北朝鮮の機関紙「労働新聞」は、「北朝鮮が超強力な先制攻撃を行った場合、韓国とその周辺地域にある米国の帝国主義的な侵略勢力だけでなく、米本土も即座に全部消滅して灰と化す」と伝えた(ソウル20日・ロイター)ということだ。恫喝されたら、それを上回る脅迫で応じたわけだ。勇ましいのはいいが、じつに危険な賭けだと思う。トランプなら、「本当に危ないと思ったので、安全のために片付けた」と言って、「斬首作戦」を発動しかねない。統治下にある2千5百万人の国民の命を、何だと思っているのだろう。
 ティラーソン米国務長官は19日、北朝鮮の核問題を巡り、同国に圧力をかけるため、「テロ支援国家」への再指定などあらゆる選択肢を検討していることを明らかにしたとのことだ。大国のエゴで他国に指図するのも差別的ではあるが、一国の指導者の発言には、言っていいことと悪いことがある。怒りに任せたような悪態では、孤立を深めるだけだろう。
 アメリカは不愉快だろうが、ここはまともに取り合わず、大人の対応を取って欲しいと思う。独裁を極めた政権が、統制を失って破綻した例は、歴史の上に腐るほどあるのだ。外部から介入して倒すよりも、内部から破綻した方が回復が早いだろう。そして何よりも、国際社会の負担は少なくて済む。距離をとって見守るのがいい。