いま「金融権力」という本(本山美彦・岩波新書)を読み始めているところです。アメリカのグローバリズムは、「ワシントン・コンセンサス」と呼ばれる政・産複合体によって方向づけられていること、その中枢にある政治と産業資本との癒着は、日本の天下りなど足元にも及ばないほど深いものであることが解き明かされていました。財界の大物が堂々と行政の幹部に就任するのですから、たしかに国政と資本の論理は一体化する道理です。目からうろこでした。
 サブプライムローン問題も、何となくわかったような解説だけを聞いてきましたが、資本の成長だけが目的化した弊害が表面化したという本質が納得できました。全体を読み終ってからまた紹介しますが、資本主義が一種の袋小路に入り込みつつあるのは事実だと思います。
 たまたま一昨日の「クローズアップ現代」だったでしょうか、テレビで「国際連帯税」という言葉を初めて聞きました。為替取引に対して0.05%の国際連帯税を課税して、太陽光発電など温暖化防止対策の財源にするという趣旨でした。古くから提案されている「トービン税」に似ていますが、税率は5倍です。ネットで検索すると、日本でも「国際連帯税を推進する議員連盟」が、すでに超党派で発足しているのがわかりました。フランスでは、すでに航空券への課税という形で部分的に実行されているそうです。
 為替取引での2000分の1の税率は、通常の貿易にとっては大きな障害にならないでしょうが、投機目的で短期に繰り返される取引に対しては、抑制の効果を発揮するでしょう。一石二鳥の妙案と言えます。今年のサミットで、ぜひ日本が主導して世界に提案し、実現してほしいものです。
 それと、今朝の朝日新聞では、アフリカにおける「社会起業」の成功事例が紹介されていました。先日紹介した「グラミンフォンという奇跡」もそうですが、ただ与えるだけでない、貧困からの脱出を助ける起業活動が盛んになれば、資本主義は、かなりの罪滅ぼしができる筈です。産業活動が円滑に進むのを助けるのが「金融」の本来の役割であったという、原点に返っての反省が出始めているように見えます。うまく行くと、私たちは、資本主義の好ましい変身を見られるのかもしれません。