ヒナモロコ

 河童が実在の動物であるとするならば、人間と河童の交流史は、人間がほぼ一方的に河童を圧迫してきた歴史といってよかろう。

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 上は田主丸河童資料館に展示してあるもので、第1次人河戦争の様子を描いた絵である(大嘘)。
 第1次人河戦争は人と河童の最初の大規模な激突であり、人河戦争は以後数回にわたって勃発した。この絵をみると、第1次戦争の際は猫や亀なども味方をしているようで、河童にとどまらず動物全体の人間に対する抗議行動だったことが伺える。
 原因は水質の汚濁である。
 明治以降の近代化によって、河童の棲む河川や湖沼に大量の有害物質が流れ込み、河童をはじめとする水棲生物の生存が脅かされたからだ。
 この人河戦争は常に人間の勝利に終わり、人間歴1945年(河童歴2715年)の第6次人河戦争の終戦を最後に起こっていない。
 第1次戦争の様子を見ると、河童の生息数が相当のもので、勢力も強かったことがわかる。人間も相当の苦戦を強いられたらしい。
 これに懲りた人間は、以後、河童の繁殖に不可欠な河川や湖沼の沿岸を人工化した。水質の汚濁と相まって、河童は急速にその生息数を減らしていった。

河童の身長

 身体の大きさも現代に近づくにつれて小さくなった。

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 江戸時代にはこんな大きな河童も目撃されていたらしいのだが。水棲動物が全体に大きかったのだろう。 
 もはや河童は組織的な行動を起こすだけの個体数を持っておらず、各地の河川や湖沼に孤立して小集団で生活していると思われる。
 昨年環境省は河童を絶滅危惧ⅠA類としてレッドデータブックに掲載した(大嘘)。
 実はこれは悲しむべき現実なのだが、河童のモデルとされるニホンカワウソは1979年以来目撃例がなく、昨年環境省から絶滅種に指定された(本当)。1979年といえば私の高校時代である(本当?)。 
 河童はもともと架空の生物だが、実在の生物が消滅してしまうことに何ともいえない怖さを感じる。
 今後「ニホンカワウソを目撃した」という言葉は、「河童を目撃した」というのと同じ架空の響きを持つわけである。
 田主丸町には「ヒナモロコ」という正真正銘の絶滅危惧種の魚がいる(本当)。ヒナモロコは日本では福岡県にのみ生息するが、韓国や中国にも生息し、その分布からかつては日本が大陸と地続きだったことの生き証人(証魚?)といわれる。韓国や中国でも近年急速に水質汚濁が進んでいるから、この種は世界的に風前の灯である。

 この魚が「架空の動物」にならないように我々筑後の住民は努力する必要があるのではないだろうか(本気)。