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 今朝の東京新聞は、2日に行われた福田康夫・元首相へのインタビュー記事をトップに持って来た。「国家の破滅に近づいている」という派手な見出しをつけている。同じ紙面では、明日3日に予定されている安倍内閣の改造人事を報じている。支持率の低下に悩む安倍内閣としては、改造を契機として人気の回復をはかりたいところだろう。マスコミの扱いなどを見ていると、総じて改造人事を話題にすることで、政権党に好意的な雰囲気を作っているように見える。
 そんな中での元首相の警告が異彩を放つのだが、発言の詳細を伝える記事はなく、第1面に掲載されたものがすべてだった。だがその中に「内閣人事局」についての発言がある。2014年に安倍内閣の下で発足したのだが、中央省庁の人事について、政権が「政治任用」を推進する制度である。つまり、時の政権が官僚に対する支配権を強化する仕組みで、政権の行政支配が徹底するのが長所だが、逆に言えば、政・官が癒着した独裁政治に陥る危険をはらんでいる。 この状態を福田氏は「自民党がつぶれる時は、役所も一緒につぶれる。自殺行為だ」と述べているのだ。
 さらに首相の政権運営については「競争相手がいなかっただけで、非常に恵まれている」とした上で、「そういう時に役人まで動員して政権維持に当らせてはいけない」とくぎを刺した」と続けている。これらの論旨をまとめると、今の日本の危機は、「安倍独裁」が完成形に近づきつつあるところから来ているのがわかる。それは日本の民主主義そのものが、存亡の危険にさらされていることを意味する。
 だからここで、内閣改造で支持率に多少の変動がある程度のことを論じても意味がないのだ。野党を連携させて「健全な野党」を作ろうなどと工作しても間に合うものではない。民主的だった筈の選挙制度の下でも、日本に独裁政権に近いものが出来上がってしまった事実を直視しなければならないのだ。だが、話はまだ終りではない。「自由な1票」は、すべての国民の手の中にあるのだから、有権者には、まだ巻き返しのチャンスがあることをも教えている。