アトラクションのようなバス

 予想以上に楽しくて大満足の甘川文化村であったが、1つだけ懸念材料があった。

 それは帰りの手段である。

 往きに来てみて分かったのだが、最寄りの地下鉄土城駅まで案外遠い。まあ公共料金の安い韓国だから運賃は500円以内だが、歩くとなるとアップダウン(というよりひたすらダウン)が凄いので徒歩では無理である。

 往路はたまたま客待ちのタクシーを捕まえられたが、帰りはそれほど上手く行くのだろうか。

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 一応「触り」の部分の大通りの終点らしき「幸せポスト」から「入口」まで引き返してみると、えらい人だかりである。

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 これが全員タクシー待ちの客なのだ。

 ネットで事前に調べたところでは、文化村と土城駅との交通手段としてはタクシーのほかに路線バスとコミュニティーバスが紹介してあるが、「〜もあります。」という表現で、実際にタクシー以外に乗る人は少ないようだった。実際「何番のバス停」と言われても外国人には場所を特定するのは難しい。特に「マウルバス(このブログを現地での移動の参考にするため実名。しかし私は嘘つきだから信用しないほうがいいですよ)」という名前のコミュニティーバスに実際に乗った人はいないのではないかと思われた。

 タクシーは待ち人数からするとどうみても最低30分待ちである。げっそりしているときに「マウルバス」と韓国語で書いてあるバスが到着した。
 運転技師さんに「土城駅に行きますか?」と聞くと「行きますよ」ということだったので乗り込む。このバスも交通カードが使えるのだ。ラッキーである。

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 バスの中から村に別れを告げる。
 タクシー待ちの人達は反対側にいる。ちらっと見て、少し優越感。

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 5分も経たないうちにバスは満席になり、出発。

 それから先のバスの動きは、一言でいえば「ジェットコースター」であった。バスは「このカーブだったらこれぐらいのスピードで曲がるだろう」という、運転経験のある私達夫婦の予想の2倍くらいのスピードを保つ。
 結構揺れる。なかなかのスリルである。勿論どれくらいならば安全、というのは運転手技師さんが一番分かっているのだろうし、実際に後でその時撮った動画を見たら全然大したことないのだが、リアルタイムではハラハラドキドキであった。

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 突然、バスの前をハルモニ(お婆ちゃん)が横切った。「轢かれた?!」と思ったが、無事にバス停のある側に渡っていて、乗り込んできた。

 ところが、普通の席に座らずに運転席の後ろの床に進行方向とは反対を向いて座った。
 思わず車椅子は下り坂を下りる時は進行方向とは反対側に向けることを思い出した。急坂の村で生きてきたハルモニは生活の知恵でそれが一番安全であることを知っているのかもしれない。

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 それでもハルモニはときどき遠心力にぶん回されて転がりそうになる。が、巧みにバランスを取って定位置に留まる。

神風バスで老婆転がる

 1980年代に韓国に留学していた友人のA君からはバスの荒い運転でハルモニが転がったという噂話を聞いていたが、運転の方も乗る方も穏やかになっているということだろう。

 バスは無事に土城駅に到着。

 遊園地のアトラクションが好きな人は是非マウルバスに乗ることをお勧めする。

実はもっと深刻

 私達が数年前に空港から仁川に行ったときのような死を覚悟するほどではない、ちょっとしたスリルを味わえるだろう。
 考えてみたらあれ以下にスピードを落とすのはバスのような大きな車体としては無理なのかもしれない。

 ただし、心臓病の人や気の弱い人は少々時間がかかってもタクシーを待ったほうがいいと思う。

 さて、次は釜山の新市街、西面である。