私の人類百世紀論の基礎になっている世界連邦の建設について、そろそろ説明を始めたいと思います。世界連邦の構想は、じつは国連の結成とほぼ同じ時期に始まっているのです。その理論的な基盤を提供したのは、1945年にアメリカのエメリー・リーブスが出版した「平和の解剖」でした。その骨子は「部族であれ民族であれ、人間集団が無制限の主権を行使するときは常に戦争が発生する。ゆえに戦争をなくす方法は、分裂している人間集団を、より高次の主権のもとに統合することである。」というものでした。世界各国の主権を制限しない限り、世界の平和は実現しないということです。
 1947年に結成された世界連邦運動WFMに応じて、日本でも同年のうちに「世界連邦運動協会」が結成され、この運動は今も継続しています。現在も100名程度の国会議員が超党派で加盟している筈です。しかし残念ながらいまだに現実味のある運動にはなっていません。国連の改革論議の中でも、世界連邦の名が登場しないのです。それは、国連がそもそも「諸国の調和」のための組織であって、世界連邦とは本質的に違う組織として出発したからです。しかし、国連の限界が見えてきた今、国連を世界連邦に衣替えさせるチャンスはあると私は思います。そしてその時期は、アメリカが超大国でいられる今世紀前半のうちに、アメリカをその気にさせれば可能だというのが私の判断です。以下、順に世界連邦建設までのシナリオを説明して行きます。