(ご隠居)これはちょいと笑えるな。「政治分野における男女共同参画推進法」ときたもんだ。これが今日の国会で可決成立するんだと。
(熊さん)何ですかそれ。えらく長い名前の法律じゃないですか。
(隠)早く言えば、国会でも地方でも、議会に女性の議員を増やそうってことだよ。日本は世界の先進国の中でも、どん尻に近いほど遅れてるからね。
(熊)そうなんですか? 女の議員もいて、けっこう話題になってるような気がしてたけど。まだ少ないんですかね。立候補の権利は平等でしょ。
(隠)権利が平等だって、いろんな事情で結果が偏ってしまうことがある。これを結果としての不平等というんだよ。人口の半分は女性なんだから、議会に女性が非常に少ないというのは、決して好ましいことじゃない。そこで候補者を出す段階から、各政党に男女平等を意識するように促すのが、この法律の目的なんだね。もっと強力に、議会の定員の一定数を女性に割り当ててしまう方式もあって、北欧なんか平等の先進国は、これで成功してる例もあるけど、日本はそこまでする気はないようだ。
(熊)ふーん。様子を見ながら少しずつですか。
(隠)まあそんなところだ。で、さっき思い出したのは、同じようなことが雇用の分野でも以前にあったからだよ。そのときに「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」という長い名前の法律が出来たんだ。しかもその初期には「確保等」のあとに「女子労働者の福祉の向上に」という文言が入っていたんだよ。あんまり長いから、漫才仕立ての台本にして、「名前が長けりゃ効き目もあるんでしょ」「おまじないじゃあるまいし」なんて調子で教育用のスライドを作ったから、よく覚えてるんだ。雇用の分野では、あの頃から女性の進出が当り前になってきたんだね。今度は政治の分野まで、その流れが及んできたということだ。
(熊)なーるほど、時代は男女平等に向かってるんですよね。
(隠)この法律がとっかかりになって、議員にも閣僚にも、女性がどんどん増えてくれるようになると、日本もいくらかは良くなるような気がするよ。今の日本の政党で、選挙候補者の男女平等を厳密に守っているのは、「緑の党」だけなんだ。まだ夜明け前かもしれないが、政治の男女平等化は歴史の必然だと、私は思ってるよ。