に配備する計画で、東日本では秋田市の陸上自衛隊新屋演習場を「適地」としている。
 誤りは、防衛省が新屋演習場以外の東北の国有地19カ所で実施した調査データで見つかった。
 このうち9カ所について、レーダー設置場所から山を見上げる角度(仰角)が実際より最大11度も大きく報告されていた。
 角度を求める際に使った地形断面図は水平距離と高さの縮尺が異なっていたが、それに気づかず計算していたためだ。
 断面図はインターネットの地図情報サービス「グーグルアース」を印刷したもので、定規で山の標高や国有地までの水平距離を測って角度を計算したという。
 現場測量もせず、机上で計算しただけという安直さに、驚くほかない。「チェック体制がしっかりしていなかった」と防衛省は釈明しているが、それ以前の問題だ。
 調査は秋田県と秋田市からの要望を受けて実施された。新屋演習場は住宅地に近接し、数百メートル圏内に学校も複数ある。ミサイル基地は有事の際、真っ先に攻撃対象になるのでは、といった声がある。
 防衛省は、他の場所は山が高いなどとして、「新屋演習場が最適」と説明していたが、最初から結論ありきだったとしか思えない。
 データの誤りは、地元紙の秋田魁新報が独自に計算して見つけた。この報道がなければ、防衛省内部ですら問題に気づかなかった可能性がある。
 防衛省は配備計画を変えないというが、秋田県の佐竹敬久知事は同省との協議を白紙に戻すとの考えを示した。国は崩壊した地元との信頼関係を築き直せるのか。
 そもそも安倍政権や防衛省には、防衛政策は地域の理解を得なくてもいいかのような振る舞いが垣間見える。
 だが、地域の信頼がない防衛施設が業務を円滑にこなすことは難しいのではないか。
 1基1200億円以上もする高額なイージス・アショアについては、導入そのものへの疑問も払拭(ふっしょく)されていない。
 配備計画の妥当性もあわせて、国会で一から時間をかけて議論を尽くす必要がある。


地上イージス 「ありき」の姿勢を疑う
 県境越しに、国への不信や怒りの声が伝わってくるようだ。秋田市の陸上自衛隊新屋演習場への配備が検討されている地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」に関し、防衛省が同演習場を「適地」とした調査に誤りが見つかった問題だ。
 加えて同省が地元で開いた住民説明会で、東北防衛局の男性職員が居眠りをしていたという。言語道断の事態に、秋田県知事が「県民を愚弄している」と怒りをあらわにするのももっともだ。
 岩屋毅防衛相は釈明に追われる一方で、新屋演習場が配備の適地とする判断に変更はないとの認識を堅持しているのは理解し難い。国と国民の安全を保障する防衛政策が、国民をないがしろにして進められていいはずもない。
 米朝首脳会談を経て北朝鮮情勢は大きく変化。弾道ミサイル発射を想定した住民避難訓練が取りやめになるなど、イージス・アショア導入が閣議決定された2017年当時とは状況が異なる。「適地」の検討どころか配備計画そのものの適否を再検討する必要もあるのではないか。
 適地調査で誤りが見つかったのは、新屋演習場を除く青森、秋田、山形3県の計19カ所のうち9カ所。「適地」とされた同演習場周辺住民の要望を受けて実施され、「19カ所はいずれも配備に向かず、新屋演習場が最適」と結論づけられていた。
 問題の9カ所は、レーダーから出る電波を遮る高い山があるとの理由で「不適」とされたが、その根拠となった仰角(山を見上げる角度)を実際より過大に見積もっていたことが判明。計算に用いた米グーグルの衛星利用サービス「グーグルアース」の地形断面図が、距離と標高で異なる縮尺を用いているのに気づかなかったという。
 現地調査はしていないというのも、ずさんさに輪を掛ける。はなから「新屋ありき」の配備計画であることを疑われても仕方あるまい。
 佐竹敬久秋田県知事が「安全保障は国の専権事項」と断った上で「協議を打ち切ったら、あの人たちはすぐ押し切ってしまうから話し合いには応じる」と語っているのは意味深長だ。
 沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡っては、海域の埋め立て工事着手に前後して広範な軟弱地盤の存在が判明。工期も予算も大幅な見直しを迫られる中、県民投票で7割が「埋め立て反対」の意思を示した地元からは「そもそも適地と言えるのか」などと疑問の声も上がる。
 「あの人たちはすぐ押し切ってしまう」。この言葉に込められた地方の思いを、国は軽く考えるべきではない。


地上イージス 地元を欺いた「適地」調査
 住民が不安を訴え続けてきたことを思えば、あまりの甘さにあぜんとする。地元が不信感を強めるのは当然だ。
 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備を巡り、秋田市の陸上自衛隊新屋演習場を「適地」とした防衛省の調査に、重大な誤りがあったことが分かった。
 調査は、新屋演習場の代わりに配備できる場所がないかを検討したものだ。東北地方の国有林や他の陸自演習場など計19カ所が対象となった。
 誤りは、そのうち9カ所で見つかった。レーダーが出す電波を遮蔽(しゃへい)する山の仰角(見上げた時の角度)を調べたが、いずれも数値が過大だった。
 最も差が大きかった所は、実際は約4度なのに約15度となっていた。ほかにも約5度から約2度の差があった。
 防衛省は、レーダーの電波を遮る高い山がない場所が望ましいとしている。
 結局19カ所は配備に向かず、「新屋演習場が最適」と結論付けた。ミスに気づかず判断していたことになる。
 誤りが生じた原因は、仰角を計算するために必要な「高さ」と「距離」のデータについて、それぞれ異なった縮尺の地図を使っていたからという。
 事は、日本の安全保障に関わる。一方で新屋演習場周辺は住宅が密集し、近くに学校もあることから、住民には配備に対する根強い不安がある。
 防衛省には細心の対応が求められる案件のはずだ。職員にその強い自覚があれば、ミスをチェックできたのではないか。
 だが、これまで明らかになった経緯からは、そうした緊張感はうかがえない。地元から「新屋演習場ありき」との指摘が出るのも無理はない。
 ミスが判明した後も、秋田市内で開かれた配備計画を巡る住民説明会で防衛省の職員が居眠りする失態があった。責任感の欠如は目を覆うばかりである。
 理解に苦しむのは、政府側が新屋演習場が適地とする判断に変更はないとしていることだ。
 誤り発覚を受け、秋田県の佐竹敬久知事は「防衛省の基本的な姿勢には甚だ疑問があり、話は振り出しに戻った」と述べ、国との協議を白紙に戻す考えを表明した。
 佐竹氏は「県民を愚弄(ぐろう)している」「協議を打ち切ったら、あの人たちはすぐ押し切ってしまうから話し合いには応じる」とも語った。厳しい言い回しが不信感の深さを物語る。
 イージス・アショアの配備計画を巡っては、住民側は有事の際に攻撃を受ける懸念や電磁波による健康被害への心配なども訴えてきた。
 いいかげんな調査に不信感を募らせ、欺かれたとの思いを抱いた人は少なくあるまい。
 巨費を投じる配備計画にはトランプ米政権への配慮との見方があり、必要性に対する疑問の声も根強い。
 政府がこれまでの判断を盾に計画を強引に進めることなど決して許されない。


地上イージス調査 根底から信頼崩すミスだ
 地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備に向け、陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)を「適地」とした政府の調査結果に誤りが発覚した。ただでさえ計画への不安や懸念が根強くある中での不手際である。適地の選定過程などを改めて一から見直す必要があろう。
 調査は、同演習場に代わりうる候補地がないかを探るため、東北地方19カ所の適性を検討し、レーダーの障壁となる山があることなどを理由に「不適」とした。ところが、うち9カ所で山を見上げた仰角が過大に記載されていた。誤差が最も大きかった所では実際は約4度の仰角が約15度と記されていた。
 ミスを生んだのはあまりにもずさんな調査手法だ。衛星写真を利用した「グーグルアース」を地図データとして使った際、実際より高さが強調された縮尺になっているのに気付かず算出したという。
 現地を見ることもせず、加えて土台となる情報の扱いを誤った初歩的ミスである。発覚後に秋田市で開かれた住民説明会では、東北防衛局職員が居眠りをして住民の怒りを買った。緊張感の欠如が相次ぎ露呈した格好だ。
 秋田県の佐竹敬久知事は防衛省との協議を白紙に戻す考えを表明した。地元の不安を考えれば当然の判断だろう。
 ところが、防衛省は今回のミスは候補地の変更につながるものではないとし、見直しはしない方針だ。これでは初めから新屋演習場ありきだったと疑われても仕方あるまい。地元の懸念と正面から向き合う姿勢を欠いている。
 イージス・アショアは、秋田市と山口県の陸上自衛隊むつみ演習場(同県萩市、阿武町)の2カ所に配備が計画されている。候補地では有事の際に標的にされるのではという不安や、電波による健康被害への心配が根強い。
 特に秋田は学校や住宅の密集エリアに近い。山口でも阿武町長が反対を明確にしている。防衛省は電波の影響などについて問題ないとしているが、今回の件でそうした主張の信頼性も揺らぎかねない。
 日本のミサイル防衛は、イージス艦に搭載した海上配備型ミサイルでまず迎撃し、撃ち漏らした場合は地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が対処する二段構えだ。これに、イージス艦よりも常時警戒態勢を取りやすい地上型イージスを加えることで防衛を強化すると政府は説明する。だが、その必要性に国民の十分な理解や納得が得られているとは言い難い。
 コスト面も不透明だ。米国の“言い値”が通る対外有償軍事援助(FMS)で購入する方式で、当初は2基で1600億円程度とされたが、その後2400億円超にまで膨れる見通しとなっている。
 巨額の費用に見合う十分な効果が得られるのか、防衛装備の優先順位は妥当なのかといった面も含め、改めて丁寧な検証を求めたい。


地上イージス調査ミス 配備計画を一から見直すべきだ
 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を巡り、秋田市にある配備候補地の陸上自衛隊新屋演習場を「適地」としていた防衛省の調査結果に誤りが発覚した。受け入れの可否を判断する秋田県の佐竹敬久知事は、同省との協議を白紙に戻す考えを示している。
 防衛省は「信頼回復に全力を挙げる」とする一方、新屋演習場が配備の適地だとする判断に変更はないとして計画を進める構えだ。しかし、ミスの原因究明や検証は不十分であり、ずさんな調査を基に適地だと説明し続けても住民の理解は到底得られない。防衛省は配備計画を一から見直すべきだ。
 ミスがあったのは、防衛省が5月に公表した調査結果。配備可能か検討の対象となった新屋演習場を除く東北地方の計19カ所のうち、9カ所でレーダーが出す電波を遮る山の仰角を調べたが、いずれも数値が過大だった。イージス・アショアの立地については、電波の障壁となる高い山がない場所が望ましいとしていたため、配備に向かない根拠とされていた。
 原因に関して防衛省は、山の仰角を計算する際、「高さ」と「距離」の縮尺が異なっていることに気付かないまま、定規で測って計算するなどしたためと説明している。重要な調査にもかかわらず、お粗末と言うほかない。「チェック態勢がしっかりしていなかった」との釈明では納得できず、なぜミスが起きたのか検証を尽くさなければならない。
 防衛省は、もう一つの候補地である陸自むつみ演習場(山口県萩市、阿武町)の調査結果に誤りはなかったとしているが、ずさんな調査が明るみに出た以上、ほかにミスがないとは言い切れない。新屋演習場を含め、総点検する必要がある。
 候補地の住民の信用をさらに失墜させる出来事も重なった。防衛省が配備計画に関して秋田市で開いた住民説明会では、同席した職員が居眠りしていたことが判明。重要な説明の場で緊張感を欠く行為であり、出席者から「われわれは人生が懸かっているんだぞ」などと厳しい批判が出たのは当然だ。
 イージス・アショアに関しては、レーダーが発する電磁波による健康被害をはじめ、敵の攻撃目標になりかねないといった懸念が根強い。阿武町では有権者の半数以上が反対しており、町が計画撤回を求めている。防衛省には今回のミスや居眠り問題の影響を最小限にしたい思惑が透けるが、配備ありきの姿勢では、住民の理解はさらに遠のくと自覚しなければならない。
 政府は、北朝鮮が保有する弾道ミサイルの脅威を理由に、国会でも十分な議論がないままイージス・アショアの配備を決めた経緯がある。北朝鮮の核・ミサイル問題の解決に向けては、国際社会と協力して外交努力を重ねることこそ重要だ。この機会に配備の必要性から検討し直すよう求める。


香港大規模デモ 自治骨抜きへの危機感
 香港市民と政府の間で、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を巡り緊張が高まっている。
 立法会(議会)周辺ではきのうも大勢の若者らが集まり、改正案の撤回を要求した。
 9日には100万人を超えるデモも行われた。2014年に香港政府トップである行政長官選挙の民主化を求めた「雨傘運動」以来の規模である。
 こうした動きの背景には、条例改正によって、中国に批判的な活動家らが本土に引き渡される恐れがあり、司法の独立性が揺らぎかねないとの危機感がある。
 そうなれば、香港に高度な自治を保障する「一国二制度」は骨抜きになる。1997年の返還時に英国と中国が50年間は維持すると合意した大原則だったはずだ。
 中国の習近平政権は親中派の香港政府を通じ、言論活動などへの干渉を強めてきた。市民が不安を募らせるのは当然だ。懸念を払拭(ふっしょく)するには香港政府が改正案を撤回するのが最善策と言えよう。
 香港返還後も、中国と香港の間には容疑者引き渡しの取り決めはなかった。改正案は香港で拘束した容疑者も本土に引き渡せるようにする。親中派が多数を占める立法会で、可決は確実な情勢だ。
 ただ、立法会はきのう予定していた改正案の審議再開を延期した。強行すれば混乱が一段と深まるのは必至だ。引き続き冷静な対応を求めたい。
 2カ月半にわたって幹線道路を占拠した「雨傘運動」が成果なく収束した後、香港の民主化運動は下火になったと言われていた。
 にもかかわらず、ここまで抗議行動が盛り上がっているのは、改正案への市民の危機意識の表れだろう。裏を返せばそれは、中国への警戒感の強さである。
 4年前には、中国の批判本を扱う書店関係者らが中国当局に拘束されるなど、香港の捜査権が侵害されたとみられる事件も起きた。一国二制度の土台が切り崩されようとしている。
 中国政府は条例改正を強く支持し、主要メディアは大規模デモをほぼ黙殺している。民主化の動きに背を向け、異論を力で抑え込む強権的手法は許されない。香港の自治を保障すべきである。
 一国二制度は、自由な経済活動も保障してきた。このため今回の改正案には経済界からも反発がある。日本を含めた国際社会は民主化堅持を求める市民の動きを後押ししていきたい。


地方創生方針案 続けるなら原点に返って
 改善への道筋は見えていないのだろう。
 政府が、来年度からの第2期地方創生の方向性を示す基本方針案を公表した。2015年度から取り組んでいるものの、人口減少や東京圏一極集中に変化の兆しはない。
 これまでのように経済政策に偏った内容では効果は望めない。国も地方も、人口の地方分散を図り持続可能な社会をつくるという原点に立ち返るべきだ。
 安倍晋三政権が打ち出した地方創生は「長期ビジョン」の柱に、(1)東京一極集中の是正(2)若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現(3)地域の特性に即した課題の解決―を据えている。
 昨年の出生率は1・42で、3年続けて減少している。東京圏の転入超過も14万人と、前年を1万4千人余も上回った。
 三つの柱を反映したはずの5カ年戦略になると、経済政策の色合いが濃くなる。地場産業の育成ではなく、革新性や国際化、生産性の向上が前面に出た。成長戦略に位置付けたことで、肝心の少子化対策が影をひそめている。
 逆に経済施策を後に回し、子育て支援を優先した兵庫県明石市では6年連続で人口が増え、地域経済が好転する結果を生んでいる。皮肉というほかない。
 今回の方針案には、企業の地方移転や地域拠点設置を促す税制の拡充を盛っている。これまでに移転が実現したのは一部の都市部に限られる。町村を含めた対策になるとは思えない。
 長野県内の首長からは「国が思い切った税制や施策を打ち出さないと一極集中に歯止めはかからない」との声が聞かれた。委ねていいのか。政府は多分に「選択と集中」の論法で、地方自治制度を改変しようとしている。
 都内の「ふるさと回帰支援センター」に昨年寄せられた移住相談件数は4万超。7割を20〜40代が占める。国の調査にも、若年層の農山漁村への定住志向が強く表れている。毎年人口の1%に当たる移住者がいれば、地域を安定的に維持できるとの分析もある。
 地方がなすべきは、地域の特長と課題を住民とともに洗い出し、将来設計を立てることだ。中長期の行政計画が就学や就労、結婚、子育て、老後といったライフステージごとの住民の需要に対応しているか、検証も要る。
 地方分散や人口減少の歯止めは現場の発想と実践を積み上げることでしか実現しない。地方創生はそのために利用する制度の一つであることを忘れないでほしい。