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 一日遅れで気が引けるが、きのうの東京新聞のエイプリル・フール紙面が面白かった。見開き2ページを挙げて「こちら特報部」が編集しており、広告までがパロディーになっている。東京新聞の例年の名物だそうだが、それを知らなかった私は、左上のコラムに「米国大統領が昨晩、ツイッターで発したとみられた辞任表明は……」と書いてあるところだけ読んで、そんなこともあるのかと思っただけで、あとは見過ごしていた。日ごろから私が、いかにいい加減に新聞を見ているかを露呈する結果になった。じつは昨日のうちは私は気づかぬままに終り、きょうになって回し読みしている娘の家族が話題にしたので、改めて読み直したという顛末になった。
 見開きの右ページのトップは、警察庁は未解決の難事件の捜査に、民間の「名探偵」を公募して力を借りることになったというものだ。その次はAI(人工頭脳)導入で国家戦略特区に指定された町のルポで、AI町議が大活躍した結果として、カジノと投資ファンドが町の主要産業になってしまった。その記事は左ページまで続き、「歳入ファースト」が徹底して町議会がゆがめられ、AI独裁の恐怖政治が支配するに至ったとしている。すべては「歳入を最優先」に設定したことから始まったという、識者の批判的な評論で結論にしている。
 左端に出ていた「奈良時代の木簡からツイッターの起源らしいものが発見された」という記事は楽しめた。エイプリルフールは、このように小粒ながら意表を突くものが好ましいように思われる。かつてはロンドンタイムズが、「ビッグベンの時計塔がデジタル表示になるので、不用になる時計の針がオークションに出る」というのを出したそうだ。米ソ冷戦の激しかった時期には、ジャパンタイムズが「ソ連の爆撃機がアラスカの米軍基地に非公式の親善飛行に来て、基地の米兵と交歓した」という小さな記事を載せたことがある。
 たかが嘘だが、嘘でも言ってみたいことはある。さしあたりは原発廃止、日米安保終了、安倍内閣退陣、日本国憲法にノーベル賞、といったところだろうか。