s-IMG_1266

 ノーベル賞を受賞したICAN(アイキャン)のフィン事務局長が来日して、昨16日に国会内で与野党代表者らと公開討論会を開いたということだ。フィン氏は日本政府に核兵器禁止条約への署名を求めたのに対して、日本側の反応は総じて「慎重」だったと伝えられている。東京新聞の記事によると、明確に賛同したのは共産、自由、社民の3党と参議院の会派「沖縄の風」だけだったという。立憲民主党も福山幹事長の言として「長期的には廃絶を目指すべきだ。禁止条約にどうアプローチするか、党として検討」と、歯切れが悪い。賛成と言い切ってしまうと、党内から異論が出るとでも思ったのだろうか。
 さらにフィン事務局長は安倍首相との面会も要請したのだが、あちこち「たらい回し」にされたあげく、「日程の調整ができない」という理由で断られたとのことだ。総論賛成の外交辞令的な挨拶もする必要ないと判断したということか。自民党としては、核の傘の抑止力を含めた防衛体制を整えないと国を守れないという立場だ。つまり核兵器廃絶とは言い切れないのだ。
 対外的には「唯一の原爆被爆国」として、国をあげて核兵器のない世界を希求している筈の日本国である。毎年夏の原爆慰霊祭では、歴代の保守系総理大臣でも、「核兵器の惨害を二度と繰り返してはならない」と式辞で述べてきた。あれは原爆記念日のための特製の飾り物だったのだろうか。「わかっちゃいるけど、やめられない」のが本音だとすると、国民をバカにした話ではある。
 ただ、こうした経緯からわかることが一つある。それは、核兵器を地上からなくしたいという、日本国民の常識と思う願いをかなえることでさえ、自民党の政権下では不可能だということだ。自民党を倒さないかぎり、私たちは国として核兵器廃絶の先頭に立つことはできない。このことを、よく覚えておこう。