松田道雄(医師)「恋愛なんかやめておけ」(朝日文庫)から。

男は女にくらべてエッチなのか。たしかにそうだ。しかし、すべての男がそうなのではない。これはひどく個人差のあることだ。食欲とおなじだ。すぐおなかがすいて、何でももりもり食べる人と、小食で、ほんのすこし食べればいい人とある。全体として、女よりも男のほうが食欲がさかんだといえる。

どうしてもがまんできない男がいるのだ。そういう男を相手にして、売淫が今でもある。たいてい、大都市のある特別な地域にかたまっている。安くはない。
それだけ、年齢のわかいものには近づきにくい。だから、がまんできないたちのわかい男は、商売女でない女を相手にする。

昔なら女郎屋で女郎を買って、うさはらしをやった人間が、女の友だちを女郎のかわりにする。それは男にとってほんとうはあそびなのだ。おそろしいことは、当人にそれがあそびだか、本気だかわからないことだ。

はじめは本気のつもりでも、途中であきちゃえば、にげだしてしまう。結果としては浮気ということになる。恋愛はどんなに本気でも永久につづくという保証はない。