きのうの「国会めぐり」は、あくまでも穏やかだった。警備の警察官の数も少なく、街宣車の進入を規制する路上ゲートの周辺も、手持ち無沙汰に見えていた。いまの国会は、建物があるだけの「がらんどう」になっている。議員会館でも、各部屋の主はいなくなって、それぞれの地元で選挙対策に没頭しているに違いない。なにか国家的な大事件でも起こったら、少数の参議院議員が集まって当面の対策を講じることになる。
 今回の解散・総選挙に「大義」はあったのか、議員の請求で開かれた国会で何も審議せず、冒頭で解散とは横暴ではないか、「もり・かけ」隠しが最大の動機だったと言われても仕方がないだろう。しかしそんな疑問も、もう誰も話題にしなくなった。選挙が始まってしまったら、それに伴う政界の変動と、結果の予測に関心は集中してしまう。それに加えて、今回は小池百合子こと「みどりのタヌキ」が「時の人」になった。「希望」という名の政党を立ち上げたのだが、それが本当の希望になると思う人は少ない。「絶望」になると言う人もいる。ただし「みどりタヌキ」が「政権選択の選挙だ」と言い出したので、安倍自民と対決する形になった。保守とウルトラ保守の叩き合いの構図になったのだが、小池旋風は失速しつつあると言われる。自分はすぐに首相になる気はないと言うものだから、気が抜けてしまった。
 かといって安倍自民が安泰になったとは言えないだろう。自民党の議席は、確実に小池新党に食い荒らされることになる。現有議席から30減まではいいが、50減を超えたら退陣を求められるという観測が出てきた。そうなると自民党には「安倍のあと」を狙っている人たちがいるので、安倍長期政権は終ることになる。
 保守党が分裂している間に、「立憲民主」はどこまで伸びるだろうか。「まっとうな政治」を待ち望んでいる国民は多い。今回は棄権などせずに、新しい流れに賭けてみたらどうだろう。立憲民主の候補がいない選挙区には、共産党の候補がいる。この面白い選挙で、投票率が上向かないようでは、日本の前途は暗くなる一方だと私は思っている。
 私たちは、どんな政治を望み、国会ではどんな議論をしてほしいのか。今は誰もいない国会に新しく乗り込む議員たちの顔ぶれは、間もなく私たちの投票で決まるのだ。