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 これは3月31日の朝日新聞に出ていた人口ピラミッドである。もうピラミッド型はしていない。正式には「年齢別人口構成表」というのだそうだ。私が書籍の編集をしていた若い頃は、日本の人口ピラミッドは常に文字通りの二等辺三角形になっていた。ただし左辺の男性側の若い年代に不自然な凹みがあり、それは戦争の影響だと説明するのが常だった。今その痕跡を探してみると、90歳あたりの筈だが、もう目立たないのは、全体に死亡が進む年代になっているからだろう。
 この表を見てわかるのは、日本はこれから急激な人口減少時代を迎えることになり、その過程で極端な高齢化を経験するということだ。細くなった若い人口で、頭でっかちの老齢人口を支えなければならない。この苦しい期間は短期には終らない。ふくらんでいる現在40代が通り過ぎてしまうまで、つまり40年間も続くことになるのだ。その後でようやく、人口グラフはスリムな棒型になって安定するだろう。
 ただしこれは厳しいだけの将来予測ではない。それを具体的な自分の家族を例にして考えてみよう。まず、私は老齢人口だが、自分を養うだけの算段は現役のうちに立てておいた。それは年金保険料を払ったことを含んでいる。そして老いてなお健康に暮らしていることで、自分が老齢ケアという産業分野での経済活動に参加していることを日々に実感している。
 私の子供は娘が二人で、それぞれに独立した家計を営んでいる。その下の孫世代は三人しかいないが、そのうち二人はすでに社会人になって仕事もしている。三人目も、間もなくそうなるだろう。つまり、個々の成員の暮らしが成り立っていることが基本で、その全体で国家社会を形成しているわけだ。その全体が縮小することで個人の暮らしが貧しくなることはない。むしろ家も土地も余ってくるのは、プラスの要因になるだろう。
 大国にはならなくていいから、四季の表情も豊かなこの列島に、日本という国が、末長くあってくれるといいと思う。