(熊さん)きのうは、お休みでしたね。
(ご隠居)うん、連合の大会に行ってたんだよ。といっても、往復しただけだけどね。取材チームが朝から行ってて、最終日の12時までの予定だから、11時ごろと思って行ったら、もう散会したあとだった。組合の会合では、よくあることだよ。シャンシャンと早めに切り上げて、全国から集まった仲間が、個別にゆっくり話し合いながら飯を食いたいわけさ。昔の鉄鋼労連の大会で映画の撮影を頼まれて、そのときは一人だったものだから仙台の町で遊んでいて、散会の風景を撮りそこなったことがあったっけ。でもろくに怒られもせず、大らかな時代だったね。
(熊)カメラマンが特殊技術者として尊重されてた時代ですよね。
(隠)そうなんだ。今はカメラさえあれば素人でもいい絵が撮れる時代だから、仕事としては厳しくなってる。私の技術じゃ通用しないと思うよ。それはそうとして、この連合大会では、選挙についての統一した支持政党を決めないという異例の結論になったんだ。選挙の結果を見てから結論を出すということで、比例区の支持政党をどこにするかは、各組織の判断に任せるということになった。だけどね、連合が決めたからって、組合員と家族が全員その通りに投票するわけじゃない。選挙への影響力は、一般に思われているほどには大きくないと思うよ。組合が選挙に熱心になるのは、自分たちの代表が候補者になったときだけだよ。
(熊)ふーん、そんなものですかね。
(隠)それよりも私は、午後のレセプションに出るかどうかで迷ってた。招待状は貰って出席のハガキを出してたから客でもあるんだけど、会場は立食パーティーだから立ちっ放しで疲れるのがわかってる。結局は、早めに帰ることにして、まだ誰もいない会場の写真だけ記念に撮っておいたよ。思えば総評と同盟が対立していた時代から、労働組合との長いおつきあいだった。労働戦線統一の話も紆余曲折して、全民労協から連合の統一完成までを見届けて、その連合が15回大会を開くまでになったんだね。月並みだが「お疲れさまでした」と言ってあげたいよ。
(熊)そのお疲れさまは、ご隠居にもでしょう。
(隠)そうだね。そうかもしれない。

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