志村建世のブログ

多世代交流のブログ広場

2016年01月

一月の最後の日に

 1月の最後の日に、しかも日曜日なのに、当ブログのアクセスカウンターが、ライブドアに移転以来の最高値になりました。ぷららブローチが終了したのは2014年の6月末でしたから、1年半前のことになります。このとき、それまで500から1000程度だった毎日のアクセス数が、3分の1程度に減少しました。その後もあまり増えることなく今に至っています。
 ライブドアでは、アクセス数のほかに「ページビュー」のカウントがあって、こちらはアクセス数の2倍程度になるようです。ぷららブローチとライブドアブログとで、カウントの方法が違うのかどうか、いまだに本当のところはわかりません。最近はツイッターやフェイスブックからのアプローチもあり、「ブロゴス」などの引用サイトもあるようです。ただし自分のブログがどこでどう読まれているのか、自分でも全部は把握できません。
 本日のアクセス急増は、「三上智恵さんの悲しみ」への反響の大きさを示しているように思われます。アクセス解析の中に「ログミン」という機能があるのですが、そこに「初めての閲覧」が多く来ているようです。この問題への関心の広がりが感じられて、当ブログが、ささやかながら一つの役割を果たせたように思いました。
 SNSにもいろいろありますが、文献としての保存性・安定性から、私は今後ともブログを中心に書いて行きますので、今後もよろしくお願いいたします。

マイナス金利のビックリぽん

(熊さん)日銀が金利をマイナスにしたって、ありゃ何ですかね。
(ご隠居)日本では初めてらしいが、ヨーロッパでは先例があるようだね。景気をよくするための「劇薬」だそうだ。日銀の預金に利子をつけないで、逆に預けると目減りするように設定する。すると資金が日銀から出て行って、市中に出回るって理屈になるんだな。でも、市中の銀行は採算が悪くなるから困るらしい。
(熊)銀行に金を預けると手数料を取られるって、それ変じゃないですか。
(隠)そうでもないさ。考えてみな、駅で荷物を預けるコインロッカーは、みんな有料じゃないか。大事なものを安全なところへ預けるのに金がかかるのは、むしろ当り前なんだよ。ところが金だけは不思議な荷物で、たくさん預かっていると借りたい人に利子をつけて貸し出してやることができる。銀行の立派な建物も、たくさん働いてる銀行員の給料も、みんなその利ざやから出ているんだな。資本が働いて産業を発展させる、それが資本主義の根幹で、銀行はその流通の拠点というわけだ。
(熊)で、景気が悪い時は、金の尻を叩いて「出て行け」って銀行から追い出すわけですか。余ってるんなら、困っている人に配ってやればいいのに。
(隠)それは政府がやる仕事だけど、町の銀行がそんなことしたら、すぐつぶれちゃうさ。何としても、ちゃんと返してくれる見込みのある人に貸さなくちゃならない。ところが不景気だと、まともな借り手がなかなか見つからないんだ。金融緩和は、もうさんざんやってきたあとだから、新しい事業を始めたいという人も少なくなってる。
(熊)日本の人口は減ってくるんだし、高度経済成長なんて、もうないですよね。
(隠)そういう時代の流れもあるね。その中で「アベノミクス」とかで、年率2%の物価上昇をめざすなんて、無理な目標を出して「デフレからの脱却」を唱えてきたんだが、その政策がどれも当らなかった。原油の値下がりとか、中国経済の地盤沈下とか、海外の事情を言い訳にしてるけど、それだけじゃないね。消費税を上げる、企業は減税する、防衛費でも海外援助でも、国の支出はどんどん増やす、それでいて国民の間の格差拡大には目をつぶってるんだから、健全な消費が拡大するわけないよ。
(熊)それで奥の手に持ち出したのが、マイナス金利ですか。
(隠)でもね、われわれの貯金まで利子がマイナスになるって話じゃないから、そこは安心していいんだよ。しかしね、アベノミクスの破綻は、もういろんな面からはっきりしてるのに、総括せずにごまかしてるんだ。安倍政権の経済政策の失敗は、次の選挙の、もっと大きな争点にしていいんだよ。

映像作家・三上智恵さんの悲しみ(2)

 昨日につづいて、三上さんのフェイスブックからです。
(以下引用です・2016年1月27日夜)
 昨日の、新潟の中学生の話 左翼叩きの人たちにシェアされて 中学生はマトモだ! おかしいのは沖縄の反対派だ! とか ネタにされつつあったので 友人公開にしました  もう遅いけど。 で、皆さんのたくさんの意見も受けて ずっと考えてるんですが 右傾化、という言葉では くくれない何かが この国で もう止まらなくなってる そういう恐怖を感じます
 中国が攻めてくる 中国人が狙ってる そういう言説には実は 不安と同時に  どこか 甘美なものがある いきなり、生きる目標ができたような すごく一体感を味わえそうな みんなでこの試合勝とうぜ! みたいな そのためには 欲しがりません 精神論重視、ストイックになります
 団結すべき時に 水を差すヤツは敵 もしくはスパイ 相手と仲良くしようよ なんて言ってるヤツは たたき殺せ 士気が下がる 私がスポーツ観戦が嫌いな理由は 大衆が熱狂する そのアドレナリンの出方が 戦争に通じるものがあるから 昔から、冷静に見てしまう ゾッとしてしまう 他が目に入らない興奮状態に 自ら飛び込んで 最後は 日の丸のもと 君が代をみんなで歌う 恍惚感とか 魔物だ、とおもう
 本当の命の話や 共生の話ではなく 優しさでもなく 勢いに乗って 何かを叩き潰しに行く 正義のヒーローのような 興奮するステージ 見えてるものが違うし 味わいたいものが 完全に別次元だと思う スッキリしたい 正義の名の下で 差別やいじめの時にしか味わえない快感を味わうとか 暴力の快感 そういうものひっくるめて 大衆は 歴史とか、平等、人権なんて 考えるよりも 手っ取り早いものとして 戦争に向かう熱狂に取り込まれてしまうんだ うっとりしてしまうんだ
 この中学生がダメなのではなく 先生がダメという段階でもなく もう日本の大衆がまた そんな麻薬の味を知り始めた 止められない流れの中に あるのかもしれない
 昨日から悶々と そんなこと考えてます
(引用終り)
 以上の2日間の三上智恵さんの告白に対して、多くのコメントが寄せられました。私も前日には、以下の二つのコメントを入れました。
「今の中学生に「標的の村」を理解するだけの素地がなかったということですね。戦争の怖さを知らない、たぶん親たちを含めて。ですから沖縄では、ここでどんな戦争があったかを知らせることから始める必要があると思います。ご苦労さまですが……」
「三上さん、ご自分の居場所がきっちりしていればいいのです。あなたの残す仕事が未来を変える。それを信じましょう。」
 そして翌日分には
「三上さんの感想は、当っているかもしれません。戦争体験は70年の忘却の彼方なのですから。でも戦争の繰り返しは、次回は人類滅亡につながります。それだけは伝えなければならないと思います。」
と書きました。伝えなければなりません。私の「昭和からの遺言」は、来月半ばに出ます。タイトルから「小説」の字を取り、実録であることを明示しました。最後の「お言葉」だけが未来です。

映像作家・三上智恵さんの悲しみ(1)

 映像作家で映画「標的の村」などで知られる三上智恵さんのフェイスブックで、とても心の痛む記述を見ました。重大な問題だと思うので、私のブログに再掲させていただきます。
(以下引用です・2016年1月26日)
 車窓は雪景色 新潟から帰る新幹線の中です
 ある新潟の中学校が 来週から沖縄に 修学旅行に来るので その前に標的の村を見て とても関心を持っているから ぜひ行く前に監督の話を聞きたい 先生方の熱心な依頼を受けて 宜野湾市長選挙の撮影があるけど 散々迷いましたが きっと、ここまで熱心な指導の学校だから 将来沖縄のために 日本の民主主義のために 力を発揮する生徒が出るかもしれないし 何より辺野古のテントにも 行くと言ってくれている子達だから 沖縄の旅を最高のものにして欲しいなと思って 話をしに行ってきました 彼らは、調べ学習をしていて 事前に作成したプリントも 基地問題についていろいろ 書かれていました
 でも、気になったのは 質の悪いサイトばかり見ちゃってるなぁ  ということでした 反対反対というけど、実は賛成の人も多くて オール沖縄じゃないのでは? とか 地元のメディアは偏ってると 言われているけど 三上さんは偏ってない自信はありますか? とか シールズ琉球は オスプレイ嫌だと言ってましたけど オスプレイがないと中国に攻められます 無責任だと思います 三上さんも同じ意見ですか? 辺野古で反対してるのは 本土の人や 沖縄の人でもお金もらってる人で 本当の県民は反対していないのでは? などなど。
 講演の後のディスカッションでも こういう質問が多くて 映画の中身や 高江のその後や 人々の生活への心配も興味も 島の抱えてきた歴史も ほとんど触れられなかった 中国が攻めてくる 中国人が狙ってる 尖閣を取られる 
 どうしてそう思うの? じゃあ、皆さんはどうしたら安心なの? 沖縄にアメリカ軍基地を置かないなら 自衛隊を置くしかない、というけど 中国よりも立派な軍隊を持つことで 安心できるの? それは可能なの? 自衛官が島に住み着いて その数が島の有権者の半分を占めたら 自治はなくなってしまう その島の人たちの暮らしは 軍事優先になってしまう そのことは考えないの? そんな話を丁寧にしたつもり。
 でも、じゃあ、どうするんですか? 日本の安全はどう考えてるんですか? という 私は 47人のクラスがあって 沖縄君だけ 「みんなの安心」と書かれた 星条旗の模様の 大きな荷物を持たされていて みんなで遠足に向かっている として 沖縄君が 重いよ重いよ と言ってる時に 重い?誰か持つ? だーれもいないよ? どうする? みんなの安心の荷物、おろすなら いいアイディア出してくれないと。重い重いって言われてもさ。みんな心配なんだからさ。と言ってるのと同じだよね。彼だけが苦しいのはおかしい 荷物は分けられないのか? 本当にその荷物の中身って おれたちを守ってるのかな? 他に方法ないのかな?って 仲間なら考えてくれてもいいよね というと
 沖縄だけが荷物持ってるんじゃありません 各県には県の役割があると思います 沖縄はそういう役割だと思います といわれてしまった 一番悲しかったのは 3クラスの中に 「そういうの、おかしくないかな?」  「もっと沖縄の立場で考えようよ」 という違う意見の声が上がらなかったこと
 反対運動批判や 沖縄の犠牲やむなし!という ページをたくさん読んだんだな と思うし 一人の女の子は 八重山の記者が書いた 中国が沖縄を狙ってるのに 沖縄メディアは知事は とんでもない、という趣旨の本を出して見せたことからも ネットと 嫌韓本ならぬ 嫌沖本から 沖縄への基地押し付けを 正当化するような言説が溢れている中で 若い世代が情報を集めていくのと 私たちが現場の映像をまとめたり 話しして回ったりすることの 物量の差 実はものすごい差になってて 実際に見てくれたらわかる 話聞いてくれればわかる なんていう範囲をこえて 中国が攻めてくる 沖縄に基地、当然 反対してるのはスパイ もしくは反日分子って一色に この国は なってきつつあるのではないか 映画を見た子供たちからも こんな反応しか得られないなら 私にできることって すでに限界なのかな ちょっと重い気持ちになりました
 でも、なんといっても13.14歳の 柔軟な頭だから 私の力は 及ばなかったけど 彼らが、沖縄で民泊もしながら いい出会いをたくさんしてくれるといいな 顔が見えた人たちのその後に 北国から少しでも 関心を寄せてくれるようになるといいな そう祈ります
 日本という国の未来は どうなるんだろう

ブログ連歌(431)

8599 消費税 「もう上げないで!」 悲鳴あり (みどり)
8600  株価も哀れ もう下げないで (建世)
8601 哀れなるは 年金でござい アベの因果
8602  祟って損失 21兆円 (横丁の庶民)
8603 食べ物を 粗末に捨てる気になれず
8604  賞味期限切れを ジッと眺め (獣医さん)
8605 大臣が あまりにひどい アベコベだ (15代目フーシェ)
8606  答弁うつろに 進退窮す (建世)
8607 甘利さん 甘い利益で 進退は (うたのすけ)
8608  逃げるが勝ちと 物忘れ症 (建世)
8609 囮だろうが 嵌められようが
8610  あっせん利得の 事実は変わらず (獣医さん)
8611 異常天候 アベニーニョ
8612  どこまで走る 改憲乱気流 (獣医さん)
8613 スーパーの 値引き時刻を 待つ孤老
8614  それすら買えぬ 高値の魚貝 (みどり)
8615 S興業 匂い嗅ぎつけ 流れ付き
8616  道路分断 二億をせしめ (因果応報)
8617 右傾化の 流れ止まらぬ この国を 
8618  憂える人の 悲しみ深し (建世)
8619 哀しみに 負けぬ闘魂 沸き立たせ (みどり)
8620  限りある身も 力尽くさん (建世)

フィリピンの戦争で死んだ人の数

 天皇ご夫妻がフィリピン訪問に出発する際の「お言葉」で、「先の戦争において、フィリピン人、米国人、日本人の多くの命が失われました」と述べられていたが、その死者の数が、どれほどだったかをご存知だろうか。日本軍はこの地で、およそ50万名の戦没者を出した。これは地域別の戦没者数としては、最大になっている。フィリピンは広大な島国だから、全土を占領した日本軍の駐留数も多かったのだ。それが敗戦の過程で島ごとに分断され、補給もなしに壊滅させられた。
 それに対してアメリカ軍の戦死者数は、海軍を加えても2万名足らずだった。そしてフィリピン人の犠牲者数は、精密な資料はないのだが、およそ100万名と言われている。考えてみて欲しいのだが、太平洋戦争でフィリピンは日本の「敵国」ではなかった。むしろ「大東亜戦争」の目的としては「欧米の侵略からのアジアの解放」だったのだから、フィリピンの人々を救済するために出かけて行ったはずである。
 ところが実際にやったことは資源と労力の収奪であり、力づくの支配だった。そしてアメリカ軍が侵攻してくると、多くのフィリピン人は日本軍から離反してゲリラと化した。その疑心から日本軍は現地人に対して、過剰な制圧を加える例が多発したと言われる。その中でマニラの攻防戦をめぐって、市民に対する無差別虐殺という惨劇も起きた。
 市民を避難させる困難さから、当初はマニラを無防備として戦闘を避ける計画だったが、指揮命令の混乱から一部の部隊が残存して市街戦に突入してしまった。アメリカ軍も無差別の砲撃を加える激戦となり、乱戦の中で日本軍の行動は統制がなくなって、殺戮と暴行が横行したと言われる。マニラ戦での日本軍の戦死者はおよそ1万2千名だったが、フィリピン市民の犠牲者数は、およそ十万人にも達した。
 戦争では軍人と軍人が戦うだけではなくて、現地にいる住民も巻き込まれる。そして抵抗しない住民も、簡単に「殺しやすい敵」として攻撃の対象にされてしまうのだ。海外で多くの民間人を殺した旧日本軍の罪は消えない。

市長選挙3連敗と参院選の見通し

 沖縄の宜野湾市、東京の八王子市、山口の岩国市と、この24日には3つの市長選挙があって、いずれも自公推薦の現職市長が当選した。3市とも対立候補は1名のみで、安倍政権を批判するオール野党と市民団体の協力が実現した形だった。地方選挙では現職が強いという傾向があるにしても、自公政権の基盤の強さを見せつける結果になった。
 とくに沖縄の宜野湾市は、普天間基地の地元だから、辺野古への新基地建設の可否を問う「政権・対・沖縄」の民意の動向が注目された。現職市長は辺野古への移転の問題には触れることを避け、基地負担の軽減だけを強調して、選挙運動も商工団体への工作などに力を入れて、街頭宣伝はあまりしなかったということだ。対する野党側は、翁長知事が先頭に立って辺野古新基地反対のムードを盛り上げ、市民の関心も高まって投票率も上がったのだが、及ばなかった。
 しかし、市民は辺野古の新基地建設に賛成したわけではない。これを新基地建設容認の民意が出たとして追い風に利用するのは、筋が違うのだ。それでも、これ以上の基地負担は絶対に許さないという、沖縄の一枚岩の意思表示には至らなかった。
 八王子の場合は、すぐれた学者として活躍してきた五十嵐仁氏が「天命」を感じて出馬を決意したというので、私も注目していた。氏は「五十嵐仁の転成仁語」というブログで早くも得票の分析をしている。
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2016-01-26
そこには「石森陣営は4年間で9万票だったのに、五十嵐陣営は2週間で5万票を獲得した」と書いている。さらに、現職には自公に民主も加わったが、五十嵐陣営が集めた票は共産・社民・生活および無所属で、これらの得票は前回の市議選挙のときを上回り、逆に自公民は票を減らしていると指摘している。
 つまり純無所属の新人が、新しい票を掘り起こすことはできていたのだ。だが、今回の投票率は、なんと36.2%という驚くべき低率だった。自公に民主が加わったことで、最初から無風に近い沈滞した選挙だったと思われる。これでは新しい風を呼び込むことができるわけがない。八王子市民は、もったいない人材を見殺しにしたことになる。岩国の投票率も、50%に届かない低率だった。無関心な市民しかいない町は、政権党の思うままに支配され続けるのだろう。
 何度でも言うが、次の参議院選挙は、自公を一撃して「ねじれさせる」などは夢のまた夢で、「自公の3分の2獲得阻止」だけでも容易でない厳しさなのだ。「共産党とはいっしょにやれない」などと言っている場合ではない。

山本太郎の「超☆太郎対話」イベントに行ってみた

 昨夜は、わが家の昔から縁のある人に教えてもらった山本太郎議員のトークイベント(会場は東中野ポレポレ座)に行ってみました。「わたかつ新春企画」とのことですが、「わたかつ」とは「私たちの街頭活動チーム」のことで、ツイキャス配信のジャックさんも参加している「街角対話型」の政治意識向上をめざす活動でした。山本太郎の馬力と知名度を、市民生活と結びつける意欲的な企画です。
 主役はもちろん山本太郎氏で、国会報告とともに、次の選挙への提言もありました。中でも印象的だったのは、安保法制・護憲のテーマで戦うのは、昨年夏のような熱気の中ならよかったかもしれないが、現状では、それだけでは勝てないという判断でした。それよりも、格差は拡大の一方ではないか、消費税も保険料も上がる一方で、福祉給付は切り下げられている、安倍政治の目に見える悪政を具体的に示して、これを倒さないと国民は幸せになれないことを訴えようという意見でした。
 山本太郎氏としては市民との対話をしたいということでしたが、一つの話題から話が発展すると、その勢いで太郎氏の独演の色彩が濃くなってきます。しかし参加者は結局は山本太郎の明快な主張を聞きたくて来ているのですから、太郎氏からエネルギーをもらって、自分の活動の糧にすればよいのではないかと思いました。
 会場からの発言の最後の方で、小学4年生の女の子から「子供でも(政治をよくするために)できることは何ですか」という質問が出されたときは、会場の全体がどよめきました。太郎氏の反応は、まず「学校でそういう話をすると、変な子だと言われていじめられるかもしれないよ」という心配から始まりました。でも、「ヨーロッパへ行ったら、小学校でも中学校でも、政治の勉強をするのは当たり前のことでした。日本もそうなるといいと思うけど、まだ学校では難しいかもしれない。だったらお家でお母さんとよく話し合ってみましょう」と話をつづけました。山本太郎氏の飾らない人がらが、小学生の子供からも、手をあげる勇気を引き出したのでしょう。
 安倍政治を倒すために、すべての力を結集しようという山本太郎議員の熱意は疑いようがありません。情勢がどんなに不利であろうと、彼は一人だけでも全力を尽くして戦い続けるでしょう。「太郎さん」の戦いを、私たちは孤独なスターだけの戦いにしてはならないと思いました。散会のあとも、演壇は「太郎さんとの記念写真撮影サービス」で、長い行列ができていました。

「神の小屋」を読んで、こんな神様ならいいなと思った

 年末の古木涼子シスターのブログ「世界にたった一人の自分へ」
http://sekainitattahitori.blog.fc2.com/blog-entry-127.html
で紹介されていた「神の小屋」(ウィリアム・ポール・ヤング著・吉田利子訳・サンマーク出版・2008年)が、幸いにも中野図書館にあったので、借りて読むことができました。紹介された通りに、途中で止められなくなるほど魅力的な本でした。
 内容はキリスト教における神についての話で、その中に神もイエスも聖霊も登場するのですが、その姿が奇想天外なのです。そして最初から幼女誘拐殺人事件というサスペンスドラマの衣裳をまとっているので、その緊張感が最後まで続きます。さらに小説の全体を通して、神の存在とあまねき愛、それにもかかわらず絶えることのない人間の悪と苦しみは、なぜ存在するのかという根源を解き明かす作りになっています。
 そこから私の感性(それは古木涼子シスターの感性と近いところがあると以前から思っています)で読み取れたのは、キリスト教の枠に収まり切れないスケールの「人間存在を含む宇宙全体」についての想念でした。たとえばこの小説の中の「イエス」が「私はクリスチャンじゃない」と発言するところとか、「神」の前に仏教徒、イスラム教徒、無宗教者など、あらゆる人たちが集まるところ、そして何より「神」との対話が、いつも横丁の隠居との会話のように自由闊達であるところが、私は大いに気に入りました。私が気軽にお釈迦さまを呼び出す「涅槃対談」を思い出してしまいます。
 古木さんの解説によると、この本は全米で300万部のベストセラーになったものの、キリスト者の間では異端扱いする声もあって残念だと書いてあります。その理由が、あとがきを読んだら少しわかりました。この本は、著者にとっては処女作で、最初は家族のために書いて回覧されていたものが、評判がよくてプロの編集者の目に止まり、チーム作業によってリライトされたというのです。途中で飽きさせない巧みな構成は、現代の編集技術を駆使した「ベストセラーづくり」の力を借りているのでした。
 それでもなお私は思います。宗教心に厚い一人の父親が、神が在るのになぜ悪があるのか悲しみが絶えないのかを思い悩んだ末に、せめて自分とわが家族だけでも救いたいと、この物語りを発想した事実は変らないでしょう。闇とは光の不在である、悪は神の不在であるいうのが、得られた真理でした。ならば、神のあまねき愛を、どうしたら実感できるかいう話になります。愛し子を救ってくれなかった恨みを、神への感謝に変えるまでに、人はこれほど長い旅をしなければならないというお話です。
 でも、お釈迦さまなら、ひょいと横から救ってくれるかもしれないな、などと私は思ってしまうのですが、古木さん、怒らないでね。
(追記)・古木シスターの公式紹介記事(サレジオ会日本管区ニュースより)はこちら↓
http://salesians.jp/news/14517.html

「ジュゴンよまたここにおいで」の歌詞が書道展に

 昨年の10月2日に当ブログで「辺野古の海に「ジュゴンの詩(うた)」を聞く」の表題で紹介した「ジュゴンよまたここにおいで」の歌が、「花てぼ」こと書道家の太田雪影さんの筆で書道作品となり、上野の東京都美術館で開催中の第63回「朝聞書展」に出品されています。会期は24日、この日曜日までです。展示場所は2階の10番の部屋で、「10」の番号札のすぐ下にあります。会場には無料で入場できます。

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 書では歌詞の一部が省略されていますので、歌詞を再掲しておきます。

  ジュゴンよまたここにおいで
             作詞 石原いっき
             作曲 伊藤辰雄
             歌 清水正美

1 きよき波 きよき浜 よごれなき島 とこしえの沖縄
  生命(いのち)を伝えて 白い天使
     ジュゴンよ ジュゴンよ またおいで ここにおいで
     ジュゴンよ ジュゴンよ この優しい あなたの海へ

2 そよぐ風 そよぐ花 あたたかき島 ゆめあふる沖縄
  微笑(ほほえみ)湛えて  白い人魚
     ジュゴンよ ジュゴンよ またおいで ここにおいで
     ジュゴンよ ジュゴンよ この眩しい あなたの海へ

3 とわに歌 とわに人 けがれなき島 かがやける沖縄
  未来を繋げて 白い母子(ははこ)
     ジュゴンよ ジュゴンよ またおいで ここにおいで
     ジュゴンよ ジュゴンよ この愛しい あなたの海へ

 また、平和だった辺野古の海を背景として歌が流れる「ジュゴンの詩(うた)」のビデオも、以下のユーチューブで見られます。辺野古の海を守る運動の底流として、この歌声が多くの人々の心に届くことを願います。
https://www.youtube.com/watch?v=A3pJuJz969Y


食品と廃棄物とのあいだ

 廃棄物として処理専門会社に引き渡した食品が、横流しされ特価食品として売られていたという事件が拡大している。想定外の事態で取り締まりの態勢も不備だったというのだが、ありそうなことだという感想もある。
 数年前のことだが、大手デパートの取材撮影で、閉店前後の店内の様子を見たことがあった。こちらは閉店後に落ち着いたところで店員さんの働く風景を「やらせ」で撮影する予定だったから、邪魔にならないところで時間待ちをしていた。そこは取材目的に隣接するパンなどの食品売り場の横だった。時間がきて店内に客の姿がなくなったところで、職場の後片付けが始まったのだが、その光景が強烈な印象だった。
 裏から大きな台車つきの金網カゴが引き出されてきて、売れ残ったパンがその中へ素手で掴んでポンポンと投げ入れられて行くのだった。ついさっきまで商品として大事に扱われ、1個100円以上で売られていた菓子パンたちも、両手でぎゅっとまとめて放り込まれていた。味自慢のパンが、産業廃棄物になる瞬間だった。
 パンだから行き先は家畜の飼料か肥料か知らないが、とにかく手間と費用をかけて廃棄しなければならないわけだ。完売しないかぎりは残った食品は捨てなければならない。デパートだから閉店間際の値引き販売などはしないようだ。こういうところで「食べられるのにもったいない」などという理屈は通用しないのだと思った。 
 食品廃棄物は、日本では年間1700万トンも出ているそうだが、世界全体では生産される食料のうち、ほぼ3分の1に当る13億トンが廃棄されているというFAOの衝撃的な報告がある。もちろん廃棄率が高いのは先進国で、貧困国では廃棄される食料は、ごく少ないいうことだ。ここにも大きな格差が存在している。
 食品会社としたら、少しでも疑点のある食品は絶対に販売ルートには出せないという信用の問題があるだろう。消費者の目は厳しくなっている。だが、廃棄物を多く出すのが良心的な商売というのは、ちょっと違う気がする。大手の食品会社は、「廃棄されない食品の作り方」を、経営指標に取り入れるべきではないだろうか。

週40時間働く人は誰も貧困の中で生活することを強いられてはならない

 表題はアメリカの次期大統領選挙に民主党から立候補をめざしているバーニー・サンダース候補のスローガンだそうです。「村野瀬玲奈の秘書課広報室」ブログで紹介されていました。ヒラリー・クリントン候補を相手に善戦しているとのことです。
 この人は「アメリカで社会主義者を名乗っているただ一人の上院議員」とも書かれていました。アメリカの政界は、共和党と民主党に独占されている「強いられた2大政党制」ですが、このような人物が出現して、ある程度の支持を集めている事実に、ブログ主は「アメリカにとっても世界にとっても望ましい」と述べています。
 ひるがえってこのスローガンは、現代の日本にとっても、ぴったりだと私は思います。今回のスキー・ツアーバス事故の原因についても、「労働に対する正当な待遇の不在」が根底にあると指摘している人がいましたが、それは介護業界の「人手不足」にも、シングルマザーの貧困にも共通している問題でしょう。
 労働に対する正当な待遇とは、「週40時間働く人は誰も貧困の中で生活することを強いられてはならない」に集約されています。能力に応じて働いていれば、誰でも不安なく暮らせる社会の実現こそが、政治の最初の目標であるべきです。安倍政権の唱える「一億総活躍」のスローガンが、格差を拡大しその反対の方を向いているように見えるのは、なぜでしょうか。

ブログ連歌(430)

8579 雪遊び 知らぬ子どもに 冬景色 (みどり)
8580  落ちる爆弾 知らぬ子供ら (うたのすけ)
8581 十八の 子らよ見抜けよ まやかしを
8582  強国の腹 白か黒かを (うたのすけ)
8583 アベ五月 サミット終えて 退陣か
8584  木偶は変われど つかい手変わらず (横丁の庶民)
8585 千年を 超え屋久杉は 揺ぎなし (みどり)
8586  人の営み 見下ろして立つ (建世)
8587 年はじめ 遠慮もせずに 株価下げ
8588  止めどもなくて 三週目にも (建世)
8589 こんな程度の雪で騒ぐなら
8590  北海道なら死んじゃうゼ (獣医さん)
8591 雪でこける東京の人見て
8592  ドサンコの子どもたち高笑い (獣医さん)
8593 雪景色 泡沫(うたかた)ならむ 融け果つる (みどり) 
8594  果てては困る 年金財源 (横丁の庶民)
8595 解散は 庶民派は無視で コソコソと (15代目フーシェ)
8596  思い直して スマップ健在 (建世)
8597 年金で 青息吐息の アベ政治
8598  ムサシあれども それまでもたず (横丁の庶民)
8599 消費税 「もう上げないで!」 悲鳴あり (みどり)
8600  株価も哀れ もう下げないで (建世)  

「本質を見抜く『考え方』」を読む

 かわぐち・えいこうさんのところで取り上げられていた「本質を見抜く考え方」(中西輝政・サンマーク出版)を、図書館から借りて読んでみました。えいこうさんは「学ぶものが多かった」とのことで、アベ総理の参考書かもしれないというところも気になりました。私も通読して見て「ふむふむ」と思い当ることの多い本でした。ただし53もの「考え方」を列挙して、解説の短文をつけている単純な構成で、「ことわざ事典」を読んでいるような感覚でした。そこで、紹介されている「考え方」を全部書き出してみます。
 1「自分」とは何か 2「敵」をはっきりさせる 3「宙ぶらりん」に耐えること 4必ず「言葉」にしてみる 5自分なりの「仮説」を立てる 6とにかく一度「結論」を出す 7最初に得た「直感」を思い返す 8むずかしい話を「やさしく」言い直す 9「行動しながら」考える 10「動あれば反動あり」 11「三つのセオリー」を当てはめてみる 12問題を「三つの要素」に分ける 13「答え」より「考え方」の重要性を知る 14「民意」もあやまつ 15自分の頭の「ルーツ」を知る 16どんな情報も「歴史」に還元する 17問題の「外」に出てみる 18「よき異端」をめざす 19おもしろいと「感じる」ほうを選ぶ 20「逆説」を愛する心を持つ 21「迷い」は将来への投資ととらえる 22「粘り」と「潔さ」の両面を持つ 23「択一」より「共存」を意識する 24論理は「保険」と心得る 25「自分に都合のいい論理」を調達しない 26「正しいこと」と「効率のよさ」を混同しない 27「効率」と「精神」のパランスをとる 28効率を「量」でなく「質」でとらえる 29「近代の終わり」を意識する 30国単位でなく「文明単位」て見る 31「どん底」から復活を考える 32世と人とは元来「うまくいかない」もの 33評価でなく「事実」だけを見る 34「本分を貫く」ことで社会貢献を考える 35天下国家も「自分の問題」としてとらえる 36国を知るには、まず「神話」を知ること 37日欧のエリートを「同じ土俵」に置かない 38「政府」と「国民」の違いを知る 39ふと浮かんだ「疑問」を封じ込めない 40誰も疑わない「美しい言葉」こそ疑ってみる 41数字や論理の「正しさ」に惑わされない 42「先に結論ありき」の議論に注意する 43「早く」見つけ「遅く」行動する 44「全員一致」は、まず間違いと心得る 45変化を見るまえに「不変」を見る 46バラバラの「事実と数字」を見つめ直す 47「自分の絵」にして精度を高める 48「目的意識」を明確にする 49チェックには「別の頭」を使う 50危機は、まず「人心」に現れる 51「予兆」を感じるアンテナを磨いておく 52「三十年以上先」は現在の延長で考えない 53「日本人」を明確に意識する
 以上の見出し語を読んで「ふむふむ」と思ったら、この本を読んだ6割以上のご利益があるでしょう。唯一、私の頭にそれ以上残ったのは、「日本文明は、世界の他のどの文明にも属さずに独立している」という考え方でした。その他は、これだけ並べてあれば、気に入る項目は誰にもあるのではないでしょうか。

松戸市民劇団のアトリエ公演「藪の中」を見る

 NPO法人・松戸市民劇団の公演を、八柱にある劇団の稽古場を兼ねる「劇舎」(しばいや)で見てきました。50名足らずの観客で満員になる空間で、密室劇とも言うべき芥川龍之介の「藪の中」を下敷きにした劇を見たのですから、効果満点でした。ここの団員だった長老の「うたのすけ」さんご夫妻も見えて、最前列で楽しんだ「長屋のミニ観劇会」でもありました。
 この演目は11年前に初演されたとのことですが、劇団の理事長で主演と演出も兼ねる石上瑠美子さんの台本によって、1時間の「解けない謎解き」のドラマとなっています。昨年夏に亡くなった団員の追悼公演だそうですが、告知のどこかに「あえて平成の世に送る」というフレーズがあったような気がします。
 原作は、藪の中で殺されて発見された侍をめぐって、7名の証言者が次々に説明するにもかかわらず、真実がどうであったかは最後までわからないという短いものですが、これは黒澤監督の「羅生門」にも使われて、日本映画が国際賞を受賞した最初のケースになりました。以来「藪の中」と言えば、利害が複雑にからみ合う難事件を表現する代名詞のようになりました。
 石上演出では、ナレーターを含めて10名が出演しており、侍の妻の二重人格を二人で演じています。その乗り移りの場面や、巫女の言葉から死んだ本人の証言へ移る場面で、二人の役者の声がプロンプターのようにオーバーラップして行くのが、本心で語っているのか、誰かに言わされているのかわからない深層を表現しているようで、非常に効果的だと思いました。
 「藪の中」では、殺された本人さえも、なぜ殺されたのかを正確に説明することができないのです。それぞれの立場での証言は、その時点ではどれもが本当らしく聞こえ、本人がそう思っていることは疑えません。それでは誰もが納得する「真実」とは、実在するのでしようか。(私としては「真実は厳然として存在する」と言いたいのですが。)そういう深淵をのぞくような思いをするのが、この劇です。
 この公演は、今月の22日(金)夜から24日(日)までに、あと5回上演されます。役者の大半が社会人で、週末でないと出られないからです。チケットは前売りで完売しているとのことですが、このブログを見てどうしても見たいという人が来たら、立ち見でもいいから入れてあげて下さいと、理事長さんに頼んでおきました。

「国民連合」対「市民連合」対「護憲新党」で勝てるのか

 共産党が提唱した「反安倍の国民連合政府構想」は、暗礁に乗り上げたようだ。民主党の共産党に対する警戒感は、簡単には解けないらしい。「世界観が違う」というのだが、世界観が同じなら、そもそも別の政党になっていたわけがない。選挙協力もできないのなら、政権復帰は夢のまた夢だろう。
 一時は期待された市民連合が主役になり、政党は背景に回るという構図も考えられたのだが、こちらも一時ほどの勢いがない。どうしたものかと思っていたら、護憲学者を中心に据えた新党に期待する声が上がってきた。清新なイメージで、かつての「日本新党」のようなブームを起こせるのではないかという期待がある。
 しかし次の選挙は参議院選で、要は一人区で自民・公明の政権与党に勝たなければならない。反安倍の候補者が3人も出てきたら、勝てる選挙区は限りなく少なくなるだろう。あまり時間もないのに、どうするつもりかと心配になってくる。
 政党には選挙のプロがいるはずだから、票読みはできるだろう。所属政党が障害になるのなら、無所属にしてでも支持基盤を広げないと勝負にならないのではないか。「とりあえず自公以外で」と考える人たちに、受け皿を提供できないようでは野党の意味がない。

戦ひにあまたの人の失せしとふ島緑にて海に横たふ

 表題は、今年の「歌会始の儀」で天皇が詠まれた歌である。テレビニュースで朗詠の一部を   聞くことができた。今年の題は「人」だったが、天皇は昨年の慰霊の旅で訪れたパラオのペリリュー島で、沖合に浮かぶアンガウル島に向けて拝礼したときのことを歌にされたということだ。足を運ぶことのできなかった島にも、戦死した多くの日本兵がいた。「祈る人」としての天皇の気持がこの一首に込められた。
 何の技巧もない、見たままの情景が、そのまま歌になっている。それでいて、いろいろなことを考えさせてくれる。和歌の伝統がこのようにして生きているのも、文化の伝承者としての皇室の良質な部分と言えるだろう。
 それにしても、例年のことだが、朗詠者の独特の読み方が印象的だ。切れ目のところで、息の続くかぎり思いっきり長く声を響かせるので、東天紅など長鳴鶏のコンクールを思い出してしまう。これも伝統の中で専門職が伝えてきたものだろう。雅楽の演奏と舞踊もそうだが、伝統が長くなるにつれて、テンポが遅くなってきたという説を聞いたことがある。秒針の時計のない時代に、細部を丁寧に演じるにつれて所要時間が長くなったというのだ。その説にも一理あるような気がする。
 時代は急かされるように悪い方向へ展開して行きそうな年初である。しかしここで浮足立っては地に足のついた抵抗はできない。人間には、営々として築いてきた数千年の文化がある。思い上がった政治家が一代でやれることの高は知れている。朗詠を聞きながら、「安倍政治、何するものぞ」と思った。 

カマッテちゃんを構いに行くアメリカ

(熊さん)ご隠居、今年になってから休みが多いじゃないですか。
(ご隠居)ああそうだね。毎日欠かさずというのが、ちょいと緩んでるな。休んでもあんまり気にしなくなったってのは、あるね。どうしてだかは、自分にもわからん。何を書くか浮かばないときに、無理しなくなったってのが実感だね。
(熊)書きたいことがないわけじゃないんでしょ。
(隠)気になる話題は毎日いっぱいあるよ。むしろ、あり過ぎるぐらいだな。だけど何をどう書くかがまとまらない。そんなときは、お前さんとしゃべるのがいいかもしれないな。どうだい、最近のニュースでは何を覚えてる?
(熊)北朝鮮の核実験に対抗して、アメリカ軍がB52を飛ばしたってのがありましたね。あれはだいぶ古い爆撃機でしょ。あんなのを低空で飛ばして効果があるんですかね。
(隠)もう50年も使っていて、製造も終ってる機種なんだが、わざと姿を見せて威嚇しているつもりだろう。だがな、「できるもんなら撃墜してごらん」と挑発してるようにも見えたな。北朝鮮の空域には入らなかったようだが、早いとこ戦争始めて、国ごと潰してやってもいいんだよと言いに行ったようなもんだ。先日の山本太郎議員の言葉を借りれば、構ってほしい「カマッテちゃん」につきあって、義理堅く構ってあげてるわけだ。
(熊)でも危ないよね。まかりまちがって本当の戦争になったら、どうするんだろ。
(隠)迷惑を受けるのは韓国だよ。軍事的にアメリカが勝つとしても、地上の韓国軍は動員されて犠牲を出すだろうし、戦後の北朝鮮の人たちの暮らしをどうするかが大問題だ。西ドイツが東ドイツを合併したときとは比較にならない大混乱になるだろうさ。韓国だけで引き受けられる問題じゃなくなるよ。日本も無関係じゃいられないね。
(熊)それより何より、戦争になってもいいって考えるのが気に入らないね。大勢人が死んで、町も工場も廃墟になって、近隣の国にはミサイルも飛んでくるかもしれない。日本の原発なんか、狙われたら一発で終りじゃないですか。戦争のできない国だってことは、最初からわかってるのに。
(隠)日本に住んでいたらそれがわかる。だけどアメリカの中枢にいる連中には関係ないんだ。世界の国はみんな自分の持ち駒だと思ってるから、こことこことを戦わせればアメリカの利益になる、なんてことばかり考えてる。日本もその中の使いやすい持ち駒の一つなんだから、それを知ってないと、とんでもないことになるよ。

ブログ連歌(429)

8559 見て見て オバマさん
8560  ほら僕だって 出来たよ (獣医さん)
8561 世界に干され 元の木阿弥
8562  唯々哀れな 拉致被害者家族 (獣医さん)
8563 アベさんの 後押しをする 核実験
8564  あまり騒ぐな 無視むしムシで (うたのすけ)
8565 見苦しい 慌てふためき 駆け足とは
8566  大丈夫かよ 防衛大臣 (うたのすけ)
8567 局地戦 こんな近場で  始まれば
8568  どこも前線 後方はなし (横丁の一庶民)
8569 世襲制 厭うも似たり 自民党 (みどり) 
8570  親七光り 子は黒光り (建世)
8571 山本の 太郎に頼む 安倍退治
8572  犬、猿、雉の 家来が欲しい (建世)
8573 底値なり 野菜でき過ぎ 温暖化 (みどり)
8574  熱エネ使って 原発駆逐 (里の真清水)
8575 稀勢の里 嗚呼!稀勢の里 稀勢の里
8576  もう期待せず とは言うものの (うたのすけ)
8577 国産の 横綱絶えて 久しくも
8578  土俵に活気 満員の春 (建世) 
8579 雪遊び 知らぬ子どもに 冬景色 (みどり)
8580  落ちる爆弾 知らぬ子供ら (うたのすけ)

次の選挙は改憲阻止の3分の1確保さえ難しい厳しさ

 この夏の参議院選挙にかける期待は大きいのだが、本当は「改憲阻止の3分の1確保さえ難しい」という現実は、まだよく知られていないように思われる。ついに安倍首相が「参議院でも改憲に必要な3分の2」を確保したいと言いはじめた。本音が出てきたわけだが、この発言には数字の裏付けがある。
 6年前の参議院選挙を思い出してほしい。それは2010年夏のことだった。鳩山内閣は倒れたが次は菅内閣で、民主党は巨大な政権党だった。順当なら民主党の優勢は安泰と思われていたのだが、菅直人の不用意な消費税増税発言で一挙に流れが変ってしまった。しかし党の支持率はまだ自民党より上だったし、政権交代の余勢は残っていた。だから思わぬ敗退とは言っても今から見れば善戦しているので、東京地方区では蓮舫と小川敏夫の2名を当選させている。
 それから6年たった。参議院には民主党議員が59名いるが、そのうちの42名が改選になり、非改選は17名しかいないのだ。これが大きい。面倒な計算は省略して結論を言うと、自公与党は、取りこぼしさえしなければ3分の2に手が届くし、その他の改憲賛成派を加えれば余裕で改憲に手をつけられる勢力になる。その事実は直視しなければならない。
 野党が協力すればとか、反安倍の新しい政治勢力が出来ればとか、根のない希望的観測で議論している間にも投票日は迫ってくる。ここは、どうしたら改憲阻止に必要な3分の1を確保できるかを、真剣に考えるべきだろう。今から選挙制度を変える方法はないのだから、護憲の当選者を一人でも多く確保することに集中しなければならない。
 次の選挙から満18歳以上の高校生も投票できるそうだから、よく考えて投票してほしい。次の戦争で銃を持たされ、殺し殺される戦場に行かされるのは、間違いなく君たちの世代になる。そういうことも考えてほしい。間違っても自民党・公明党には投票しないようにと私は願っている。
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プロフィール
志村 建世
著者
1933年東京生れ
履歴:
学習院大学英文科卒、元NHKテレビディレクター、野ばら社編集長
現在:
窓際の会社役員、作詞家、映像作家、エッセイスト

過去の記事は、カテゴリー別、月別の各アーカイブか、上方にある記事検索からご覧ください。2005年11月から始まっています。なお、フェイスブック、ツイッターにも実名で参加しています。
e-mail:
shimura(アットマーク)cream.plala.or.jp
著作などの紹介
昭和からの遺言 少国民たちの戦争 あなたの孫が幸せであるために おじいちゃんの書き置き
「少国民たちの戦争」は日本図書館協会選定図書に選ばれました。
詳細はこちらをご覧ください
→著作などの紹介と販売について
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