NHKニュースの「総裁選挙をめぐる自民党偏重」の問題は、視聴者コールセンターの暴言事件を糸口として、NHK本体に迫ろうとしているようです。大津留公彦さんのブログによると、コールセンターの内部から情報提供があったということで、NHKの下請け事業体の内情が、よくわかります。内部告発は、貴重な導火線になるかもしれません。
これと別に、昨日の村野瀬玲奈さんのブログでは、「NHKの情報操作」のタイトルで、麻生総理と社民党・辻元清美議員とのやりとりが、夜のニュースと翌朝のニュースとの間で改変されていた例が紹介されていました。そこで、ニュースは編集で化けるということを書いてみます。
話は古いのですが、安保闘争で全学連と機動隊が国会前で派手に衝突を繰り返していた当時、NHKの世論調査所が面白い実験をしたのを、内部の資料で読みました。ニュースフィルムを、機動隊に同情的な立場と、全学連に同情的な立場と、2種類の違った編集をして試写したところ、見た人たちの感想は、「全学連は暴力的だ」「機動隊はやりすぎだ」と、意図した通りに分かれたというのでした。
街頭を実写した映像でも、編集によってどのようにも意味づけられることは、本質的には劇映画と同じことです。ですからNHKニュースは「両者五分五分にしろ」というのが大原則です。しかし編集マンもディレクターも人間ですから、当時の現場の雰囲気は、6対4ぐらいで政府批判に傾いていたような気がします。ですから岸首相は不満で、「テレビカメラを持ってこい、私が直接国民に話す」と要求した武勇伝を残しました。
私が先日のNHKニュースを見て感じた違和感は、「いくら何でもこれは行き過ぎだ」ということでした。その後に少しは改善したように感じますが、今も総体として、7対3ぐらいで政府寄りに傾いているように思います。ということは、今はニュースの現場と中間管理職が、この程度を「公正」とする感覚でいるということです。それはまた、私の立場が、今の日本でどこにあるのか、という問題でもあるのです。
報道機関は、政府の広報よりも、社会を正す批判精神を忘れないことの方が、期待されている役割は大きいのです。NHKの報道姿勢は、もっと多くの批判にさらされる必要があると、私は思います。
これと別に、昨日の村野瀬玲奈さんのブログでは、「NHKの情報操作」のタイトルで、麻生総理と社民党・辻元清美議員とのやりとりが、夜のニュースと翌朝のニュースとの間で改変されていた例が紹介されていました。そこで、ニュースは編集で化けるということを書いてみます。
話は古いのですが、安保闘争で全学連と機動隊が国会前で派手に衝突を繰り返していた当時、NHKの世論調査所が面白い実験をしたのを、内部の資料で読みました。ニュースフィルムを、機動隊に同情的な立場と、全学連に同情的な立場と、2種類の違った編集をして試写したところ、見た人たちの感想は、「全学連は暴力的だ」「機動隊はやりすぎだ」と、意図した通りに分かれたというのでした。
街頭を実写した映像でも、編集によってどのようにも意味づけられることは、本質的には劇映画と同じことです。ですからNHKニュースは「両者五分五分にしろ」というのが大原則です。しかし編集マンもディレクターも人間ですから、当時の現場の雰囲気は、6対4ぐらいで政府批判に傾いていたような気がします。ですから岸首相は不満で、「テレビカメラを持ってこい、私が直接国民に話す」と要求した武勇伝を残しました。
私が先日のNHKニュースを見て感じた違和感は、「いくら何でもこれは行き過ぎだ」ということでした。その後に少しは改善したように感じますが、今も総体として、7対3ぐらいで政府寄りに傾いているように思います。ということは、今はニュースの現場と中間管理職が、この程度を「公正」とする感覚でいるということです。それはまた、私の立場が、今の日本でどこにあるのか、という問題でもあるのです。
報道機関は、政府の広報よりも、社会を正す批判精神を忘れないことの方が、期待されている役割は大きいのです。NHKの報道姿勢は、もっと多くの批判にさらされる必要があると、私は思います。