バーチャル博物館「沢村栄治記念館」
http://sawamuraeiji.yomibitoshirazu.com/で再開しています。

アクチン・ミオシン


 発達障害のケがあるせいか、特定の言葉や物事に執着し始めるとずーっと覚えている。
 CMの台詞や歌など、子供のころに何回も歌って、いまだに覚えていたりする。ホラコーラ(仮名)のCMソングなどがそうだが、ここでは著作権の関係で紹介しない。
 言語聴覚士になるために医療系の専門学校に入って医学を勉強し始めてからも、ほかの人は間違いなく何の感慨もなく通り過ぎてしまっただろう医学用語や解剖学の絵などが、自分にとっては可笑しくて仕方がない。

 筋線維を構成している「アクチン」と「ミオシン」もそうで、ほかの医療人には単なる常識にすぎないと思うのだが、私は「アクチンミオシン」という漫才コンビを連想してしまう。
 アクチンはノッポでミオシンは小さい。二人が舞台に出てきて、「アクチンでーす!」「ミオシンでーす!」と自己紹介する。そして、「二人合わせて」といいながら、アクチンがミオシンの間に滑り込みながら、「筋収縮でーす!」と叫ぶ。二人の芸はそれだけである。

アクチンミオシン乳酸編

 アクチンとミオシンは基本的にコンビだが、時にトリオを組む。相手は「乳酸」である。この場合は、「アクチンでーす!」「ミオシンでーす!」の後、乳酸が「三波春夫で…(ございます)」と言おうとした瞬間に筋収縮して、乳酸はアクチンとミオシンの間に挟まれて「イテテテテ! 筋肉痛や…!」となる。こちらは画力の関係で絵にできなかった。

 と、2011年にこの文章を初めて書いた時には言ったのだが、少し画力に自信がついてきたので絵にしてみた。
 くだらん。
 プロの人がなんとか絵にしてくれないだろうか。

 ところが、驚いたことに、先日たまたま調べもので「アクチン ミオシン」で検索したら、画像のトップに冒頭の絵がヒットした。
 私と同じくらいアホな人が世の中にはたくさんいるらしい。
 そのうちに高校の教科書に私のイラストが載るかもしれない。そうなったら日本ももうおしまいだな。

 ほかにも、「小脳は〇袋(自粛)に似ている」とか、「脳幹網様体からのインパルスは射〇(激しく自粛)に似ている」など、講義中にいろいろな想念が湧いていて(これに関する失敗談はまた今度)講義が面白くて仕方がなかった。
 バカといったら本当にバカなのだが、これが物事を覚えるのにはよい。無味乾燥な事物を特定のイメージや場所と結びつけて覚えるというのは記憶術として有効だというのはエビデンス(証拠)がある。どうも下ネタ関係が多いので公に紹介できないのが残念である。

 ここまでバカ話に付き合ってくれた人に最後に1つだけ有益な話。
 CTやMRIの基底核レベルのスライスにはブローカ野もウェルニッケ野も、内包も、つまり言語障害の重要な障害部位が映っている。「基底核レベル」と言われてもピンと来ないかもしれないので、
「しもぶくれの猫の顔みたいな画像」
と覚えておいてほしい。
 これである。

CT基底核レベル

 猫の目(側脳室前角)の右側の頭蓋骨(白く映っている)付近にブローカ野、猫の口(側脳室後角)の右側の頭蓋骨付近にウェルニッケ野がある。猫の目の両側に「くの字」のように少し暗く映っているのが内包である。
(2011.12.30初出)