今の国連に対して、アメリカは強い不信感を持っています。その底には、国連の意思決定の方法に対する不満があります。最高決議機関である総会は、1国1票で、人口一万人にも満たない島国とアメリカとが、同じ1票しか行使できません。個人の基本的人権が平等というのなら、まだ話がわかりますが、それを国にまで適用するのは、明らかに虚構の論理です。また、大事なことを決める安全保障理事会では、逆に5大国の悪名高い拒否権があって、これも始末の悪い作用をしています。
 一方、組織的には、国連が調整機関であって行政権を持たないために、独立した各種の機関、安保理、ユネスコ、IMF、WTO、ILOなどが勝手に活動し、それらすべてを調整する過重な仕事を事務総長一人に負わせるという、非常にイビツな組織になっています。全体を見て方針を決める、どこの政府にもいる筈の、大統領も首相もいないのです。
 ですからこの先、効果的な活動を求めるなら、どこの政府にもある立法府、行政府、司法府を備えた組織、つまり世界連邦に組織変えするのが最善の道なのです。問題はそれを、アメリカが納得し、自ら「その気」になるような道筋に乗せて推進することなのです。