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(熊さん)あれ、もう書評ですか。早いですね。
(ご隠居)初売りの書店で見かけて、貰いもののクオカードがあったものだから、買って読んでみたら面白かった。でかい文字で組んであって、年寄り向きだよ。3時間ぐらいで読める分量で、なにしろ言いたい放題の痛快さだった。昔、テレビドラマで「いじわる婆さん」というのがあって、青島幸男が演じていたけど、あんな感じだった。
(熊)佐藤愛子って、サトウハチローの親戚でしょ。
(隠)そうだよ。私は実家の編集者時代に、サトウハチローさんとは、仕事でかなりのおつきあいがあったんだよ。豪快で気のいい人だが、感情の起伏が激しくてね、電話で怒鳴られたこともあったっけ。弟子で身近にいた詩人の宮中雲子さん、若谷和子さんなんかも苦労してた。そんな豪快さが、佐藤愛子さんにも伝わっているんだろうね。90歳を過ぎてから、「女性セブン」に連載したのをまとめたそうだ。テーマごとに読み切りだから読みやすいよ。
(熊)90過ぎて新刊を出すんだから、たいしたもんだ。女性セブンは週刊誌でしょ。
(隠)そうなんだね。ここへ連載するときに、毎週じゃ疲れるから一週おきならいいって言ったんだってさ。それも面白いと思った。無理をしないで続けられるペースというものを、自分なりにつかんでいるんだろうね。年寄りが長く元気でいられる秘訣の一つかもしれない。そして、最後に、こんなことを書いてるんだよ。
 「気がついたら、錆びついていた私の脳細胞は(若い頃のようにはいかないにしても)いくらか動き始め、私は老人性ウツ病から抜け出ていたのでした。」とさ。
(熊)それがすばらしいね。やっぱりもの書く人は、書くことを続けることが健康法なんだ。
(隠)そうなんだね。私のブログ書きも、それに似たところがあると思ったよ。近ごろは正直言って、少し重荷に思えることもあるけど、できる範囲で続けることに意味があるんだろうね。
(熊)ご隠居も負けてないで、90歳までにもう一冊でも二冊でも、書いたらどうなんですか。やればできますよ、きっと。