(熊さん)日曜日だけど、昼の「のど自慢」も吹っ飛んで、ニュースばっかりですよ。
(ご隠居)安倍さんはトランプ別荘でゴルフと食事会だとか、すごく調子いいようだったが、北朝鮮が祝砲みたいなタイミングでミサイルを打ち上げよった。大陸間弾道弾なみの高い軌道へ上げて、大気圏再突入の実験を兼ねたみたいだな。国連の安保理は禁止してるんだが、言うことを聞く気はないらしい。
(熊)さっそく安倍さんは全くの違反で容認できないと言い、トランプさんも同調しましたね。
(隠)なにしろ「日米同盟の維持・強化」で合意したばかりだからね。それに反発した反応ともとれるが、逆に「だから備えが必要だ」ってんで、日米同盟を強化する作用もするんだよ。だから「水面下で北朝鮮に頼んで、やって貰ってる」って説が、昔からあるくらいだ。私にも本当のことはわからん。
(熊)へーっ、複雑怪奇だね、国際関係ってのは。狐と狸の化かし合いみたいだ。
(隠)それだけに首脳同士というのは、人間関係の親しさを強調することがあるんだよ。裸でいっしょにシャワーを浴びたとか、「ロン」「ヤス」と呼び合ったとか、日米間ではいろんな伝説が出来ている。だけどね、首脳同士が親密さを強調した時期というのは、日本がアメリカのペースに乗せられて従属関係を深めた時期と重なると言っている人が多いんだ。つまり、トップ同士が裸のつきあいで話し合うというのは、アメリカ的なアプローチなんだよ。日本の戦国時代に、大名同士がいっしょに風呂に入って同盟を深めたなんて話はないだろう。それよりも娘を相手の家に嫁入りさせる、人質をとるといった、家族関係からの縛りを重視したわけだ。
(熊)なるほどね。裸のつきあいというと、日本では家族同然ということで警戒心がゼロになってしまうけど、アメリカ流では、個人的なつきあいが交渉術の一つになってるわけだね。トップを説得して同意させておけば、あとの交渉が楽になるのは当り前だからね。
(隠)そうなんだ。それでこの週末の安倍さんの動静を見ていたら、あまりにも無邪気に喜んでいるようで不安だったな。トランプの立場は、イスラム諸国からの入国禁止大統領令などで、世界的には決して安定していないんだ。その中でトランプとの親密さをアピールして見せれば、日本はあの同類だという評価は決まってしまう。首脳会談では日本に対する厳しい要求が出なかったから、国益を守った気でいるかもしれないが、実務の交渉はこれから始まるんだよ。トップが日米の親密さを強調したんだから、ここれくらいはいいでしょうとアメリカから要求されたときに、本当に対等な交渉ができるかは疑問だな。まして日本の国際的な立場は、アメリカの子分という以外には、向上することはないだろうね。
(熊)アメリカの大統領とゴルフを2回やって、いっしょの食事を4回して、明日はお帰りですかね。
(隠)これでいい仕事ができたと、「やってる感」に満たされて帰ってくるんじゃないのかな。