2005年に総務省・明るい選挙推進協会が「若者の選挙離れ」への啓発キャンペーンの一環として製作した「希望の党」という映画(約20分)が、現代を予告したようだというのでネット上の話題になっている。
https://www.j-cast.com/2017/09/26309501.html?p=all 
 ストーリーは、大人たちのありきたりの投票行動にいらだつ若者たちが過激化し、「希望の党」の名のもとに独裁的な行動に出るという、逆転の構成になっている。たとえばある日、「過去3回の選挙で棄権した者の選挙権を、はく奪する」という法律が施行されてしまうのだ。そうなってから「投票しておけばよかった」と後悔しても、もう遅い。選挙権を失った大人たちは、もう政治に関与することができなくなって、やがて自分の娘のところにも出征の命令がくる……
 今回の選挙で話題になっている「希望の党」は、たぶんこれとは違うのだろう。民進党からも自民党からも離党者が出て、ここに合流する動きがあるようだ。小池百合子都知事は、自らが代表になる意欲を見せている。都議会での「都民ファースト旋風」を、国政でも起こそうとしているのだろうか。「脱原発」を掲げているのはいいとしても、国政での立ち位置はどうなるのだろう。都知事になったのが、国政への踏み台のようにも見えてくる。
 とにかくこの小池新党が、この選挙の目玉の一つになってきた。日本では東京都知事を経て総理大臣になった例はまだないが、諸外国では地方の首長を経て国のトップになるのは珍しいことではない。支持勢力の整備が、野党の再編を促すのだから、この動きには注目している必要があると思う。ただし、間違っても自民よりも悪い第二保守党になるのは願い下げである。ここは看板の通りの「希望の党」になってほしいものである。そして台頭するためには、野党よりも自民党から、より多くの票を奪ってくれることを期待したい。
 それにしても、昨今の息づまるような緊迫感は異常である。しかし一発ですっきりしたいような願望は、さらに大きな危険を招くことになる。問題は、ねばり強く、順を追って解いて行かなければ、永続する安心にはつながらない。最大の課題は、健全な野党を育てて戦争を遠ざけることである。