誰の発言だったか、ネットで見かけた論説に、「解散権は政権党の武器ではあるが、常に政権交代の可能性を秘めている解散総選挙は、野党の武器でもある。野党は常に、総選挙を求めているのが常態なのだ」というものがあった。言われてみればその通りで、野党は仕切り直しの総選挙をしないことには、政権党に変身する機会は得られないのだ。だから今は、「大義なき選挙だ」「悪事隠しの工作だ」などと非難していても始まらない。与えられた機会を使って、少しでも与党の獲得議席を減らし、野党の議席数を伸ばすように努力するしかない。
 その場合、小選挙区では1対1の対決型に持ち込まなければ勝算は立たない。自公は自民か公明か、調整した一人を立ててくるのが分かっている。そこへ野党が分裂して票を分散したのでは勝てるわけがない。はっきり言って、民進党と共産党が本気で協力するかどうかにかかっている。要はこの際、安倍政治の阻止と、民進、共産の独自性と、どちらを優先するかということだ。
 それにつけても、わからないのが公明党という政党の実体である。創立のときからずっと見ているのだが、当初は政策的には民主社会主義の民社党に近くて、社公民の共闘が成り立っていた。ところが自民党と連立を組むようになったら、急速に政権党に接近して独自性を失ったように見える。今では自民党の集票実施部門に近い存在になっているのではなかろうか。公明党の支持者は本当に現状に満足しているのか、聞いてみたいところである。
 とにかく解散権は諸刃の剣なのだ。安倍首相は今がチャンスと見て攻勢をかけたつもりだろうが、その目論見を実現させてやる義理はない。安倍長期政権の夢を粉砕する大失敗に終わらせてやるチャンスでもあるということだ。日本の政治史に残るような、あざやかな「番狂わせ」があると面白いのだが。
(追記)
 最新のニュースだと、安倍首相は28日の臨時国会召集日に、いきなり冒頭解散をする意向とのことだ。長妻昭は「こんなバカなことがあるか!」と怒りの声を上げている。