昨日は、花てぼさんの書が出ている第60回毎日書道展を見に行ってきました。会場は六本木の国立新美術館なので、美術館の建物と、付近の防衛庁跡地にできた東京ミッドタウンも見てみたいと思いました。折りよく会場で花てぼさんにお会いして、解説していただきながら場内を見ることができました。花てぼさんの展示作品は、遊工房さんのブログに写真が出ています。ちなみに「読めない」のクイズの正解は「劇」です。「私が見ても読めない字はあります」ということですから、遊工房さんも安心してください。
 毎日書道会は書道界の一大勢力のようで、1階から3階までの展示室を埋め尽くしている盛況に驚きました。展示作品数は2万点を上回るとのことです。部門も漢字、かな、篆刻、大字、前衛まで9部門もあって、前衛には「可読性を超えた非文字性の作品」と注釈があるのですから、文字は昔は絵であった、ということまで思い出してしまいます。日常に使う文字の書き方が芸術となり、文字の意味内容とともに独特の訴求力を持つというのは、漢字・かな文化圏ならではの産物でしょう。世界的に興味を持たれて盛んになっているというのも、理由のあることと思いました。
 その伝統ある書道展の会場が、ガラスの城郭のような国立新美術館なのですから、奇妙といえば奇妙な対照です。近代絵画の展示が似合いそうな場所ですが、そこで書道展というのも、一つの現代的な風景なのかもしれません。
 帰りがけに散歩してみた東京ミッドタウンは、国立新美術館とは対照的に縦長の建築群でしたが、ガラスを壁面に多用しているところは共通していました。これで直下型の大地震にでも襲われたらどうなるのか、ガラス片の雨が降り注いだりしないように対策は考えているのでしょうが、安心して住める町という印象ではありませんでした。それでも夏休みに入った家族連れや若いカップルなどが明るい表情で歩いています。
 地下道に入ると、天井がガラス張りで、その上を水が薄く流れています。さわやかな夏の風景ですが、地下から見上げるビルは水にゆらめき、少しゆがんで見えました。50年後にも、この風景は明るく美しいと思われているでしょうか。