今日の表題は、今夜10時からNHK総合で放送される実録ドラマのタイトルです。緊急のお知らせですから、今日の記事は、これだけにしておきます。
 扱われているのは、6年前の狂牛病騒ぎのときに、牛肉の買取処分制度を悪用して安い輸入牛を国産と偽装し、国の補償金を詐取した雪印食品を、冷凍倉庫会社の社長が告発した事件です。私は、ほんの数日前にこの事件の記録「正義は我にあり 西宮冷蔵・水谷洋一の闘い」(ロシナンテ社編著・アットワークス発行)をネット注文で取り寄せて読んだばかりです。書評として紹介しようと思っていたのですが、今朝のテレビの予告を見て、偶然の一致に驚きました。
 事の次第は、告発の功労者であるべき小企業が、業界と官庁の集中攻撃にさらされて営業停止処分を受け、廃業に追い込まれようとした、ということです。「ヤバイことになる」と親会社に何度も忠告しても無視され、止むなく警察に通報した冷凍倉庫の社長は、不正な伝票を作成したという形式的な法令違反を問われて処分されました。「雪印の社員に囲まれて、指示通りに書かされた」という弁明も、「伝票を書く前に知らせるべきだった」として受け入れられなかったそうです。
 それとともに、取引先は次々に契約を打ち切って、西宮冷蔵を苦境に陥れました。告発するような危険な業者は排除したいという業界団体の圧力と、そこに天下りを送り込んでいる官庁の意向が反映している疑いを、濃厚に感じさせる成り行きです。結果として会社は電気代を払えなくなって営業を停止し、全社員を解雇せざるをえなくなりました。
 ここから水谷社長の「たったひとりの闘い」が始まります。街頭にのぼり旗を立てて座り込み、「まけへんで!」と訴えつづけました。ついに「西宮冷蔵を再建する会」が結成されて応援カンパが始まり、会社は2004年から営業を再開したということです。昨年には「ハダカの城」という映画も制作されて、上映活動が行われています。
 くわしい内容は、私も今夜のテレビに期待しているところですが、現代日本を象徴するような「巨悪」に対しても、戦って勝てる場合があること。そのためには「勇気をもって立ち上がる最初の一人」と、そこにつながる人々の輪が必要であることを教えてくれるようです。