(熊さん)ご隠居、見ましたか。辺野古の海でブイの設置というのが始まったようですよ。
(ご隠居)ああ見たよ。海に黄色い浮標というのを浮かべて、その間をロープでつないだ赤いフロートを並べて仕切りを作ってるんだな。抗議する人たちがカヌーで近づくのを、海上保安庁の動力ゴムボートがトラメガで警告しながら規制してる動画がネットに出てるよ。海の中に塀を立てる代わりに、フロートで仕切って「立ち入り禁止」にしようってわけだ。
(熊)ボートでも泳いでも、中に入ったら捕まるんですかね。
(隠)基地の塀と同じように、警告を無視して入ったら「米軍基地に侵入した」ことになって、日本の警察が取り締まることになるようだよ。以前に測量と試掘をしようとしたときは、反対運動の船に囲まれて作業ができなくなり、作業台を撤去した経験があるそうだ。だから今回は米軍基地を海の中にまで拡張して、邪魔されないようにしようって算段だろう。ガザの分離壁と同じだよ。気に入らない連中は隔離すればいいという発想だな。相手を人間だと思わない。没交渉になりたいってことだ。
(熊)地元の人の気持ちとか、自然保護への心配なんかも、聞く耳はないってことですか。
(隠)中央の政府が決めたことだから、地元には力づくで押し付けてかまわないという態度だな。成田空港のときと同じだよ。以前のブログでこういうのを「苛政」と書いたが、歴史をさかのぼれば、沖縄の県民は戦時中に「本土の捨石にする」という苛政のおかげで、軍人の数を上回る民間人を犠牲にさせられてしまったんだ。その記憶も癒えない沖縄で、またこういうことが起きるんだから無関心ではいられない。本土からも新宿西口からも、大勢の人が応援に行ってるよ。
(熊)でも、仕切りができちまったら、反対運動もやりにくいでしょう。
(隠)さあね。金にも動かされないで、平和と自然を守る運動を、ずっと続けてきた人たちの意志の力を見くびったら間違うよ。海面にブイやフロートが並んだって、その下をくぐるのは、分離壁の下を掘るよりは簡単だろうさ。非暴力の抵抗運動には、いろんなやり方があるんだよ。5人10人で基地に入ったら捕まって終わりだが、「千人万人で入ったら、基地の方が出て行くさー」と、歴戦のおばあが語ったと聞いたことがあるよ。民意は強いんだ。秋には沖縄県知事選挙もあるしね。
(熊)今さら基地の新設なんておかしいと、おいらも思いますよ。
(隠)そうだよ。アメリカの海兵隊は日本の安全にも平和にも役に立ちはしない。普天間から出て行かせるだけでいいんだ。