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 昨日の東京は大雪に話題をさらわれた一日だった。さらに今日になって草津白根山噴火のニュース飛び込んできて、話題はこの二つで持ち切りになっている。しかし落ち着いてみると、昨日は国会が開幕し、安倍首相の施政方針演説が行われた日でもあった。天然自然が相手になる現象では、それへの対応を考えるしかないのだが、国民の暮らしを左右する政治の動向は、もっと切実に私たちの暮らしに直結する。その首相の意向が、はっきりと「改憲」を目指していることが明らかになった。
 東京新聞の解説によると、国会での施政方針では、その最後に「各党が具体案を持ち寄り、議論を進めることを期待する」と言及しただけだったが、それに先立つ自民党の両院議員総会では、「わが(自民)党は結党以来、憲法改正を党是として掲げてきたが……いよいよ実現する時を迎えている。責任を果たしていこう」と強い調子で呼び掛けたということだ。身内の会合ではストレートに本音を語ったということだろう。
 折しも昨年10月の衆議院選挙の結果、改憲勢力は改憲の発議に必要な3分の2以上の議席を、衆参の両院で維持している。今年こそは実現のチャンスという思い込みは、強いものがあるに違いない。ところが世論調査などの結果を見ると、憲法改定は必要と考える人の中にも、「安倍政権の下での改憲には反対」という意見が、けっこう多いのだそうだ。安倍首相のめざす憲法の改定が、「昔の日本の復活」の方を向いているのが、透けて見えるからだろう。このまま改憲の発議をしても、本番の国民投票では、過半数の賛成を得られない可能性が高いと私は思う。そうなったら、安倍改憲はかなり深い打撃を受け、安倍晋三の政治生命も終るのではなかろうか。
 だから改憲の発議は、安倍政権にとっては大きな賭けになる。しかし先方も政治のプロだから、発議の際には、いろいろな工夫を凝らしてくるだろう。これから「自衛隊の公認」あたりを梃子として、具体的な改憲案が出てきそうである。私は今の憲法を変える必要はないと思っている。今の自衛隊が、「軍隊でない実力組織」という不自由な身分にあることが、世界への引け目ではなくて、世界への誇りになると思っているからだ。陸上自衛隊は「陸軍」に、海将は「海軍大将」に、ならなくて結構である。