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 これは昨日の新聞だが、一瞬、「日本の政府は正気なのか?」と思った。福島原発事故という重荷を抱えている身で、日立の原発輸出を融資で支援しようというのだ。イギリスには地震がないから安全だとでも言うのだろうか。地震がなくても、原発にリスクがなくなるわけではない。ソ連でもアメリカでも、地震と無関係に原発事故は起きている。破綻した場合の被害の大きさに比例して、安全基準は厳しくなる一方だから、原発のコスト上昇は際限がない。再生可能エネルギーによる発電が、これからのトレンドになるものだと思っていた。
 その中での原発輸出には、非常に不自然な、時代に逆行したものを感じる。もしかして核兵器をにらんだ核技術の温存が本当の目的のようにも思えてくる。原発を稼働させた場合の、その後の廃炉作業や、放射性廃棄物の地層処分といった、困難な未解決問題は、どうするつもりなのだろうか。巨大なリスクを背負ってまで、他国にも原発を作ろうとする意図がわからない。原発を作るというのは、それほどまでに「おいしい仕事」なのか。
 たかが電気を起こすために、危険な核分裂反応を利用するのは採算がとれないということは、はっきり実証されたと思っていたのだが、それでは困る一部の人たちがいるらしい。その一隅には、どうしても核兵器の亡霊が立ち上がってくる。原発の再稼働を許さないことと、核兵器の廃絶を求めることとは、やはり同じことの表裏の関係にあるのだと思う。