(ご隠居)そうさな、中止だとか言って牽制してみたり、アメリカはだいぶ気にしてるみたいだ。アメリカとしたら、小さな貧乏国の北朝鮮を相手に、大統領が会談に出て行くなんてのは不本意なことだろうよ。本当に使い物になったかどうかわからなくても、核もミサイルも完成したと言われたら、無視するわけには行かないんだ。
(熊)北朝鮮も苦労したろうけど、やっぱり作戦勝ちですかね。国連決議も無視して開発を続けたおかげで、アメリカにものが言えるようになったってことですよね。
(隠)そこは難しいところだな。話し合いが成り立って互いに不安感が消えてさえいたら、そもそも核を持つ必要もなかったわけだよ。でも今それを言ってもしょうがない。6月12日にシンガポールで首脳会談という予定は消えていなくて、そこへ向けて調整中というから、まずそれを実現することだね。国の最高責任者同士が、義理であろうと握手を交わして話し合うというのは、それだけでも充分に意味があるんだ。相手が危険な怪物じゃなくて、話の通じる人間同士だってことが実感できるからね。
(熊)核さえなかったら、北朝鮮は本当の小国ですよね。
(隠)それはそうだ、まるで相手にならない。アメリカは、どんと構えて無視していたっていいくらいだ。ちなみに、世界の軍備ランキングってのを見たんだが、日本は7位で韓国が11位、北朝鮮は23位(Global Firepower:2017年による)になってたよ。10位までは、アメリカ、ロシア、中国、インド、フランス、イギリス、日本、トルコ、ドイツ、イタリアの順になってる。日本はいつの間にか、意外に軍事大国になってるんだね。