春分に近いこの2ヶ月ほどは、太陽の変化が速くなる。秋分も同じことだが、回転している円盤上の一点を横から見ているのと同じことで、真横を通過するときは急ぎ足なのだ。日足は目に見えて長くなってきている。
 冬は昼が短く、夏は長くなる。当り前のことで日本中が一様にそうなると思っていたのだが、日本列島の位置によって違いがあることを、この冬にNHK天気予報の南さんに教えてもらった。というのは、主要都市の中で、東京の夜明けが日本で一番早いという日があったのだ。そのとき人工衛星から見た日本列島の夜明けの写真が示されていた。
 つまりこういうことだ。地球儀でも世界地図でもいいが北を上にして見たとき、冬の朝日は右下の方向から日本列島を照らしてくる。だから弓なりに太平洋に張り出す本州の中ほどにある東京に、最初の朝日が当ることになるのだ。そして冬の日暮れは右上から、つまり北海道の知床から沖縄の方向へと、日本列島を縦に時間をかけながら覆ってくる。冬の日本列島は、ほぼ同時に夜明けを迎えて、日暮れは北海道から始まって、沖縄が最後ということになる。
 この理屈がわかったら、思い当ることがいろいろあった。去年の夏に中標津の「そりゃないよ獣医さん」を訪ねたとき、「こっちの朝は早いですよ」と言われて、その通りだった。夏の夜明けは、太陽が地図の右上から照らすから、知床から始まって沖縄へ向けて日本列島を縦に進んで行く。その代わりに夏の日暮れは、日本全国にほぼ同時に訪れるというわけだ。
 これを総合すると、北国では、冬日の短さは日暮れの早さで強調され、夏日の長さは夜明けの早さで強調されることになる。南国はどうかというと、冬の日暮れはあまり早くなく、夏の夜明けもあまり早くなくて、季節による日照時間の差は比較的に小さくなる。赤道に近い分だけ夏と冬の差が少なくなるからだ。
 細長い日本列島は、狭いようでも変化に富んでいる。ただ南北に長いだけでなく、東西にも斜めに長く伸びているので複雑になっているわけだ。これからようやく春になるが、寒がりやの私としては、どうでもいいから早く暖かくなってほしいと思っている。