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孫の焼餅

 2人目の孫が生まれ、いよいよ私も「じーちゃん業」が本職になってきた。
 したがって忙しい。
 上の孫は弟が生まれる前日までは上の娘(孫は下の娘の子)のパートナーまで家来にして、
「みんな! おいで!」などと手招きして、まさに「天下人」の権力をほしいままにしていた。
 ところが、翌日には突然「No.2」に転落してしまった。
 颯爽と登場した彼の弟がひとたび泣き声を上げれば、昨日まで上の孫が恋人にも等しくまさに愛情を独占していた母親が、何を措いても最優先に駆けつけるのだ。
 まさに下剋上である。
 彼は何とかNo.1の地位を回復せんとさまざまな策動を繰り広げている。
 私が汽車に乗せようと連れて行ったときに口に手を入れて子供返りしていたのも、別に私のプランが杜撰でストレスを感じたのではなく、原因は弟の誕生だったのだ。
 せっかく自立しかけていた食事もトイレも、全部元に戻ってしまった。
 また、何かにつけて自分に注目を惹こうと次々にいたずらをするので、家族は気の休まる暇もない。
 ここは「じーちゃん」の出番である。
 私は昼間仕事でいないから、ずっと孫の遊びやいたずらに付き合っていない。
 だからまだ娘や妻のように疲れ果てていないのだ。
 授乳のときなど、上の孫の注意を逸らしたいときには私が活躍する。
 孫の好きなさまざまにグッズで孫の気を惹き、弟や母親にちょっかいを出さないようにするのだ。
 おかげで最近私は「特製ピザ」を作っていない。
 これは元々既製品の198円のピザなのだが、原型を留めない、というより、原型の美味しさを最大限に引き出した豪華ピザである。
 用意するのは冷蔵食品のピザ。
 まず、トマト一個を半分に切ってさらに薄く切る。これを上手に並べていくと、だいたい1個が綺麗に上に乗ってしまう。ただ、そのまま置いてしまうと焼いたときに水分が出て生地がやわやわになってしまうので、種とその周りのジェル状のものを取りながら並べるのである。
 トマトがないときには茄子でもよい。これは水分が少ないから適当に柔らかくなっていい。
 さらにピーマン1個を半分に切った後薄切りにし、トマトの上から並べる。
 その上から朝食用のハーフベーコン4枚を細切りにしたものをばらまく。ベーコンがないときはウインナーを薄く輪切りにしてばらまく。
 この上から、ピザ用の細切りのチーズを「いやっ」というほど乗せる。
 ないときにはスライスチーズを何枚も重ねて置く。これでも十分美味い。
 とにかくチーズは、「こんなに置いて下に落ちて焦げないかな」と不安になるくらいに乗せるべきだ。
 これをオーブンレンジの「トースター」で20分焼く。
 ほとんど見えなくなっているパイの縁がどれくらい焼けているか確認しながら、まだ焼きが甘いときはさらに後5分程度焼く。
 パイの縁が「真っ黒焦げ」ではなく、「狐色より少し焼けた」くらいになるまで焼くのである。
 このとき注意してほしいのは、レンジの皿を取り外しておくことだ。
 チーズが溶けて下で焦げるリスクが高まるが、皿を置いたままだと生地が十分に水分を飛ばせずにぴちょびちょになる。
 ところが先日この皿を取り落として床に落としてしまった。
 皿は見事に粉々になった。
 知らなかったが、これは陶器(磁器)だったのだ。おかげで今我が家のレンジは普通の皿をもともとの皿の代わりに置いている。
 何はともあれ、この特製ピザの命は「パイの縁カリカリ」なのである。
 さらに焼き上がったら、タバスコとバジルのフレークをかける。
 「本場イタリアのマルゲリータもかくや」という味である(大袈裟)。
 一度この既製品をそのまま食べたことがある。
 これはこれで美味かったのだが、メーカーさんには申し訳ないが、やはり別物だった。
 ただし、この特製ピザ、トッピングの具の選択に失敗すると「ベロベロ」になってしまう。
 今までに失敗した具。
 トマト。普段から必ず追加する具だが、一度種を取らないうえに欲張りすぎたら、生地がグニャグニャ。
 椎茸、エノキダケ、ヒラタケシメジ。こいつらは思ったよりずっと水分が出る。やはりグニャグニャ。
 キムチ。ピリ辛にしようとしたら、こいつは白菜だから大量の水分が出た。グニャグニャ。
 今我が家の猫の額ほどの庭にはトマトとピーマンとナスの実が少しずつ大きく育ちつつある。バジルはすでに少々葉をちぎっても枯れないくらいに成長した。
 もう少ししたらこれを収穫してピザに乗せ、孫に食べさせよう。
 じーちゃん特製のピザの美味に夢中になって、それが腹に収まるまでは弟の授乳を邪魔しないに違いない。