今年も叶静游(和田静夫)さんからの暑中見舞いが届きました。「警鐘を高らかに」と題した四部作で、たくさんの五行歌が綴られています。叶静游さんは1926年生まれの88歳で、元は社会党の参・衆議員でした。作品のいくつかをご紹介します。

5・15
昔も今も
日本国の
進路誤る
危険な日
(注…5・15事件は、1932年に海軍将校が総理大臣犬養毅を襲って射殺した。「話せばわかる」「問答無用」が最後の会話だった。)

強制された
教育勅語と
軍人勅諭から
解放されて70年
また重苦しい足音が響く

情緒的に
危機感を煽り
集団的自衛権を説く
卑劣な手法に終始する
安倍首相

核兵器をなくし
平和を守ろうと
広島、長崎が
懸命に訴える
首相は答えない

戦争のできる国は
若者の命を奪い
人生を狂わせる
対話を避け
首相が驀進する

選挙を利用して
独裁政権の道をひらく
ナチスドイツの歩みと
どこが違うのか
危険極まりない

植民地支配の
傲慢(ごうまん)な
心の荒(すさ)みが
性奴隷に及ぶ
人道に対する罪を犯した

戦争の醜さ恐ろしさを
身をもって経験している
私は
平和こそ宝と
必死に訴える

壕の前で日本兵に遮(さえぎ)られ
命を奪われた
沖縄のひとびと
いま又防衛局員に阻(はば)まれ
命の危険に晒(さら)される

「遺言状を読みました」と
若い友からの戯れ口
『警鐘を高らかに』を
職場の同僚に配ると言う
平和の伝道師