天皇・皇后が、皇族として初めて高麗神社に参拝し、近くの巾着田の彼岸花を鑑賞したとのニュースがあった。高麗神社は、高句麗から亡命してきた王族を祭っているとされる。高句麗は朝鮮半島北部の大国だから、地域としては今の北朝鮮に当る。何かと北朝鮮へのバッシングが激しい昨今の状況の中で、天皇の強い希望で行われた「私的旅行」だと説明されていた。
 日本民族は、大陸から半島を渡って日本列島に到着したと言われる。国として成立してからも、朝鮮半島は大陸の文化圏につながる回廊として機能しつづけてきた。文化の上でも、経済・軍事的にも、日本はさまざまな面で朝鮮とかかわりを持ちながら歩んできたに違いない。近年のごく短期の現象をとらえて、北朝鮮を不俱戴天の仇でもあるかのように嫌い、その封じ込めや国としての抹殺まではかるなどは、狭い近視眼的と言わざるをえない。
 とはいうものの、現実に北朝鮮から東に向けてミサイルらしきものが相次いで発射されるのは、日本としては有難くない。なにしろ日本海沿岸に原発を並べているのだから、運転中であろうとなかろうと、通常弾頭のミサイルでも、原子炉が破壊されたら、放射能は日本の国土を広範囲に汚染するだろう。日本民族の大規模避難は、どこが受け入れてくれるのか。そんなことにならないように、戦争をさせない外交こそが日本の生きる道ということになる。
 ところが「防衛」の観点からすると、安全保障は金のかかる装置産業になる。ミサイル防衛にはイージス艦が役に立つそうで、現に日本海では海上自衛隊のイージス艦が警戒任務についているとのことだ。これを補強するために、さらに陸上にイージス・アショアというものを配備すると、2カ所で用が足りるので、政府はその検討をしていると、今朝の新聞に書いてあった。費用は本体だけで1基800億円という。これを「最速のスケジュールで」と防衛大臣は言っている。

高麗神社