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 昨26日の木曜日、真鶴半島の高浦海岸にあるリゾート・ホテル「碧い海」で開催された「情熱のカンツォーネコンサート」に行っていました。私の不手際で列車を一本乗り遅れ、予定より30分遅れたのですが、妻を連れて行くことができました。
 往復の道中、本当に久しぶりに、東海道在来線の車窓からの風景を見ることができました。高校生時代に、熱海の旅館に長逗留して書籍の原稿を書いていた父のところへ、週末ごとに通って一泊し、校正や原稿・資料の受け渡しをしていた時期があったのです。ですから駅ごとに、見える山や海の形を克明に覚えています。それらは60年以上を経ても、基本的に変っていません。
 その中でも真鶴は、「通過するだけで降りたことのない駅」でした。熱海の旅館で親しくなった女中さんに真鶴から来ている人がいて、「良いところですよ」と言われた記憶があるだけです。降りてみると、小さな漁港があって、山間には田畑が点在する、半漁半農の集落のように見えました。会場の食堂・ホールから見える風景は、戸山英二さんのお話では「ナポリに似ている」とのことです。上の写真の左手には、熱海から伊東方面につながる地形が広がっているのです。
 でも、私がこのような場所に招待を頂くようになった始まりは、私の下の姉が、寺本麗華(本名は康子)さんと「お友だち」だったからでした。その肝心の姉は、今では連絡もつかなくなりました。3年ほど前に、「もう私のことは心配しないで」という、淋しげな電話があったのが最後になりました。嫁ぎ先は歴史のある名家でしたが子供はなく、夫も亡くして家と土地を相続した筈です。その財産が善用されて、惨めでない老後生活を全うしていることを念じるしかありません。
 そんなセンチメンタル・ジャーニーをしてきたのです。戸山英二さんとのお別れぎわに、「寺本さんを、天国に行くまで歌わせてあげて下さいね」とお願いしておきました。美しい風景、美しい歌声……情熱を傾けるものを持ちつづけることは、最後まで人生を高みへと導くことでしょう。