「世界が日本を認める日〜もうアメリカの「属国」でいる必要はない」(カレル・ヴァン・ウォルフレン…PHP発行・単行本)を読んだ。2005年の発行で、新刊ではないのだが、今の日本にぴったりの本のように思った。著者は親日というか「日本国応援団長」のようなオランダのジャーナリストである。じつは「読谷の風」さんもこの著者に興味を持ち、同じ順番に読んだと聞いて図書館から借りてきた。
 本来の発行の趣旨は、日本における政権交代を促す意図があったと思う。その成果として鳩山由紀夫政権を成立させた民主党への政権交代があったわけだが、この一回だけでは成功しなかった。しかしまた一回りして、いよいよ何とかしないといけない現状になった中で読んでみたら、新鮮に読めるのである。内容はどんなものかというと、目次がよく出来ているので、それに沿って説明してみる。
第1章 日本と日本人が世界から認められるために
第2章 なりそこないの帝国の「属国」でいいのか(私の解説・以下同じ…なりそこないの帝国とは、もちろんアメリカのことである。「善意の帝国」などは信じ難い)
第3章 イラク〜破壊された世界秩序の象徴(アメリカが関与すると、必ず事態は悪くなる)
第4章 とてつもなく変化した世界と時代遅れの日本(「現状維持思考」が変化を阻む)
第5章 日本の外務省〜その奇異なる存在(何ごとも現状のまま)
第6章 日本のナショナリズム〜「愛国心」と似て非なるもの(過去の未消化が愛国心を阻害)
第7章 手ごわい隣国〜歴史の新しい段階に入った東北アジア(日本の対応遅れでチャンスを逃しそう)
第8章 EU〜日本の権力者が発見していない巨大勢力(著者はユーラシア大陸を東西に結ぶEUと日本との連携を重視している。現状はアメリカと癒着し過ぎている)
第9章 世界は日本を待っている〜ユーラシアの挑戦(著者はアメリカの未来に期待していない。世界の諸国家が平和共存するためには、ユーラシア大陸からまとまって行くのがいい。まず国連を守ることから始めようとして結論にしている)
 折から「ゆるぎない日米同盟」を手みやげにして、安倍首相は得意満面でアメリカから帰ってきた。それと同時に北朝鮮は派手にミサイルを打ち上げてみせた。政府は早速「ミサイル防衛」を強化すると発表している。この方向の行き先には、軍事優先の「アメリカの平和」しか見えない。
 世界の平和共存は、日本の憲法9条の先にしか見えてこないだろう。その意味でなら、日本は世界の中心へ出て行くことができる。しかしそのためには日米同盟は「ゆるぎない縛り」になってしまうのだ。アメリカに認められる日本になりたいのか、世界に認められる日本になりたいのか、どちらが子孫のために安心かという問題になる。