可愛い羊で阿鼻叫喚


久しぶりに孫が三角まで来た。
上の孫は玩具の鉄道で遊ばせたら食事も忘れてずっと遊んでいるので、たまには外に連れ出すことにした。
熊本県にはアウトドアで楽しめるところはたくさんあるが、中でも牧場は子供の喜ぶところである。
本日のプランはまず「あそマザーランド(仮名)」で昼食を取って孫を遊ばせた後、「弥麻田牧場(仮名)」でジェラートを食べて牛乳をお土産に持たせる、というものである。
2つとも西原村にあるので一旦三角から行ってしまえばその後の移動は楽である。
西原村は「平成の大合併」でも熊本県に残った数少ない「村」であるが、近年熊本市のベッドタウンとして急速に発展している地域である。正直私の住む三角町よりよほど「町」かもしれない。
天気がいいせいか、「マザーランド」は大盛況である。
入り口から中を見た瞬間、「昼食で苦労するかも」と嫌な予感がした。
案の定、バイキングレストランは満席で30分待ちである。小さな子供を連れて30分待つ、というのは精神的に辛い。
仕方がないのでパン屋でパンを買って食べることにする。ところがこれが大当たりだった。いろいろな種類のパンを買ってみんなで少しずつ食べたのだが、どれも美味い。多分材料のミルクとバターと卵が美味いのだろう。その証拠には、「牛君の恵み(仮名)」というミルクたっぷりが売りのパンが特に美味かった。
バイキングは次の機会のお楽しみにして、とりあえず満足。
牛舎に牛を見に行こうとしたとき、楽しそうな乗り物を発見。
トラクターが引いた客車で場内一周できるらしい。
早速乗ろうとしたのだが、これも30分待ちである,
仕方がないので羊に餌をやりにいく。
羊はよく言えば「温厚篤実」、悪く言えば「優柔不断」だから、私達夫婦が過去に噛まれたことのある豚や鴨のようにガツガツしていない。餌をやろうとしても、あくまでも控えめに首を伸ばしてくるだけである。

山羊と羊

 だから山羊と飼ってある羊に餌をやろうとすると山羊ばかりが食べてしまうという話は「羊と山羊の本当の違い」という題名で既にしたことがある。

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ところが、ここに私の「学説」を覆すような羊が登場した。
こいつはやたらと人懐こい。というより、図々しい。
こいつだけなぜか柵の外にいて、餌(1カップ100円の人参)を持っている人を見つけるとズカズカ寄ってきて鼻をフンフン鳴らしながら顔を近づけてくる。
上の孫は父親に抱かれてこいつに餌をやろうとしたが、怖がってやめてしまった。
するとこいつはやはり餌を持っている別の女の子の方にズカズカ歩いて行った。女の子は自分の倍くらい身体の大きい羊に迫られたものだから怖がって泣いてしまった。
釣られて下の孫まで大泣きを始める。大袈裟だが「阿鼻叫喚」という言葉を思い出した。
こいつは他の羊に餌をやろうとしても駆け寄ってきて盗ってしまうから、他の羊たちはちっとも餌をもらえないのだった。
「羊にもこんな奴がおるんやなぁ!」と、可笑しくて仕方がなかった。
そろそろトラクターの出発の時間である。乗り場に行き、乗り込む。
さあ、場内一周の小旅行(全旅程15分)の始まりである。