以下は、山頭火(俳人)のエッセイ「砕けた瓦」(俳誌「層雲」)から。

家庭は牢獄だ、とは思わないが、家庭は砂漠である、と思わざるをえない。
親は子の心を理解しない、子は親の心を理解しない。夫は妻を、妻は夫を理解しない。
理解していない親と子と夫と妻と兄弟と姉妹とが、同じ釜の飯を食い、同じ屋根の下に眠っているのだ。

彼等は理解しようと努めずして、理解することを恐れている。理解は多くの場合に於いて、融合を生まずして離反を生むからだ。

背き離れんとする心を骨肉によって結んだ集団!そこには邪推と不安と寂寥とがあるばかりだ。

私達は別れなければならなくなったことを悲しむ前に、理解なくして絡んでいるよりも、理解して離れることの幸福を考えなければならない。


*長い人生をどう過ごすかを考えたとき、たとえば離婚も前向きに乗り越えていきたいものです。