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雁回山山頂にて

 「熊本県宇城市の雁回山に棲息し、人語を解し話すことが可能な人面猿(単なる人間なんじゃ?)を調査せよ」という協会の秘密指令を受けた私たち4名の言語聴覚士は、密林の中を頂上に向かったが道に迷ってしまい、深い緑色の水を湛えた沼の畔に出てしまったのだった(全て嘘)。
 「やったー! 頂上だー!」
 と思った場所が踊り場で、かなりの衝撃を受けた私たちであったが、どうにか気を取り直して頂上である「第一展望台」に向かう。
 このとき私は「第一展望台があるんだったら第二展望台もあるよね。第二にも後で行こうか。」と同行の友人A君に提案したのだが、無視された。
 「一番後からヒイヒイ言いながらやっとついて来た奴が何言ってんだ」という表情がありありである。

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  気を取り直して最後の力を振り絞り、険しい山道を登っていくと、

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 遂に展望台が見えた。
 やったー! 今度こそ頂上である。
 同行の中で一番若い教え子のBさんが真っ先に展望台に登って行った。
 私は女性であるBさんの「わー! 綺麗!」という歓声が聞こえてくることを予想していたのだが、何も聞こえない。

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  当日は生憎の曇り空で、晴れの日なら遠くまで見える九州山脈の山々や(東)、天草の島々や長崎の普賢岳や(西)、霧島連峰や(南)、峠の茶屋で有名な金峰山(北)なども、霞んでいてほとんど見えないのだった。
 この展望台は360°パノラマだから、澄み渡っていたらどんなに綺麗だったか。

 雁回山の位置
 
 雁回山は「主要な九州の山」の中にすら入っていない低山なのだが、実は九州の「重心」当たりに位置しているから、たった312m登っただけで東西南北各地がよく見渡せるのである。 
 さすがに「鎮西八郎」の異名を持つ源為朝が本拠地と定めた伝説があるだけのことはある。

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 気を取り直して(またかよ)写真撮影をする。後ろに見えているのが霧島連峰である。

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 A君が持参のガスバーナーでコーヒーと食事の支度を始める。

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 私も負けじとホワイトガソリンのバーナーで調理の支度を始める。
 私はこのときA君が全員分の水とコーヒーとカップ麺を自分のリュックに入れて運搬していたことに気付いた。
 私はと言えば、自分の水と、自分の鍋と、自分のうどんと、自分のレスキューグッズのみである。
 どちらが年上か分かりはしない。
 A君と私が相次いで本格的な「山道具」を取り出したので、Bさんが「わー! すごーい!」と尊敬の眼差しを向ける。
 ところが、A君の調理はすぐ終わったのに対して、私は自分のバーナーなのに火をつけられず、「これ、壊れてる」などと宣言してしまい、実は単に使用方法が間違っていただけだった。しかもなかなか湯がわかず、「これ、火力が弱いからなかなか沸かないんだよね」などと言っていたら、後から登ってきた人に「あんた、それ火が消えとるよ」と指摘されてしまった。
 Bさんの眼から急速に尊敬の光が消えてゆく。
 コーヒーを飲み、3人はカップの担担麺、私はうどんを食べる。
 山で食べる食事はどうしてこう美味いのだろう。全く粗末な食事なのだが。
 わいわい話しているうちに兎狩りの話になった。

ウサギ狩り

 兎狩りについては一度ネタにしたことがある(「本当は怖い小学唱歌」)。
 元同僚のC先生は私と同じ阿蘇の出身であるから、兎狩りの経験がある。阿蘇の小学校ではどこも兎狩りが学校行事になっているのだ。
 「狩り」と言っても、小学生ごときに野兎が獲れることはまずないから、「狩り」が終わったら学校が農家に頼んで用意した兎を調理して食べるのである。
 あるときC先生はふと気づいたそうだ。用意された兎の毛皮の模様に何か見覚えがある。彼らはC先生たちがいつもお世話をしている「ピョン吉」や「ウサ子」ではないのか。先生に確かめることはなかったそうだが、C先生は今でもそうだったと確信しているらしい。
 また一つ兎狩りに伝説が加わった。

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  最近は登山ブームだそうだが、雁回山ではあまり人を見かけなかった。
 私たちの後から登ってきたのは単独の男性が2人。ずいぶん間隔の空いた看板以外には三角岳にあるようなリボンの目印もないから、私のような初心者1人だと結構不安になるかもしれない。 
 案内板にある「源為朝」を50代の私以外誰も読めなかったので、次回はちょっとだけこの人物の話も混ぜながら山を下ることにする。