世界連邦がどのような形で成り立つにしても、そこでの難問は、意思決定のルールをどのように決めるかということです。各国が大小にかかわらず平等というのは、一種の虚構だと前に述べました。それでは人口に比例させれば平等になるのかというと、これにも問題があります。人口大国の中国やインドが巨大な発言権を持つことになりますから、アメリカを始めとする先進国が納得しそうもありません。それでは各国のGDPに応じて世界連邦政府へ納める分担金を決め、発言権もその金額に比例するようにしたら、先進国は納得しそうですが、中小国からは、金持ち優先だと苦情が出そうです。
 そこで、常識的ですが、基本的権利と、人口の多さと、GDPの大きさと、この3者を調和させる方法を考えてみましょう。試みに世界連邦議会の定数を500名とします。まず加盟国190に各1名を割り振ります。残る310名を2分して各155名とし、一方は人口に比例させて配分し、あとはGDPに比例させて配分すると、アメリカは53名、中国は42名、日本は24名の議員を送ることができます。この構成ならば先進国も人口大国も中小国も、なんとか妥協できるのではないでしょうか。