韓国最大の市場じゃないのか

 はーるばる来たぜ♪ 西面へ♪

 実際西面は私達の宿泊する南浦から結構遠い。地下鉄で30分以上掛かる。

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 しかも、例によって釜山の交通カードが、なぜ、という理由が分からずに自動改札機に引っかかる。

 仕方がないので釦で駅員を呼ぶ。「どうしました」というので拙い韓国語で説明する。チャージもしてどう考えてもお金は足りているのに改札を通過しない、という趣旨の説明は私の韓国語ではかなりキツい。この場は居間のソファで私の友人の韓国人と過ごしているのではなく、忙しい駅員さんに限られた時間の中で慌ただしく説明しなければならないのだ。

 駅員さんは自分でも私のカードを自動改札にかざして見て、原因が分かったらしく、「ああ!」と頷くと、自分の持っているカードをかざして私達2人を通してくれた。

 おいっ! 原因を教えてくれ! また通れないことがありそうじゃないか。と言いたかったが、我慢した。その後はカードか不通ということはなかった。だが、おそらくこれから釜山に行くことがあったら(おそらくあるが)、また1回は引っかかりそうな気がする。
 釜山の交通カード、不通の謎は何時解けるのだろう。

 結構長い間地下鉄に揺られて西面に向かう。
 途中やっと妻の席だけ空いたので座るように促す。別にレディーファーストなのではなく、身体の小さい妻1人分しか空かなかったのだ。

 ところが、妻が座った途端に近くの扉からハルモニ(お婆さん)が乗ってきた。

 ここ釜山では、皆が吃驚する程オルシン(お年寄り)に席を譲る。
 これは誇張ではなく、オルシンを立たせて平気な顔で席に座っている若者を一度も見たことがない。小さな田舎町ではなく韓国第二の大都会での出来事なのだから驚きだ。

 私も既に何度か同年輩の男性に席を譲られた。私は実年齢より外見が10歳プラスだから、外見だけは「オルシン」なのだ。

 今回の妻の場合も当然のことながら席を譲るのが自然である。妻は実年齢より10歳は若く見えるので、尚更である。私が立って妻が座っているだけでも「父親を立たせて座っている娘」という風情なのである。

 妻は韓国語が喋れないので仕草でハルモニに座るよう促すと、「次で降りるから」という返事。これくらいの韓国語だったら私にも分かるので「私たちも次ですから」と言ったが、結局座ってもらえなかった。

 「次」は西面である。

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 地上に出ると、まあ、大都会である。500万都市釜山の中心地なのだから当然だ。

 もう12時過ぎである。飯の時間だ。

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 手近な食堂に入り、ソルロンタンとカルビタンを頼む。
 店には一欠片の日本語もないが、少なくとも食い物に関しては私の韓国語は困らない。下手な韓国人より韓国の食べ物には詳しいかもしれないのだ(本当)。

 未だ嘗てこの2つは外れだったことがない。いつものように完食である。

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 店を出るとちょうどその方向に商店街が続いているので入ってみる。

 本当は別の目的があって西面まで来たのだが、とても楽しそうな感じなのでちょっとだけ足を延ばす気になったのだ。軽い気持ちである。

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 猫鮫が売られていたり、

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 穴子や鱈やグチや鰈が売られている魚屋が延々と続く。

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 可愛いワンちゃん。

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 歩いているうちに、ここは韓国で一番長い魚市場なのではないかと思い始めた。チャガルチ市場より長いような気がする。一番広いかどうかは知らないが、兎に角長い。
 そして、チャガルチ市場や南浦の街とは違い、日本人が歩いていない。

 私は魚市場が大好きなので、何処までも何処までも何時までも何時までも歩いていきたかったのだが、旅行者の悲しさ、生魚を買うわけにはいかない。本来の目的地に向かうことにした。

 私たちは日本の物よりも保温性に優れていると娘がいうダウンジャケットを西面の洋服屋街でそれぞれのために買う予定なのだ。

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 ファンテ(寒干鱈)を2匹買う(写真はホテルで撮ったもの)。1匹7000ウォンだから安い(んじゃないかな。相場がよく分からないが)。店のアジュンマ(おばちゃん)は魚を買う日本人は初めてだったのか、吃驚していた。

 街角で野菜を売っていたアジュンマに「服屋街はどこですか」と聞こうとするのだが
、「服」が韓国語では出てこない。「웆(ウッ)」だっけ、「옷(オッ)」だっけ。思い出せないので「洋服(ヤンボク)」と言ってみるが、通じない。やはり私の韓国語は日本人に慣れていない韓国人には通じないのだ。

 やむを得ない。

 これだけはやりたくなかったのだが、仕方がない。
 自分の服を手で引っ張りつつ、「ショピングセント、オットッケガヨ(日本誤訳:(服の)ショッピングセンターどうやって行きますか)?」。
 通じた。「ああ行って、こう行って、」というのは韓国語で返ってくるが、この程度の聞き取りなら大丈夫である。

 アジュンマに聞いた通りに行ってみる。
 妻はこういう場合疑い深そうに付いてくるのだが、今回はアジュンマのジェスチャーが分かったらしい。何のことはない。人類には相手の音声言語が分からなくても分かる共通言語があるのだ。

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 教えられた通りに行くと、地下街が現れた。
 何のことはない。さっき登ってきた地下鉄の駅の地下街である。

 後で調べてみると、私達が知らずに入っていった魚市場は釜田市場といい、釜山で最も大きな市場だそうだ。
 どおりで行けども行けども終わりがなかったはずだ。