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La canicule s’installe
A une année pile des Jeux de Tokyo 2020, le Japon est actuellement frappé par une très sévère vague de chaleur. Dans la capitale, la température a atteint au moins 30° tous les jours, sans exception, depuis la date du 24 juillet, marquant J – 1 an avant l’ouverture des prochains Jeux d’été. Vendredi 2 août, pas moins de 236 points d’observation, un record, ont enregistré des températures égales ou supérieures à 35° sur l’ensemble de l’archipel. A Tokyo, 333 personnes ont dû être transportées dans un hôpital, jeudi 1er août, après avoir souffert de troubles liés à la chaleur. Leur nombre a atteint 344 personnes le lendemain. Selon les experts japonais, la vague de chaleur pourrait se poursuivre jusqu’au mois de septembre.
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テテテで不正行為が見つかったらしいです.Naさんが不正行為でも話を聞いてやらないと.といいます.そうですね.当のNaさんは不正行為がダメだけど自分の場合なら裁判する!って気になって夜調べてみると裁判で勝つのは難しいのでは?
メールで送ってもらった参加者リストファイルを修正してメッセージ送りました.

チャリティー七夕茶会で震災遺児支援 仙台・連坊商興会
 仙台市若林区の連坊商興会は4日、東日本大震災で親を亡くした子どもを支援する「連坊チャリティー七夕茶会」を同区の連坊コミュニティセンターで開いた。
 約120人が参加。江戸千家不白会仙台支部の伊藤宗圭支部長(85)らがお点前を披露した。七夕をイメージして星をあしらった和菓子も振る舞った。
 青葉区の錦ケ丘小3年、木佐貫帆花さん(8)は「ちょっと苦かったけど、おいしかった」と笑顔。伊藤さんは「震災で困っている子どもが1人でもいる限り続けたい」と話した。
 商興会は1人500円の茶席代を県の「東日本大震災みやぎこども育英基金」に全額寄付する。七夕茶会は10回目で、これまでに計約164万円を寄付した。


岩手・大槌町 震災記録誌やっと発行
 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた岩手県大槌町の震災記録誌「生きる証」が5日、発行される。多数の職員が犠牲になった旧役場庁舎周辺で何が起きたのか、生き残った職員らの証言を集めた。編集を巡るトラブルや旧庁舎解体の是非で町を二分する論争が続いた結果、岩手県内の沿岸12市町村で最も遅い発行となった。
 記録誌はA4判255ページで全11章。地区別の被害やボランティアの活躍、復興の歩みを紹介した。大槌高の生徒が「町で生きていく意味」を町民に取材して考察した章もある。
 当時の町長や町職員計39人のうち28人が亡くなった旧庁舎周辺の出来事は、独立した章を設けて掲載。犠牲になった職員のうち22人が実名で登場する。地震発生から津波襲来までの約40分間について職員や町民約45人の証言を集めた。
 建物の倒壊を恐れて庁舎前に災害対策本部を設置した経緯や職員一人一人の行動、津波から逃れる避難行動を時系列でつづった。
 震災の際に大槌町は県内の沿岸市町村で唯一避難指示を出さず、町民1286人が亡くなった。全町民に占める犠牲者の割合は県内最悪の8.0%となった。
 記録誌に町長がリーダーシップを発揮した場面はなく、総務課長が指揮を執っていたことが読み取れる。
 当時、総務課の防災担当主幹だった平野公三町長は「町長から具体的な指示を受けた記憶はない。私が町長の今なら、いろいろと指示する。あの時、きちんと提言できなかった私にも責任はある」と話す。
 町によると、遺族からは「当日の様子が分かって良かった」など好意的な評価が寄せられているという。
 記録誌は送料別の1500円で販売する。連絡先は町文化交流センター0193(27)5181。
◎遺族や元職員から検証方法疑問の声も
 発行される震災記録誌を大槌町は「教訓と反省を伝承する一助にしてほしい」としているが、一部の職員遺族や当時の町職員からは「検証が不十分」との声も聞かれる。
 60代の職員遺族は、記録誌の記述について「亡くなった原因や雇用者である町の責任が明確に示されていない」と批判。「この内容では後世へ教訓は伝わらない」と断じた。
 震災当時に現役だった元町職員も「町長や副町長を含めた災害対策本部の動き、生き残った職員がどこで何をしていたのかが解明できていないのではないか」と疑問視する。
 その上で「きちんと検証するには身内では駄目。第三者を入れなければならない」と指摘した。
 多くの町職員が犠牲になった旧役場庁舎について町民の中には「震災対応の検証が済むまで保存すべきだ」との意見があり、住民監査請求や住民訴訟に発展。町は「建物を目にしたくないという町民に寄り添う」として解体を推し進めた。


原発賠償 「潜在的被害ある」日弁連、延長必要性周知へ
 東京電力福島第1原発事故の損害賠償を巡り、日弁連は賠償請求権の時効期間を現行の10年から20年に再延長するための立法措置を国に要望する方向で検討を始めた。未請求の被害者が今なお多い被災地の現状を考慮した。7月27日には東京都内で「原発賠償シンポジウム」を開き、今後も時効再延長の必要性を広く知らせていく考えだ。
 日弁連は、3年の時効を10年に延長するための特別措置法を制定するよう求める意見書を2013年7月に国へ提出。同12月に国会で法案が可決された経緯がある。今回も意見書提出に向けて理論的課題の解消を図るとともに、被災自治体との連携を模索する。
 シンポジウムでは、弁護士や大学教授らが時効の再延長に関して議論。日弁連の小池達哉副会長は「事故から間もなく10年を迎えるが、潜在的な被害はまだまだある」と述べた。
 東電への賠償請求は、主に(1)直接請求(2)裁判外紛争解決手続き(ADR)の申し立て(3)訴訟提起−の三つの方法がある。うち全国で約1万2000人が提起した30件弱の集団訴訟はいずれも判決が確定していない。
 東京弁護士会の大森秀昭弁護士は「司法が東電の賠償をどう判断するか非常に重要な時期に来ており、判決を踏まえて請求に踏み切る人も多いだろう。そうした状況下での時効成立は認められない」と指摘した。
 迅速な解決を掲げるADRも、長期化や協議打ち切りが目立つ。福島県弁護士会の渡辺真也弁護士は「ADRは当初の想定より時間がかかり、協議の決裂後に提訴する場合は時効まで残り2年弱しかないのが実情だ」と説明した。


原発賠償 迫る「時効10年」 自治体、国へ延長要求検討
 東京電力福島第1原発事故に伴い生じた損害賠償請求権が、事故から10年となる2021年3月を境に順次時効を迎える。さまざまな事情で請求権を行使していない被害者は多く、関係自治体は「このままでは多くの人が救済されない」と懸念。時効延長を求める動きも出ている。(福島総局・斉藤隼人)
 東電によると(1)全く請求していない(2)当面の生活資金とされる仮払金のみ請求し本賠償を受け取っていない−などの未請求者は6月末現在で計815人。賠償分野は多岐にわたり、一度支払いを受けた人も別の損害で請求できることがあるため、請求権を持つ被害者はさらに増える。
 事故当時の人口が約7万だった南相馬市では、昨秋時点で419人が未請求だった。病気や高齢のため請求が困難なケースがあるほか「仮払金を受け取った後に正式な賠償を請求できるとは思わなかった」と話す被害者もいたという。
 市被災者支援課長補佐の金子宰慶(ただちか)弁護士は「後から枠組みができた賠償ほど周知が行き届かず、請求可能だと知られていない」と指摘。市は本年度、被害者からの相談を待つ従来の態勢を見直し、戸別訪問するなど積極的なアプローチを図る。
 賠償の分野別では、自宅の購入や修繕、解体費用などを対象とする「住居確保損害」が今後の生活再建や帰還意欲に密接に関わるとみられる。
 2017年3月に避難指示が一部解除された福島県浪江町の鈴木清水賠償支援係長は「これから帰還しようとする人が(時効で)賠償請求できない事態になってはならない」と強調。町内に居住しているのは約1000人と事故前の5%にとどまり「他の被災自治体と連携し、時効延長を国に求めたい」と語る。
 原発事故の損害賠償を巡っては、各自治体や福島県弁護士会が相談窓口を設けている。同弁護士会の連絡先は024(533)7770。
[東京電力福島第1原発事故の損害賠償請求権]2013年12月成立の特例法で時効が民法上の3年から10年に延長された。「損害を知った時」から計算するため、時効の成立時期は損害の内容や個別事情によって異なる。事故後しばらくたって健康被害が出た場合などを想定し、請求権が消滅する除斥期間も「事故から20年」が「損害が生じてから20年」に変更されている。


福島第2原発廃炉 問われる後処理の政策
 東京電力福島第2原発の全4基が廃炉となった。福島県が廃炉を求めていたことから既定の方向だったが、正式に決まった。
 東電とすれば無念の思いが強いはずだ。8年前の東日本大震災で同原発は津波で浸水して冷却機能を喪失したが、社員の懸命の努力によって外部電源を使い、重大事故の発生は免れたからだ。
 しかし、再稼働の可能性は福島第1原発が招いた惨禍によって閉ざされた。既存原発がある地域周辺への集中立地の結果が、このような形で表れた。
 今後作業に入る廃炉関連費用は4千億円超を見込む。完了まで40年以上かかる見通しだが、場合によっては相当な期間を要するだろう。
 課題の一つに廃炉作業に関わる人手の確保がある。東電は第1原発の6基の廃炉も抱え、要員は膨大になる。
 また、他の原発でも新規制基準導入後に11基の廃炉が決定。国内計21基は、福島事故時に稼働していた54基の約4割に当たる。廃炉のための人材の奪い合いになろう。
 廃炉に当たっては、解体作業だけでなく、使用済み燃料や放射性廃棄物の保管や処分の問題が待ち受ける。
 もともと原子力の核燃料サイクル構想では、使用済み燃料を青森県の施設で再処理し、取り出したプルトニウムを高速増殖炉で効率よく利用するはずだった。
 しかし増殖炉の原型炉はほとんど稼働しないまま廃炉になり、サイクル構想は事実上破綻。再処理工場の操業開始は延び延びになっている。
 廃炉原発に残る使用済み燃料は当面行き場がない。どうするか。第2原発では、金属容器に入れて空冷する「乾式貯蔵」の施設を敷地内に新設する方針。約1万体を保管する見込みだ。
 東電は廃炉終了までに県外搬出することを明言しているが、地元では保管長期化の懸念が消えない。今後の具体的対策が求められる。
 廃炉に伴い立地自治体への原発関連交付金は減少する。地元からは廃炉を歓迎する声が上がる一方、これまでの経済的な恩恵が少なくなることに不安も聞かれる。
 新たな産業の創造が待望され、国としての支援が欠かせない。
 残る商業用原発は、建設中の3基を含めて36基。現在再稼働中や再稼働の準備、検討をしているものを含め、いずれは廃炉となる。
 それに要する巨額費用の捻出と人員確保、さらに立地自治体のその後の振興策を考えなければならなくなる。
 本格的な廃炉の時代。課題は山積しており、道行きは険しい。後処理を含む原子力政策構築が問われる。


福島第2の廃炉 安全かつ着実に進めたい
 東京電力が、福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)の全4基を廃炉にすることを正式決定した。未曽有の事故を起こした第1原発と合わせ、県内にある10基全てが廃止されることになった。
 要望し続けてきた地元からは安堵(あんど)の声が聞かれるが、行く手には多くの難題が待ち構える。安全かつ着実に作業を進めてもらいたい。
 第2原発は、第1原発から約12キロ南にある。2011年の東日本大震災の際には3基が一時冷却機能を失ったが、残った外部電源で冷却を進めて大事故は免れた。炉心溶融を起こした第1原発とは紙一重だったとされる。
 福島県や県内の市町村議会などは復興の妨げになっているとして全基廃炉を強く求めていた。深刻な被害を受けた地元感情を考えれば、当然のことだろう。
 それにしても原発事故から約8年を経ての決定は、いかにも遅すぎる。東電は明確な判断を示さず先送りし、昨年6月にようやく廃炉の方針を表明した。正式決定までにはさらに1年以上を要した。収益確保のため、第2原発を再稼働させたかった思惑がうかがえる。東電は福島の人々の痛みをしっかりと受け止め、もっと早く廃炉に踏み切るべきだった。
 第2原発の4基全てを廃炉にするには40年超の期間を要し、廃炉関連費用は総額4千億円超に上るという。作業を円滑に進めるため、使用済み核燃料の貯蔵施設を敷地内に新設する方針で、費用はさらに膨らむ可能性がある。
 遅ればせながら動き始める廃炉だが、10基を並行して進めるのは極めて異例なだけに課題は多い。
 その一つが人材や技術などの確保である。第1原発では1日約4千人が廃炉に向けて難事業に取り組んでいるが、原子炉内の状況把握は難航している。加えて第2原発もとなれば、慢性的な人手不足の中で十分に対応できるかは見通せない。
 使用済み核燃料の処置なども問題である。東電は、原子炉建屋のプールに保管している約1万体を敷地内の貯蔵施設に一時保管した後、廃炉終了までに全て県外に搬出する方針だ。
 しかし、最終的な搬出先は「検討中」という。これでは保管が恒常化しないか地元が不安を感じるのも仕方ない。東電は復興への道のりが描ける明確な工程を示すべきだ。
 原発事故前は国内で54基の原発が稼働していた。だが、事故以降は規制強化や老朽化などもあって今回を含め21基の廃炉が決まっている。日本の原発は本格的な「廃炉時代」を迎えたといえよう。
 原発の新増設に投じてきた資金や高度な技術を、これからは廃炉に役立てることが必要だ。福島第2原発の廃炉が抱える課題は、他の原発にも共通している。国や電力会社などが協力して廃炉を確実に軌道に乗せるよう求めたい。


【原賠審の中間指針】見直しの議論を尽くせ
 原子力損害賠償紛争審査会の鎌田薫会長ら委員が七月二十四、二十五の両日、東京電力福島第一原発事故の被災地で復興状況を確認した。国の賠償基準「中間指針」について鎌田会長は「直ちに見直す必要はない」と述べた。原発事故による被災者の思いと生活再建の難しさに対し、指針が応える水準に達しているとは言い難い。国は早期救済に向け、指針の見直しを含めた議論を進める必要がある。
 原賠審の委員六人は楢葉、富岡、大熊、双葉、浪江の各町を視察した。町長は「被災地の状況を踏まえて中間指針を見直してほしい」、「避難によるコミュニティー崩壊が長期化している。精神的損害賠償額を増額すべき」などの要望を出した。
 視察後、現地で鎌田会長は中間指針に言及した上で、「今の指針について正確に理解してもらうため対応していく」と語っているが、指針の詳細を再考することが大切だ。
 原発事故の被災者は裁判外紛争手続き(原発ADR)を申し立てているが、和解案を東電が拒否し、打ち切りになる事例が相次ぐ。原子力損害賠償紛争解決センターによると、二〇一八(平成三十)年が四十九件、単年では過去最多となった。東電の拒否理由は、和解案が国の指針を超えているためだとされる。東電はウェブサイトで、(1)最後の一人まで賠償貫徹(2)迅速かつきめ細かな賠償の徹底(3)和解仲介案の尊重という「3つの誓い」を掲げている。現状を見る限り、誓いに十分に応えていないのではないか。
 日本弁護士連合会が七月二十七日に都内で開いた原発賠償シンポジウムで、和解案の受け入れに強制力のないADR制度に焦点が当たった。東電に拒まれれば有効な対抗手段はない。国が制度の機能を強化するべきとの指摘や、東電の不法行為の時効十年を再延長する意見もあった。
 浪江町民は精神的慰謝料の増額を求めていた。ADRの和解仲介が打ち切られ、一部町民は国と東電に慰謝料など計約十三億円の損害賠償を求めた訴訟を起こした。国と東電は請求棄却を求めている。
 訴訟には相当な時間と費用がかかる可能性がある。ADRは「迅速かつ適正な解決」を目的としていたはずで、存在意義が揺らいでいる。被災住民の間では和解仲介に拘束力を持たせる声が強い。
 原発事故から八年四カ月余りが経過しても、納得のいく賠償を受けられない被災者がいる。裁判に持ち込まれた現状を鑑みると、ADR制度の在り方、中間指針改定の再検討が急務だ。(浦山文夫)


カツオ水揚げ23年連続日本一へ 気仙沼、巻き返しの夏
 生鮮カツオ水揚げ23年連続日本一を目指す気仙沼漁港(気仙沼市)が、ようやくカツオの水揚げで活気づいてきた。5、6月は例年にない不漁だったが、7月に入り漁場が三陸沖に北上。日本一への巻き返しが期待されるが、ライバル勝浦漁港(千葉県勝浦市)につけられた差は大きく、予断を許さない状況だ。
 漁業情報サービスセンター(東京)によると、漁場は7月中旬に三陸沖に移った。気仙沼漁港には同24日以降、連日200〜500トン前後のカツオが水揚げされた。
 30日に約60トンを水揚げした三重県紀北町の一本釣り船「三幸丸」の石倉孝文漁労長(54)は「漁場は金華山沖。魚体は小さいが群れは太い」と話した。
 今年の初水揚げは5月14日。15、17日と連続して水揚げされたが、その後は7月1日までカツオ船が入港しない「異常事態」(地元漁業関係者)が続いた。
 漁場が三重県−房総半島沖にとどまるうちは、カツオ船の多くは気仙沼漁港と常に日本一を争う勝浦漁港に入港する。
 例年、漁場は6月に三陸沖に移動し、7月にカツオ船の主要水揚げ港が気仙沼に移る。気仙沼が8月に勝浦を逆転し、最終的に7000〜1万トンの差をつけるのが勝ちパターンだった。
 だが、漁場の北上が2カ月近くも遅れ、カツオ船の入港時期も遅い今年は厳しい戦いを強いられそうだ。
 勝浦漁協によると7月31日現在、勝浦漁港の水揚げ量は前年とほぼ同じ約1万700トン。一方、気仙沼漁港は前年同期(1万631トン)の4割弱の3956トンで、7000トン近くも差がある。
 今年と同じように漁場が7月上旬まで房総半島沖にあった1996年、気仙沼は13年連続水揚げ日本一を勝浦に阻まれた。水産庁の6〜11月の「常磐・三陸沖カツオ長期来遊動向予測」によると、6月以降の来遊量は「過去10年平均を下回る」とされる。
 ここ数年は終漁時期も早まっており、気仙沼の漁業関係者から「日本一への不安は大きい」との声も上がる。
 気仙沼漁協の斎藤徹夫組合長は「カツオが水揚げされると気仙沼全体が活気づく。遅れた分を何とか挽回してほしい」と願う。


石巻・鮎川で鯨まつり 鯨肉の多彩な料理味わう
 全国屈指の捕鯨基地として栄えた石巻市鮎川で4日、恒例の「牡鹿鯨まつり」(実行委員会主催)が開かれた。
 地元業者らが鯨肉を使ったちらしずしやピザなど計400食と、ツチクジラの炭火焼き約1000食を無料で提供。家族で訪れた横浜市の小学4年松谷和樹君(9)は「鯨を食べるのは初めてだけど、おいしい」と話した。
 7月に31年ぶりの商業捕鯨が再開され、鯨食が注目を集めている。斎藤富嗣実行委員長は「鯨肉販売の問い合わせなどもあり、期待の高まりを感じる。(今秋一部開業予定の)拠点施設でも鯨料理を提供できたらいい」と話した。
 会場では地元の子どもたちが太鼓演奏や踊りを披露し、盛り上げた。
 まつりは海難事故犠牲者の慰霊や鯨の供養のため1953年に始まった。東日本大震災で休止したが、2013年に復活した。


勇壮、優美 宵に浮かぶ 弘前ねぷたまつり
 色鮮やかな武者絵が夏の夜を彩る弘前ねぷたまつりが開幕し、市民や観光客で連日にぎわっている。三国志や水滸伝などをモチーフとした扇ねぷたが列を成して練り歩き、城下町は歴史絵巻と化す。
 今年は町内会や愛好会など大小74台のねぷたが出陣。太鼓や笛のお囃子(はやし)が鳴り響く中、引き手や子どもたちは「ヤーヤドー」と掛け声を上げながら運行を先導する。
 戦の場面を表現した正面の「鏡絵」と優美な女性が描かれる「見送り絵」のコントラストが扇ねぷた最大の魅力。運行中にはねぷたを回転、上下させる圧巻のパフォーマンスが繰り広げられる。
 最終日の7日は岩木川河川敷で、ねぷたを燃やして清める「なぬかびおくり」で幕を閉じる。


河北春秋
 秋田市が候補地となっている地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を巡る問題は、6月に発覚した重大な数値ミスなど防衛省の相次ぐ不手際ばかりが焦点ではない。原点に返れば、地上イージス配備の目的とは何か−が本質の一つだ▼同省は秋田市での住民説明会で「わが国の防衛のため、日本に飛来する弾道ミサイルにしか使わない」との考えを示してきた。住民が抱く「米国を守るためのものではないのか」という疑念は否定され続けている▼入り口で話がかみ合わないから本質的な議論も深まらない。日本の弾道ミサイル防衛(BMD)は米国と密接に連携し、BMDシステムは米軍が主導し装備の中枢を握るとの専門家の見方もある。日米を俯瞰(ふかん)することが本質に迫る道かもしれない▼候補地とされた陸上自衛隊新屋演習場が住宅地に近接し、3キロ圏内に秋田県庁を含む中心市街地があることも重大な論点だ。なぜこうした場所に配備しようとするのか、説得力のある理由は示されていない▼参院選で秋田選挙区は地上イージスの新屋配備に反対を訴えた新人が勝利した。配備適地の再調査に今から入る防衛省は、繰り返してきた「新屋は適地」の見解を封じて調査に臨み、本質を突くような住民の疑問にきちんと向き合わねばなるまい。

岩手県知事選/「関係者」の外に届く論戦を
 東日本大震災で被災した漁港は、9月に大船渡市三陸町の千歳漁港で復旧工事を終え、全108港が震災前の機能を取り戻す。災害公営住宅の整備も盛岡市内に県営南青山アパート118戸の完成を待つのみとなった。
 被災市町村に権限と財源を預けた宮城とは対照的に、多くの事業を県の責任で進めてきたのが岩手の震災復興だった。国の復興・創生期間は2021年3月に終了する。
 任期満了に伴う知事選(22日告示、9月8日投開票)も当然、復興の総括とポスト復興の針路が主要論点になろう。立候補を表明している現職達増拓也氏(55)と新人及川敦氏(51)には建設的な論戦を期待したい。
 達増氏は、自身が立案、主導した県総合計画(19〜28年度)を知事選のマニフェスト(公約集)に据えた。震災からの県土復興を踏まえ「県民の幸福を追求する」という基本理念からは理想家肌の達増氏らしさが読み取れる。
 ただ、分厚い総合計画を有権者が十分に理解するのは難しい。目指す岩手の将来像と工程表をかみ砕いて伝える努力が求められる。
 現職首長が自治体の最上位計画を丸ごと選挙公約としてしまうことには異論もあるようだが、全国的には既に先例があって理にかなっている。惜しむらくは、後発の利を生かして制度設計に一段の工夫が必要だった。
 総合計画は10カ年を1サイクルとするのが一般的なのだが、首長マニフェストと連動させるときは8カ年として選挙と周期を一致させる配慮が求められる。例えば岐阜県多治見市は総合計画の策定着手も市長選後で、首長マニフェストとの整合性を担保する仕組みを取り入れている。
 県が大半を引き受けた復旧・復興の大型事業が将来的に財政を圧迫するのは自明のことだ。復興事業の残余分も含め、総合計画に盛り込んだ全施策を反映させた客観的な中期財政見通しも併せて提示してほしい。
 一方、対立候補となる元県議の及川氏には、現県政の何が問題で、どう改めるべきなのかを有権者の前に明快に示す責任がある。
 本来なら、二元代表の一翼を担って行政を監視する議会も4年間の活動を通じて県政の問題点を明らかにすべきだった。しかし、達増氏が選挙戦で信を問う総合計画に全会一致で賛成している県議会だけに、その役割を十分に果たしてきたとは言い難い。
 8年ぶりとなる選挙戦は7月にあった参院選の余韻を引きずり、ともすれば及川氏を推す政権与党と達増氏の元に結集した野党共闘の対決という戦いの構図に注目が集まりがちだ。
 有権者を観客席に追いやって与野党のつばぜり合いを演じても仕方なかろう。2人の候補には、県政界関係者の外側に届く論戦を望みたい。


かんぽ不正販売/ノルマ体質を刷新せねば
 金融機関として最優先すべき顧客保護を、ここまで軽視していたのかと驚かされる。
 日本郵政と傘下のかんぽ生命保険、日本郵便の3社トップがかんぽ生命の不正販売問題で会見し、顧客に不利益となる契約が過去5年で18万3千件あったと明らかにした。約3千万ある全ての契約についても、再調査することを決めた。
 背景となったのは過酷なノルマだ。かんぽ生命に加え、日本郵便でも年賀はがき販売などのノルマが表面化した経緯がある。グループ全体の組織体質と見て取れる。
 顧客の信頼回復には体質刷新が欠かせない。今回、3社のトップはいずれも辞任を否定したが、経営責任は免れない。陣容を一心し、事態の収拾にあたることも検討する必要がある。
 不正販売は新旧契約の保険料を二重に払わせたり、新旧契約の間に空白期間を設け無保険状態を生じさせたりするなどの内容だ。契約を切り替える際、郵便局員がノルマや手当で不利にならない形にしていた。
 商品内容を十分に理解できない高齢者に販売していた例も少なくない。政府出資の企業グループが悪徳商法まがいのやり方に手を染めていたことに、怒りすら覚える。
 かんぽ生命は6月末に不正を発表した。しかしこれだけの件数がある以上、社内では以前から広く知られていたと考えるのが自然だろう。
 疑念を拭えないのは4月のかんぽ生命株の売り出しだ。6月の不正発覚後に株価は値下がりしており、不利な事実を隠して売り出しを強行したとの見立てもできる。
 日本取引所グループは、売り出しに問題がなかったか調査を始めた。かんぽ株売却は郵政民営化や東日本大震災の復興財源の確保にも関わる。総務省などの所管官庁は利害関係者でもあり、国会が責任を持って真相を糾明する必要がある。
 全国各地の郵便局は、地域の拠点として信頼を築き上げてきた。局員と住民が顔見知りという例も珍しくない。
 その信頼を悪用したのが、今回の不正販売だ。地域に大きな傷痕を残した点でも、日本郵政グループの罪は重い。


かんぽ不正 経営責任 曖昧にするな
 顧客の不利益となるような保険販売が各地で常態化していた。
 かんぽ生命保険の不適切とみられる契約が過去5年間で18万件を超えていた。親会社である日本郵政の長門正貢社長らが記者会見して明らかにした。
 今後、3千万件にのぼる全契約で顧客の不利益がなかったか調査するという。被害はさらに広がる可能性がある。
 保険販売を委託されていた日本郵便は不正の背景に郵便局員への過剰なノルマがあったことを認め、本年度の営業目標を廃止するという。当然である。
 理不尽なノルマを郵便局員に課してきた経営陣の責任を曖昧にしてはならない。
 当初の発表に比べて不正件数が大きく増えたのは、顧客から新旧契約の保険料を半年以上にわたり二重徴収した疑いのある事例が3倍以上の7万件に膨れたためだ。
 これらは郵便局員がより多くの営業手当を得ようと故意に旧契約の解約を遅らせたものだ。
 高齢者ら顧客は、長くつきあいのある郵便局を信用し、契約に応じたに違いない。
 長門社長は「築城3年、落城3日。ブランドイメージを大きく毀損(きそん)してしまい申し訳ない」と述べた。まず自らがその重みをしっかり受け止めなければならない。
 経営陣には日本郵政が一般投資家向けにかんぽ生命株を売り出した4月の時点で問題を把握していたのではないかとの疑念がある。
 長門社長は「証券会社の審査も受けており、売り出し時点では全くのシロだ」と強調し、投資家をだましたことはないと反論した。
 仮にそうであれば、最近まで事態を把握できなかった経営陣の資質が問われよう。
 長門社長は「(問題対応に)陣頭指揮を執ってまい進する」と述べ、かんぽ生命、日本郵便のトップとともに引責辞任を否定した。
 だが道内の郵便局長らからは「巨大な組織の中で上層部の既得権益を守ることが優先されてきた」などと、経営刷新を求める声が聞かれる。
 日本郵政グループは民営化の途上にある。政府は日本郵政の株式の6割を保有し、大株主であり、かつ監督する立場にもある。
 傘下の日本郵便は低採算の郵便事業の収入を、かんぽ生命などからの委託手数料で補っている。それが営業目標やノルマの設定につながったのではないか。
 政府は民営化のあり方についても検証する必要がある。


愛知芸術祭展示中止 「表現の自由」守る努力を
 愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、元従軍慰安婦を表現した「平和の少女像」などの展示が中止された。展示への抗議が相次ぎ、関係者や観客の安全を確保するため中止を判断したという。残念でならない。
 少女像は、企画展「表現の不自由展・その後」の一つとして出品されており、芸術祭の実行委員会は少女像だけでなく企画展全体を中止した。企画展には昭和天皇とみられる人物を扱った作品なども含まれていた。
 芸術祭が開幕したのは1日で、わずか3日で展示は打ち切られた。表現の自由を巡る日本の危機的な状況を映し出す深刻な事態だと言える。
 事務局によると、開幕から2日間で抗議の電話とメールは計約1400件に上った。実行委会長を務める大村秀章愛知県知事は「テロや脅迫ともとれる抗議があった」と語った。「ガソリン携行缶を持って行く」と京都アニメーション放火事件を連想させる内容のファクスもあったという。
 展示に賛同や理解を示す声がある一方、反対の意見もあるのは自然なことであり、さまざまな議論が起こるのはむしろ望ましい。だが展示を中止に追い込む卑劣な脅迫などの行為は断じて許されない。激しい憤りを禁じ得ない。
 企画展は国内の美術館やイベントで撤去や公開中止となった作品を集めた内容で、慰安婦問題のほか天皇と戦争、憲法9条などを題材にした芸術作品を紹介していた。表現の自由について議論を喚起することが企画の趣旨だった。
 芸術祭の芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介氏は「日韓関係の悪化など非常に悪いタイミングが重なった」と中止に無念さをにじませた。想定を超える批判があり、展示継続は困難との大村知事の判断に「断腸の思い」で同意したというが、企画展の実施団体は中止に抗議する声明を出した。こうした事例を繰り返してはならない。
 指摘しなければならないのは、政治家たちの振る舞いだ。実行委会長代行でもある河村たかし名古屋市長は「行政の立場を超えた展示が行われている」として大村知事に抗議文を出し少女像などの展示中止を求めた。松井一郎大阪市長(日本維新の会代表)は、事前に展示は問題だと河村氏に伝えていた。芸術祭は文化庁の補助事業だが、菅義偉官房長官は補助金交付を慎重に判断する考えを示した。
 自由な創作や表現活動を守るべき立場にある行政の責任者らのこうした言動は理解に苦しむ。日本ペンクラブは「政治的圧力そのもので、憲法21条2項が禁じる『検閲』にもつながる」と指摘している。
 日本は戦後、言論・表現の自由が封殺され道を誤った戦前の反省に立ち民主主義の歩みを続けてきたが、その基盤は決して強固ではない。展示中止の経緯を検証し、議論を深めなければならない。


[愛知芸術祭 企画展中止]脅迫こそ批判すべきだ
 憲法が保障する表現の自由に不寛容な現在の日本の空気を映し出すことになった。
 愛知県で1日から始まった国内最大規模の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の実行委員会は、企画展「表現の不自由展・その後」を中止すると発表した。
 企画展では元「従軍慰安婦」を象徴した「平和の少女像」や昭和天皇とみられる人物、憲法9条をテーマにした俳句など国内の美術館などで撤去されたりした作品群を展示。表現の自由を巡る現状を考え、議論のきっかけにしようというのが趣旨だ。
 2017年にうるま市で開かれたイベントで、米軍機墜落事故をモチーフにし、一時非公開になった「落米のおそれあり」も含まれていた。
 開幕から2日間で抗議の電話やメールは計約1400件に上ったという。主催する実行委会長の大村秀章愛知県知事は「テロや脅迫ともとれる抗議があり、安全な運営が危ぶまれる状況だ」と説明。「ガソリン携行缶を持って(会場の)美術館に行く」と、京都アニメーション放火殺人事件を連想させる内容のファクスも届いたという。
 抗議の半数が平和の少女像に関するもので、泥沼化に陥っている日韓関係が影響しているとみられる。
 表現の自由は民主主義を支える基盤だ。意見の違いを尊重し合うのが民主主義社会のあるべき姿である。
 暴力的な言葉を投げつけ、企画展を中止に追い込むのは卑劣極まりない。とうてい許されるものではない。
    ■    ■
 自由な表現活動を抗議や脅迫から守るのが本来の行政や政治家の責務である。
 逆に会長代行の河村たかし名古屋市長は企画展の視察後、大村知事に抗議文を出し、少女像などの展示中止を求めた。政治的圧力である。
 芸術祭は文化庁の補助事業で、菅義偉官房長官は慎重に判断する考えを示した。憲法の「検閲は、これをしてはならない」に反しかねない。菅氏はテロ予告や抗議に対してこそ強く批判すべきである。
 芸術祭の芸術監督でジャーナリストの津田大介さんが話すように、行政は「表現の現在を問う」という趣旨を認めたものだ。内容に介入するのは好ましくないとの大村知事の立場は当然である。
 津田さんは「物議をあえて醸す」と言っており、抗議は予想できたはずだ。警察に依頼するなど万全な対策をした上で、大村知事も毅然(きぜん)と対応すべきだったのではないか。
    ■    ■
 「表現の不自由展・その後」は15年に東京で開かれた小規模な展覧会「表現の不自由展」が原形である。日本の「言論と表現の自由」が脅かされているのではないか、との危機感から始まった。
 今回の企画展は、その続編の位置付けだ。中止になったことで不自由展がまた一つ重ねられ、日本における表現の自由の後退が国際社会に示されたと言わざるを得ない。
 主義主張は違っても、作品によって喚起される問題を自由闊達(かったつ)に議論すること。これこそが健全で民主的な社会だ。表現の自由を萎縮(いしゅく)させ、奪う社会は極めて危険だ。


少女像展示中止  悪い前例にならないか
 日本社会の表現の自由度を示しているかのようだ。
 愛知県で開催中の国際芸術祭で、従軍慰安婦を象徴する「平和の少女像」などを展示する企画展が、開幕から3日で打ち切られた。
 会場の愛知県立美術館などに暴力やテロを思わせる抗議が相次ぎ、安全に配慮する必要に迫られた。
 実行委会長の大村秀章愛知県知事は記者会見で「『撤去しなければガソリン携行缶を持ってお邪魔する』というファクスもあった」と話した。
 実際に会場に足を運んでみると、入場制限が行われるほど観客が訪れていた。少女像には賛否両論あるが、展示が多くの人の関心を集めたのは事実だ。
 それだけに、暴力を示唆する抗議で中止に追い込まれたのは極めて残念だ。悪い前例になりかねない。強く懸念する。
 中止になった「表現の不自由展・その後」は、国内の美術館やイベントで撤去や展示不許可になった作品を展示することで、「表現の自由」について深く議論してもらう狙いがあった。
 芸術祭の芸術監督でジャーナリストの津田大介氏は「作品への賛否を示すものではない」として、展示には過去の経緯や作者の意図などの説明を付していた。
 ところが、撤去を要求する電話やメールが8月1日からの2日間だけで1400件以上あった。職員に執ように絡み名前を聞き出すといった電話もあり、継続は困難と判断したという。
 観客やスタッフを危険にさらさない、という判断は理解できる。しかし電話をした人の中に、会場で展示を見た人がどれほどいたのだろうか。ネットを通じて不正確で断片的な情報が広がったのが、実際ではないか。
 展示を見ていない人の声で、これから見学しようという人たちの知る権利や学ぶ権利が奪われた、ともいえる。
 河村たかし名古屋市長や菅義偉官房長官の対応にも疑問が残る。
 河村氏は「行政の立場を超えた展示」として中止を大村知事に求めた。菅氏は補助金交付を慎重にする考えを示した。
 両氏に従えば、憲法が禁じる検閲になりかねない。そもそも、政府や行政のトップは憲法を守る立場から脅迫的な抗議に苦言を呈すべきではなかったか。
 京都アニメーション放火殺人事件を示唆するファクスなどは、極めて不謹慎な脅迫だ。警察は厳しく取り締まってほしい。


「表現の不自由展」中止で謝るのは津田大介じゃない! 圧力をかけ攻撃を煽った菅官房長官と河村たかし市長だ
 最悪の事態だ。津田大介が芸術監督を務める「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」が開幕からわずか3日で中止に追い込まれてしまったのだ。
 あいちトリエンナーレ実行委員会会長である大村秀章・愛知県知事の会見によれば、テロ予告や脅迫電話もあり「撤去をしなければガソリン携行缶を持ってお邪魔する」というファックスも送信されてきた。安全上の問題を理由に中止の判断をしたという。
 これを受けて、芸術監督を務める津田大介も会見を開き、こう謝罪した。 
「まずおわびしたいのは、参加した各作家の皆様。(開幕から)たった3日で展示断念となり、断腸の思い」
「これは、この企画を75日間やり遂げることが最大の目的。断腸の思いだ。こういう形で中止、迷惑をかけたことも含めて申し訳なく、実行委員会や作家には、誠意をもっておわびをしたい」
「参加作家の方に了承を得られているわけではない。このことも申し訳ない。円滑な運営が非常に困難な状況で、脅迫のメールなども含めて、やむを得ず決断した。そのことも、作家に連絡をしておわびをしたい」
「電凸で文化事業を潰すことができてしまうという成功体験、悪しき事例を今回、作ってしまった。表現の自由が後退する事例を作ってしまったという責任は重く受け止めている」
 一方、この突然の中止決定を受け、「表現の不自由展・その後」実行委員会(アライ=ヒロユキ、岩崎貞明、岡本有佳、小倉利丸、永田浩三)が3日夜に会見。中止決定が「一方的に通告されたもの」と明かしたうえで、こう強く抗議した。
「圧力によって人々の目の前から消された表現を集めて現代日本の表現の不自由状況を考えるという企画を、その主催者が自ら弾圧するということは、歴史的暴挙と言わざるを得ません。戦後日本最大の検閲事件となるでしょう。
 私たちは、あくまで本展を会期末まで継続することを強く希望します。」(声明文より)
 同展実行委員会の言う通りだろう。暴力によって表現の自由を踏みにじる言論テロは断じて許されないが、そのテロ行為から美術展を守るべき行政が簡単に中止要求を受け入れてしまったことは大きな問題だ。
 津田氏の会見もああいう形で会見をする前に、やるべきことがあったはずだ。津田氏は会見で謝罪の言葉を何度も口にしていたが、そんな必要はまったくなく、むしろ、こうした圧力や攻撃、テロ予告に毅然と抗議し、「こうしたことが起きるからこそ、この表現の不自由展が必要なのだ」と、展示の続行を主張するべきだった。
 それがいったいなぜ、こんなことになってしまったのか。全国紙の愛知県庁担当記者がこう解説する。
「津田氏の抜擢は大村知事の肝いりで、大村知事も企画の概要だけでなく、少女像の展示についても6月には認識していた。ところが、この事態で大村知事が一気に弱腰になり、中止を決断してしまった。後ろ盾である大村知事の決断で、津田氏も中止に応じるしかなかったのでしょう」
 しかし、だとしても、一番の問題は大村知事や津田氏ではない。ネットでは、津田氏に対して「覚悟が足りない」などとしたり顔で批判する声が溢れているが、そもそも「ガソリンで火をつけられる覚悟や対策をしないと自由にものが言えない国」なんて、まともな民主主義国家ではないだろう。
 今回の問題でもっとも批判されなければならないのは、卑劣なテロ予告者であり、検閲をちらつかせてそうした動きを煽った、政治家連中ではないのか。
「あいちトリエンナーレ」は、8月1日の開幕早々から、「慰安婦像」を展示しているなどとして、猛烈なバッシングと圧力にさらされていた。
 2日にはネトウヨのみならず、菅義偉官房長官、柴山文科相、河村たかし名古屋市長、松井一郎大阪市長、和田政宗参院議員といった政治家たちが、展示を問題視するような発言を連発した。
河村市長、菅官房長官の扇動、そしてテロ予告を放置した警察
 とくに大きかったのが、河村市長が「展示を即刻中止するよう大村秀章・愛知県知事に申し入れる」と宣言したこと、そして菅官房長官が補助金をタテに「表現の不自由展」に介入することがさも当然であるかのような発言を行ったことだ。
 詳しくは、前回の記事を参照してもらいたいが(https://lite-ra.com/2019/08/post-4880.html)、河村市長の申し入れは明らかに憲法違反の検閲行為であり、菅官房長官らがちらつかせた「国から補助金をもらっているのだから、こんな作品の展示は許されない」という論理は、まさに全体主義国家の考え方だ。芸術への助成は国からの施しでなく、表現の自由を保障するための権利であり、民主主義国家では、それが政府批判の表現であっても、助成金を交付すべきなのである。
 カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した是枝裕和監督が同様の批判を受け、「補助金をもらって政府を批判するのは真っ当な態度なんだ、という欧州的な価値観を日本にも定着させたい」「公金を入れると公権力に従わねばならない、ということになったら文化は死にますよ」と真っ向反論していたが、その通りだろう。
 いずれにしても、こうした権力者の介入により、表現の不自由展へのバッシングはさらに過熱。ネットでは職員の名前が晒され、テロ予告のファックスまでが送られてきた。
 しかし、不可解なのがこのテロ予告への警察の対応だった。もし、テロ予告があったなら、警察が脅迫犯を逮捕するなり、警備で安全を確保するのが普通ではないか。
「ガソリン携行缶を持ってお邪魔する」との脅迫はFAXで送られてきたというが、警察の捜査能力をもってすれば、発信元を見つけ出すことは不可能ではないだろう。また、犯人を逮捕できなくとも、会場を厳重警備し安全を確保した上で、展示を再開することはできるはずだ。
 しかし、今のところ、警察が動いた形跡はない。大村知事が会見で語ったところによると、「警察には被害届を出しましたが、(脅迫)FAXの送り先を確認できないかと尋ねましたら『それはできない』」と一蹴されたという。そして、逆に、夕方17時には「表現の不自由展・その後」企画そのものの中止が発表されてしまった。
 警察がまともに捜査していないはおそらく、テロ予告の対象が、安倍政権のスタンスに反するものだったからだろう。日本の警察は、穏健な市民のデモを鎮圧し、コーヒの値段でカフェラテを飲んだコンビニの客を逮捕するが、安倍政権と思想を一にするテロ予告については、まともに捜査することさえしないのだ。
テロを非難しなかった安倍、菅、逆に主催者に謝罪を要求した河村
 ここまでくれば、誰をもっとも責めるべきかがわかってもらえたはずだ。今回の「表現の不自由展」中止は、紛れもなく公権力の検閲行為の結果なのだ。テロ予告を誘発もしくは放置したという意味では、「官製テロ」と呼んでもいいだろう。
  しかも、展示中止が発表された後も、政治家の対応はひどかった。民主主義の根幹である表現の自由を揺るがすテロ予告があったことが明らかになったわけだから、政府首脳が「断じてテロは許さない」「犯人逮捕に全力を尽くす」と宣言するのが普通の民主主義国家のはず。ところが、安倍首相からも菅官房長官からもそんな言葉は一切聞かれなかった。
 さらに、河村名古屋市長にいたっては、「(平和の少女像設置は)『数十万人も強制的に収容した』という韓国側の主張を認めたことになる」「「事前に『出してはならん』とは言っておらず(検閲には)全く当たらない」などと無茶苦茶な論理を主張したあげく、「やめれば済む問題ではない」と、テロ予告者でなく「あいちトリエンナーレ」側に謝罪を要求する。
「河村市長はもともと、『南京事件はなかった』と発言するなど、露骨な歴史修正主義者であることに加え、大村知事とは非常に関係が悪化している。ここぞとばかりに、この問題を利用して攻撃しているんでしょう」(前出・愛知県庁担当記者)
 いずれにしても、この国の政治家連中は本音のところでは、反政府、反体制の表現、自分たちの気にくわない表現を「検閲で禁止すべき」「テロされても当然」と考えているのである。
 しかも、恐ろしいのは、その政治家のグロテスクな本音が今回、おおっぴらにまかり通り、平和の少女像撤去、さらには「表現の不自由」展が中止に追い込まれたことだ。
「この事態こそが“表現の不自由”を象徴している」などとしたり顔で語る向きもあるが、そんなメタなポーズで済ませられる話ではない。これは日本の表現空間の自殺とも言えるもので、今後、日本の公共空間で政治的な主張を含む芸術作品、表現を展示・公開することはほとんど不可能になった、ということを意味している。
「表現の自由」が後退し、どんどん全体主義国家に近づいているいまの状況に、私たちはもっと危機感を共有すべきではないのか。


大村知事が河村市長を「憲法違反が非常に濃厚」 河村市長は反論 「少女像」撤去要求で
 名古屋市などで開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、元従軍慰安婦を題材とする「平和の少女像」などの展示が3日に中止となった問題で、芸術祭実行委員会会長を務める愛知県の大村秀章知事は5日、像の撤去を求めた名古屋市の河村たかし市長に対し「(表現の自由を保障する)憲法21条に違反している疑いが非常に濃厚」などと批判した。定例記者会見で述べた。
 大村知事は「公権力は、市民の思想信条に関与することはできない。表現の自由は戦後民主主義の根幹だ。河村さんの行為は検閲ととられても仕方がない」などと主張した。
 一方、河村市長は同日の会見で「公共的な事業では、芸術作品に無制限な自由があるとは思わない。最低限の規制は必要」と述べ、作品展示が決まった経緯や、展示中止を決めた経緯を調査して公表する方針を示した。大村知事の「市長の行為は検閲」との指摘については「それなら『ああいう展示はいいんだ』と堂々と言うべきだ」と批判した。
 芸術祭は1日に開幕したが、実行委の会長代行の河村市長が少女像などを視察し「日本国民の心を踏みにじる行為」などとして撤去を要求。また、脅迫のファクスや抗議の電話などが相次いだため、大村知事が3日、展示の中止を発表した。河村市長によると、4日午前8時すぎ、名古屋市のウェブサイト上の市長ホットラインに「ガソリンの携行缶を持って市長のところへ行く」との内容の投稿があったという。河村市長は「脅迫にはひるまない。それより、表現の自由をどう解決するのかが重要なので、これまでの経緯を明らかにしたい」と話した。【竹田直人、野村阿悠子】


東京五輪も潰される…FAX1枚の放火予告に屈した警察の怠慢
 愛知県美術館などの国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、慰安婦を象徴する少女像などを展示した企画展「表現の不自由展・その後」が中止となった問題。作品に抗議する電話やメールが1日の開幕から2日間で、1400件に上ったというから驚きだ。
 トリエンナーレの実行委員長を務める愛知県の大村秀章知事は3日、中止の理由について「テロ予告や脅迫の電話などがあり、総合的に判断した」と説明。<(少女像を)大至急撤去しなければ、ガソリンの携行缶を持ってお邪魔する>との脅迫ファクスが2日の朝に美術館に届いたことも明かした。
 警察に被害届を出したものの、「ファクスの送り主を特定できない」と言われたという。
 トリエンナーレの芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介氏は自身のツイッターに、脅迫ファクスについて<ネット経由で匿名化されて送られていましたね。手段をよく知ってる人の犯行です>と投稿。たとえ匿名であっても、警察が犯人を特定できないことには愕然とせざるを得ない。来年の東京五輪に向けて、テロ対策を強化してきたからだ。
 警察庁の「国際テロ対策強化要綱」は、テロを未然に防ぐために<テロの脅威に係る情報収集・分析を周到に行うことが必要>と明記している。“ガソリン放火”予告の犯人すら分からない警察が、テロの脅威から東京五輪を守れるのか。兵庫県警元刑事の飛松五男氏がこう言う。
「警察が本気を出せば、匿名でもファクスの送り主を特定できます。警察はサイバー犯罪などに特化した人材を育成するために予算を多くもらっているので、特定できないほどヤワではありません。あえて公表していないという可能性も考えられますが、ファクスの送り主を本当に特定できないのなら大問題です。いずれにしても、職務怠慢。五輪を来年に控えているのに、緊張感に欠けています」
 津田氏は今回の騒動について「電話による攻撃で文化事業を潰せてしまう悪しき事例をつくってしまった」と悔やんでいた。
 ファクス1枚で東京五輪が中止――怠慢警察の下ではあり得ない話ではない。


大村知事に賛同相次ぐ 河村たかし市長を「憲法違反」と猛批判
現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」をめぐる名古屋市の河村たかし市長(70)の発言を、愛知県の大村秀章知事(59)が厳しく批判した。
元従軍慰安婦を表現した「平和の少女像」や、昭和天皇の写真を用いた作品が物議を醸していた「表現の不自由展・その後」。
河村市長は8月2日、この企画展を視察し「どう考えても日本人の心を踏みにじるもの」と述べ、展示の中止を要求すると発表していた。運営側には「ガソリン携行缶を持ってお邪魔する」と書かれた脅迫FAXが届くなど抗議が殺到。開催から3日間で中止に追い込まれた。
5日の記者会見で大村知事は、河村市長の主張を「憲法違反の疑いが極めて濃厚」と指摘。「公権力を行使される方が、“この内容は良い、悪い”と言うのは、憲法21条のいう検閲と取られてもしかたがない。裁判されたら直ちに負けると思う」と厳しく批判した。
また「税金でやるなら、自ずと表現の範囲は限られる」といった論調に対しては、「全く真逆。公権力を持ったところこそ、表現の自由は保障されなければならない。税金でやるからこそ、憲法21条はきっちり守られなければならない」と反論した。
Twitter上では《大村知事は反日》《知事辞めな》などと大村知事に反発する声もあるが、毅然とした発言に賛同の声が相次いでいる。
《大村知事の考えが常識的な対応だと思います》
《歴史修正主義者だらけの首長ばっか話題になるから、こういう人いるとほっとする》
《愛知県の大村知事に賛同します。河村たかし名古屋市長、菅官房長官、松井一郎大阪市長による「アートへの政治介入」は明らかに憲法21条に違反している》
大村知事によると、5日朝にも「ガソリンを散布します」などと書かれた脅迫メールが県に届いたといい、警察と対応を協議するという。


最低賃金 地域間格差の解消を急げ
 全国平均の時給額が上昇する一方で、地域間格差は拡大している。地方で働く人の賃金引き上げや、中小企業への支援策の構築を急がねばならない。
 中央最低賃金審議会が、2019年度の地域別最低賃金の改定について、全国平均の時給を27円引き上げ、901円とする目安をまとめ国に答申した。
 引き上げ幅は、前年の26円を上回り、4年連続で約3%となった。全国平均の時給が900円台に乗ったのは初めてだ。
 今後は各地の地方審議会が各県ごとに額を決める。本県の引き上げ目安額は26円で、目安額通りなら時給829円となる。
 最低賃金は、企業が非正規を含む全ての労働者に支払わなければならない賃金の下限だ。今回の額については、労働側から一定の評価が出ている。
 高い水準での引き上げは、人手不足や10月に消費税増税を控えていることが背景にある。
 安倍政権が今年6月にまとめた経済財政運営の指針「骨太方針」で、全国平均の時給を「より早期に千円になることを目指す」と掲げたことも後押しになったとみられる。
 だが、手放しで歓迎するわけにはいかない。地域間格差の広がりが看過できないからだ。
 引き上げの目安は物価や所得水準などを踏まえ、A〜Dランクに分けて提示される。
 全国平均の901円を上回るのは、大都市の東京や神奈川などAランクを中心に7都府県にとどまる。最も高い東京が1013円なのに、Dランクで最も低い鹿児島県は787円だ。226円もの差がある。
 その差は、02年度の103円から倍以上も広がっている。地方の引き上げ額が平均よりも下回る傾向が続いているからだ。
 都市部への若年層の人口流出が地方にとって共通の課題となっている中で、最低賃金の格差拡大が流出を加速し、地方がさらに衰退する恐れがある。
 国は、地方の引き上げ幅が都市部以上となるようにし、格差是正につながる環境を整えねばならない。ランク分けの在り方も再考すべきだ。
 一方で、大幅な最低賃金の引き上げは、地方を中心に中小企業の経営を圧迫し、雇用に影響が出るとの懸念も強い。
 政府に求めたいのは、中小企業の生産性向上を促す施策など、具体的な支援を迅速に講じることだ。
 安倍政権は地方重視をアピールしているが、具体的な成果が見えてこない。政府の本気度が問われている。
 最低賃金は労働者のセーフティーネット(安全網)とされる。しかし、絶対的な水準が低いことを忘れてはならない。
 時給901円で週40時間働いても年収は200万円以下だ。こうした収入レベルは「ワーキングプア(働く貧困層)」と呼ばれ、1千万人以上いる。結婚や子育てなど生活設計が描けない若者も多い。
 働く人が将来に希望を持てるよう、最低賃金のさらなる底上げを図る。それが国の責務だ。


議員の介助費 公的補助の対象拡大を
 2人の議員活動に限った問題ではない。制度を改めるべきだ。
 重い障害があるれいわ新選組の舩後靖彦議員と木村英子議員の議員活動中の介助費について、参院が当面負担していくことを決めた。
 2人は外出時の移動など生活全般を支える「重度訪問介護」を受けている。障害者総合支援法に基づき、公的補助の対象となる福祉サービスである。
 それなのに、議員活動中は公的補助を受けられない。厚生労働省が議員活動は経済活動に当たるとして、対象外としたためだ。
 舩後氏は、次第に全身が動かせなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」患者、木村氏は脳性まひの重度障害者だ。手足を自由に動かすことは難しい。舩後氏は言葉も出せない。介助なしに議員活動をすることは不可能だ。
 参院議院運営委員会の末松信介委員長は、負担を決めた理由として「議院活動に必要な介助は行うとの考え方に基づく」と述べている。当然の対応である。
 ただし、根本的な問題は残されたままだ。
 まず、議員活動を経済活動として公的補助の対象外とした厚労省の見解だ。「議員に歳費が支払われる」ことが理由である。
 2人は選挙で選ばれた国民の代表だ。議員は自身の生活のためではなく国民のための仕事だ。一般的な「経済活動」と同様に考えるのは無理がある。
 さらに経済活動では公的補助をしない制度そのものが、障害者の生活と就労を支援する支援法の趣旨に矛盾している。
 厚労省は通勤や経済活動では、恩恵を受ける雇用主が費用を負担すべきだとしている。
 障害者の社会参加に介助は欠かせない。就労時に介助費用を全額負担できる障害者は少ないだろう。雇用主に負担を求めると雇用促進の弊害になる。現行の支援制度は重い障害があっても働きたい人の壁になっている。
 さいたま市は本年度から市の財源で、重度障害者が在宅で仕事をする場合に支援サービスを提供している。市は「働くと支援を受けられないのは矛盾」として、国に制度見直しを求めたのに受け入れられなかった。国は障害者の現状を見誤っている。
 情報通信技術の発達で重度障害者の就労機会は広がっている。制度が改善されれば就労意欲を持つ障害者も増え、社会参加も促進できるだろう。早急な見直しが欠かせない。


受動喫煙対策 行政機関がまず手本示せ
 受動喫煙防止対策を強化する改正健康増進法が7月に一部施行され、この夏から学校や病院、行政施設などの敷地内が原則禁煙になった。
 受動喫煙による健康リスクは科学的に証明されている。国内では受動喫煙が原因の脳卒中や肺がんなどで年間1万5千人が死亡しているという推計もある。来年4月の全面施行に向け、まずは着実に実施し、新たな喫煙マナーを社会に根付かせることが肝要だ。
 敷地内が原則禁煙になったのは、健康影響を受けやすい病気の人や子ども、妊婦などが出入りする施設である。ただし、利用者が通常は立ち入らず、分煙を徹底できる区画に限って、屋外喫煙場所を設ける「例外措置」が認められている。
 国の2017年調査によると、小中学校の約9割、病院(20床以上)の約6割が敷地内禁煙だった。法律が改正された現在、いずれもさらに増えていることは間違いないだろう。
 東京五輪・パラリンピックの開催都市である東京都は都庁敷地内の喫煙所を全廃した。条例で改正法よりも厳しい規制を進めており、9月から幼稚園や保育所、小中高は屋外でも喫煙所設置が認められなくなる。
 九州では、佐賀県が本庁、各地の総合庁舎、児童福祉施設など全36施設を敷地内禁煙に踏み切った。喫煙所などを利用した人の衣服に付着した有害物質が拡散することで発生する「残留受動喫煙」(三次喫煙)の防止も考慮したという。
 ただし、残念なことに、原則を順守して敷地内禁煙を選ぶ自治体はそう多くはない。九州では、佐賀を除く6県すべてが屋外喫煙所を認めている。国の省庁も本庁舎の敷地内に喫煙所を設けるところが多い。
 当然ながら改正法も国も、屋外喫煙所の設置を推奨しているわけではない。改正法は、国や地方自治体が受動喫煙の防止措置に取り組むよう努めることを求めている。全面施行に向けて手本を示すべく、率先して敷地内禁煙を進めるべきだ。
 世界保健機関(WHO)は、医療機関や学校など人が多く集まる場所の禁煙義務の有無を調査し、4段階で評価している。
 日本は最低ランクだが、改正法が全面施行された後も、1段階しか上がらないとされる。企業などでは屋内喫煙所の設置が認められ、小規模な飲食店は喫煙可も選ぶことができる緩い規制にとどまるためだ。
 最高ランクに評価される国は50カ国以上に上る。日本の受動喫煙対策は国際水準からほど遠いのが実情だ。法改正はあくまで出発点と位置づけ、今後も対策を強化する必要がある。


東大・京大・早慶では「中国人留学生」が圧倒的に優秀という現実 教育現場が実感する「日本の衰退」
数学五輪は世界1位
「ここ4〜5年、東大にいる中国人留学生が全体的に優秀になっている印象があります。かつては優秀な子もいれば、そうでない子もいて、玉石混交の状態でした。
ところが、最近は日本人の学生はもっと頑張らないと厳しいと思えるほど、優秀な中国人留学生が増えています」
そう語るのは、東京大学先端科学技術研究センター教授・西成活裕氏だ。
大国・中国の存在感は政治、経済の世界以外でも増す一方だ。7月11日からイギリスで開催された国際数学五輪でも、中国チームはアメリカとともに1位に輝き、日本は13位に沈んだ。そんな国力の衰えを最も実感しているのが、教育現場なのだ。
いま、中国人留学生が東大、京大、慶應、早稲田などの名門校に多数在籍している。そして、その多くが日本人が太刀打ちできないほど、優秀な成績を収めている。
現在、東大には約2400人の中国人留学生がいる('19年5月時点)。中国の高校を卒業した後、留学生試験を受けて学部から入る、あるいは中国国内の大学を卒業後に日本人と同じ院試を受けて、大学院から入学するなど、パターンは様々だ。
西成氏が話す。
「日本人学生とはハングリーさが違います。私の講義後、質問にやってくるのは、きまって中国人留学生。彼らは自分が理解できなかった部分や疑問に感じたところを、その場で明らかにしたいという考えを持っているように感じる。
反対に日本人学生はなかなか質問に来ない。『まあ、いいや』と済ませてしまう人が多い傾向にあると思います」
東大には学業、社会活動などで優れた成績を収めた学生を表彰する「総長賞」という制度がある。
これまで何人もの中国人留学生が受賞しており、直近では'17年度に薬学系研究科の博士課程に在籍する中国人留学生が「自然免疫受容体Toll様受容体7の構造生物学的研究」というテーマで総長賞を受賞している。
「私が会った中国人留学生で印象的だったのは、中国の大学を出て、研究員として東大にやってきた青年です。彼は何かに興味を持ち、研究を始めると、必ずどこかで区切りをつけ、論文という形にまとめるんです。
日本人学生の場合、研究を始めても、行き詰まったり、面白みがないと、すぐに諦めてしまう。必死さが違うんです。
通常、研究者は年齢と同じ本数の論文を書かなければならないとされています。たとえば、40歳であれば40本といった具合です。
しかし、彼は30代ですでに100本近くの論文を書いていました。いま彼は中国の大学に戻っていますが、30代の若さですでに教授になっています」(西成氏)
なぜここまで優秀な中国人留学生が増えているのか。ひとつに、総数自体が「爆増」しているという実態がある。
「独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が来日する留学生数を出身国別に調査しており、'13年度の中国人留学生の数は約8万2000人でしたが、'18年度は約11万5000人と、大幅に増加しています。
中国人留学生の数は留学生全体の4割弱と、ダントツです。人気なのは東大、そして早稲田です。早稲田は、初代総書記の陳独秀など、中国共産党の創設メンバーらが留学していたという点が、中国人の心をくすぐるようです」(『中国人エリートは日本をめざす』の著者で、ジャーナリストの中島恵氏)
日本でなら成り上がれる
早稲田には、現在、約3400人の中国人留学生がいる。慶應には約950人、京大には約1400人が在籍している(すべて'19年5月時点)。
中国の学生のトップ層はハーバード大、エール大といったアメリカの名門校に留学するケースが多い。米・国際教育研究所の調べによると、'17〜'18年にアメリカの大学に在籍している中国人留学生は実に約36万3000人にのぼる。
それでも、日本を選ぶ優秀な留学生がいるのには理由がある。中国最大手のオンライン教育企業「沪江」の社員が解説する。
「留学先として日本を選ぶ理由の一つは、教育水準は一定以上あるにもかかわらず、欧米の大学に比べて学費が安いこと。つまりコストパフォーマンスがいいのです。
さらに奨学金制度も充実しており、決して経済的に豊かではない家庭の子息であっても、留学できる。治安が良いという点も、人気の理由の一つです」
彼らの優秀さの一因に、中国の大学入試試験「全国普通高等学校招生入学考試」、通称「高考」がある。高考は毎年6月に全国一斉に行われる、いわば「中国版センター試験」。
しかし、日本と違って大学別の入試はなく、高考一発勝負だ。中国には約2600校の普通大学があるが、多くの受験生が目指すのは、'78年に政府が選定した、北京大学や清華大学を始めとする88校の「国家重点大学」。
その他の大学と比べ、ブランド力や就職実績が天と地ほど違う。今年6月に実施された高考の出願者数は、実に約1031万人。日本とはケタ違いの競争率なのだ。
この高考に向けて、中国の学生たちは死に物狂いで机に向かう。東大大学院に通う、中国人留学生A子さん(24歳)が話す。
「高校時代は朝6時に起床し、体操をして、朝食を食べたら、後はずっと勉強でした。中国の中学・高校は寮生活を送る学生が多いですし、日本のような部活動も基本的にはありません。なので、ずっと勉強漬けなのです。
高校1年のうちに、3年間分のカリキュラムをすべて終え、2年からは高考にむけた受験勉強です。休日は朝7時から深夜2〜3時まで勉強する生徒も珍しくありませんでした」
毎年のように高考でのカンニングなどの不正事件が起きるのも、それだけこの試験が厳しく、人生を左右するものだからだ。A子さんが続ける。
「先生からは、繰り返し『合否を分けるのは、ほんの少しの差だ。合格まであと1点だったと嘆く生徒が毎年いるが、その1点に数万人の受験生がひしめいている。それが高考だ』と言われました」
勝負にならない
一方、今年1月の日本のセンター試験の出願者数は約58万人。高考では、中国の23ある省のひとつの受験者数程度にすぎない。
高考を突破し、中国国内の名門大学を経て日本の大学院にやってくる留学生はもちろん、高考で思ったような結果が出ず、やむなく日本の大学に入学する留学生も、この1000万人との苛烈な競争を経験してきている。
日本にやって来てからも、中国人留学生は勉強することを止めない。日本人学生がアルバイトや遊びに没頭する中、彼らは家と大学を往復する毎日を送り、ひたすら勉強、研究に明け暮れる。日本人学生は、端から勝負にならないのだ。
海外に飛び出した中国人留学生の多くは、卒業後は中国に帰国する。しかし、日本へ来た留学生は、そのまま日本国内の企業に就職する人が多いという。中国問題に詳しい、ジャーナリストの福島香織氏が語る。
「トヨタや伊藤忠商事などの大企業を始め、メディア系企業、外資系企業の日本支社などに入る人もいます。
中国の共産党一党体制を好ましく思っていないから、安全で空気が綺麗だから、あるいは単純に日本文化が好きだからなどの理由で、そのまま日本で就職する人が多いのです」
'18年6月に米・トランプ政権は、ハイテク分野など、一部の留学生のビザの期間を最長5年から1年へと大幅に短縮した。
米中関係の悪化から、すでに中国人留学生のビザが出にくくなるといった影響が出始めている。これまで米国に行っていた中国の最優秀層の学生たちが、今後、続々と日本に流れる可能性は高い。
大学のトップ層はもちろん、国内の有力企業の中枢も中国人ばかり――。そんな未来は、すぐそこまでやって来ている。