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青春は悩み苦しむ時期である。
「自分とは何者なのか」「自分はどうやって生きて行けばいいのか」
いわゆるアイデンティティについて、初めて真剣に考える時期だからである。
自分の長所だけではなく、短所をも、これまでそうしてきたような直感的な把握ではなく、初めて分析的に自覚する。
これは本来孤独な作業なのだが、多くの人は完全な孤独に耐えるだけの精神力を持っていない。
したがって青少年は伴走してくれる他者を渇望する。
それはこれまでのように両親ではない場合が多い。というのは、この時期は精神的な離乳の時期でもあるからだ。
恩師、指導者、先輩などに傾倒する者もあるが、多くは信頼できる友人を求める。
実際、生涯の親友はこの時期にできることが多い。
『徒然草』117段「友とするに悪き者、七つあり」は古文の初学教材としてだけでなく、青少年期のこのような課題を考える上でも適当である。
[原文]
友とするに悪(わろ)き者、七つあり。一つには、高く、やんごとなき人。二つには、若き人。三つには、病なく、身強き人、四つには、酒を好む人。五つには、たけく、勇める兵(つはもの)。六つには、虚言(そらごと)する人。七つには、欲深き人。
よき友、三つあり。一つには、物くるる友。二つには医師(くすし)。三つには、智恵ある人。
[現代誤訳]
友人にするのによくない者が七つある。
一つ、身分が高く高貴な人。二つ、若者。三つ、病気せず頑健な人。四つ、酒好き。五つ、勇猛でアグレッシブな武士。六つ、嘘をつく人。七つ、欲が深い人。
良い友達が三つある。一つ、物をくれる友。二つ、医者。三つ、賢い人。
まず「わろし」「やんごとなし」「たけし」「つはもの」「そらごと」「くすし」など、重要古語が学べる。
歴史的仮名遣いについてはほとんどないので、これはそれを教える前の「古文って面白いんだよ」という教材だろう。
おそらく中高生が「そうだよね」と思うものもあれば、中高生には「何で?」というものもあるし、兼好法師と云う個性にして初めて取り上げられたものもあるだろう。
題材は彼らの年代として適したものだから、デイスカッションなどさせたら口角泡を飛ばすのではないだろうか。
私は口語訳を小学校高学年で読んだから、私自身の思考の発達に沿って考えてみたい。
[良くない友人]
1.身分の高い人:大人だと単純に「付き合いに金がかかるから」ということになるが、中高生にそう教える訳にはいかない。自分の発達過程から考えると、こういう人たち(の子供)とは小中学校のときには目立たなかった価値観や感覚の違いがどんどん大きくなっていったように思う。
2.若者:これは最初読んだ時どうしてなのかさっぱり分からなかったし、中高生はまさに若者だから議論になるところだろう。今思えば中高年からすれば経験不足で思慮が浅いのが原因だろうか。中高生は納得しない気がする。ということでこれは保留にして次。
3.頑健な人:これも若い頃は「何でなんだよ」と思ったのだが、兼好法師はあまり丈夫な人ではなかったのではないだろうか。同じストレッサーでもその人の健康状態によって疲労やダメージが違う。あまりにも健康な人はあまり丈夫ではない人の気持ちが分かりにくい。これは私が中高年になり体力が衰えてきてから初めて分かったことだ。もしかすると2.若い人も同じ理由なのかもしれない。
4.酒好き:これは中高生にも分かりやすいかもしれないが、生徒によっては保護者の悪口にならないように教え方に注意したい。
5.勇猛な人:これは個人によって是非が分かれそうな性質であるが、中高生に説明させたら意外にしっくりする意見を持っている生徒がいるかもしれない。
6.嘘つき:これは満場一致で賛成されそうである。
7.欲張り:同上。
[良い友人]
1.物をくれる人:これは笑いネタとして上手く育てたい性質である。
2.医者:これはおそらく良くない友人の2.3.と同じ理由で採用されたのではないだろうか。自分の健康について相談できて面倒を見てくれる友人は最低一人はほしい。
3.賢い人:これもいざという時役に立つ知恵を授けてくれる貴重な友人である。
こうしてみると兼好法師の友人観はやや実利に傾いている気がするので、「良い友人ベスト3.ワースト3」などを作成させると道徳や総合探求の授業としても成立するのではないだろうか。
[現代誤訳]
友人にするのによくない者が七つある。
一つ、身分が高く高貴な人。二つ、若者。三つ、病気せず頑健な人。四つ、酒好き。五つ、勇猛でアグレッシブな武士。六つ、嘘をつく人。七つ、欲が深い人。
良い友達が三つある。一つ、物をくれる友。二つ、医者。三つ、賢い人。
まず「わろし」「やんごとなし」「たけし」「つはもの」「そらごと」「くすし」など、重要古語が学べる。
歴史的仮名遣いについてはほとんどないので、これはそれを教える前の「古文って面白いんだよ」という教材だろう。
おそらく中高生が「そうだよね」と思うものもあれば、中高生には「何で?」というものもあるし、兼好法師と云う個性にして初めて取り上げられたものもあるだろう。
題材は彼らの年代として適したものだから、デイスカッションなどさせたら口角泡を飛ばすのではないだろうか。
私は口語訳を小学校高学年で読んだから、私自身の思考の発達に沿って考えてみたい。
[良くない友人]
1.身分の高い人:大人だと単純に「付き合いに金がかかるから」ということになるが、中高生にそう教える訳にはいかない。自分の発達過程から考えると、こういう人たち(の子供)とは小中学校のときには目立たなかった価値観や感覚の違いがどんどん大きくなっていったように思う。
2.若者:これは最初読んだ時どうしてなのかさっぱり分からなかったし、中高生はまさに若者だから議論になるところだろう。今思えば中高年からすれば経験不足で思慮が浅いのが原因だろうか。中高生は納得しない気がする。ということでこれは保留にして次。
3.頑健な人:これも若い頃は「何でなんだよ」と思ったのだが、兼好法師はあまり丈夫な人ではなかったのではないだろうか。同じストレッサーでもその人の健康状態によって疲労やダメージが違う。あまりにも健康な人はあまり丈夫ではない人の気持ちが分かりにくい。これは私が中高年になり体力が衰えてきてから初めて分かったことだ。もしかすると2.若い人も同じ理由なのかもしれない。
4.酒好き:これは中高生にも分かりやすいかもしれないが、生徒によっては保護者の悪口にならないように教え方に注意したい。
5.勇猛な人:これは個人によって是非が分かれそうな性質であるが、中高生に説明させたら意外にしっくりする意見を持っている生徒がいるかもしれない。
6.嘘つき:これは満場一致で賛成されそうである。
7.欲張り:同上。
[良い友人]
1.物をくれる人:これは笑いネタとして上手く育てたい性質である。
2.医者:これはおそらく良くない友人の2.3.と同じ理由で採用されたのではないだろうか。自分の健康について相談できて面倒を見てくれる友人は最低一人はほしい。
3.賢い人:これもいざという時役に立つ知恵を授けてくれる貴重な友人である。
こうしてみると兼好法師の友人観はやや実利に傾いている気がするので、「良い友人ベスト3.ワースト3」などを作成させると道徳や総合探求の授業としても成立するのではないだろうか。