(熊さん)北朝鮮とアメリカの関係が物騒になってきたようじゃないですか。
(ご隠居)きょうの新聞の見出しを見てると、そんな感じだな。アメリカのペンス副大統領が日本に来てるんだが、「平和は力によってのみ達成される」と言ったそうだ。「戦略的忍耐の時代は終わった」とも言っている。その見解を引き出した安倍首相の冒頭の発言は「対話のための対話になっては意味がない、圧力をかけることも必要」という、トランプ路線への賛同だったと新聞には書いてある。
(熊)きのうの夕刊だと、北朝鮮は国連での会見で「米国が望むどんな形態での戦闘にも応戦する準備ができている」って言ったそうですよ。それって「こっちにも核兵器があるぞ」ってことでしょ。アメリカの原子力空母が、朝鮮へ向けて来てるってことでしたよね。
(隠)ああ、あの空母なら、インドネシアからインド洋へ行くようだと、きょうの新聞には出てたよ。アメリカが北朝鮮を気にしてることは確かだが、まともに相手にするほどの大きさでないことは知ってるさ。なんせ国力では400倍もの差があるんだよ。だから核やミサイルの開発をやめさえすれば放っておいていいんだ。「対話のための対話では意味がない」ではなくて、むしろ対話を充実させて、核がなくても小国がつぶされない安心感を与えてやるのが本筋だと思うがね。
(熊)アメリカのやり方って、ちょっとせっかちなとこがないですか。
(隠)そうなんだよ、アメリカの基準が世界に通用すべきだと思い込んでるところがある。そこで北朝鮮に対しても「レッドラインは明示しないが、すべての選択肢がある」と言い始めた。ぶっちゃけて言えば、北朝鮮に、いつ武力行使するかはアメリカの基準で勝手に決めるというわけだ。トランプ的な発想になったんだね。朝鮮半島で紛争が起きれば、韓国が無事ではいられない。日本がアメリカの尻馬に乗って、北朝鮮の危機なんて言いふらすのは迷惑だと、韓国からは安倍首相への抗議が来ているらしいよ。
(熊)韓国も次の大統領が決まらないで不安定な時期だしね。
(隠)そこへ付け込むように北朝鮮の問題を騒いで見せるのは、別な下心がありそうに思えるんだ。国際的な緊張が高まると、政権への支持率は高まる傾向があるんだよ。国が大変なときに、国内の政治を混乱させたらまずいという心理が働くんだね。安倍政権には、国民のいろんな不満がたまってきているが、それが一時的には抑えられるんだよ。森友問題以来、未解決の不祥事はあるし大臣の失言はあるし、ふつうなら政権への信頼が揺らぐところだ。その対策に海外の緊張を持ち出すとしたら、これは罪が深いな。
(熊)そうか、そういう手もあるんだね。 
(隠)感心してる場合じゃないよ。国会では「共謀罪」を「テロ等準備罪」に変えて審議を始めてる。これも通してはいけない法律だから、目を離しちゃだめだよ。