政策の現場 -シンクタンクで日本を変える

シンクタンク「構想日本」ディレクター伊藤伸のブログ。 2013年1月まで内閣府行政刷新会議事務局参事官、もっと前には国会議員秘書。2013年9月より法政大学法学非常勤講師兼務。 政・官・民それぞれの立場での経験から見えてきた「政策の現場」を書いていきます。

初めての2日連続住民協議会! ~恵庭市と大刀洗町を徹底比較~

12月2日(土)は北海道恵庭市で、翌3日は福岡県大刀洗町で住民協議会。
初めての2日連続開催(コーディネート)。

ちょっと2つを比較してみた。
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   恵庭市住民協議会(ナビゲーターとして来ていただいた福嶋浩彦さん)

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            大刀洗町住民協議会(安丸国勝町長)

恵庭市大刀洗町
主催 市議会会派(複数)
行政
特徴会派主催の住民協議会は全国2例目2014年に全国で初めて開催。今回が4年、6テーマ目
回数 全3回中3回目全4回中1回目
無作為抽出手法 選挙人名簿から1000人を抽出住民基本台帳から500人を抽出
応募者数/応募率 15人/1.5%27人/5.4%
テーマ ゴミ問題防災
テーマに関する特徴・主な議論 現在ゴミは全量埋立て。平成32年度からの焼却場稼働に伴い維持管理費が上がることが予想されるため、行政としては既に有料化しているゴミ袋の値上げを検討。その必要性を中心として、市民がごみを減量している努力をはじめとして行っていることのインセンティブがどのように見える化できるか(恵庭市の生活系ごみ排出量は全国平均よりかなり少ない)などを議論。昨年度も防災をテーマに議論。その際は地震被害に関する議論が中心だったが、今年7月に起きた九州北部豪雨の際の行政や住民の動きに改善すべき点が見られたため、今年度も同じテーマとし、住民は災害時に冷静に動けるための想定ができるようにすること、行政は現在策定を進める避難所運営マニュアルの材料とすることを目的とする。
ナビゲーター(論点提起者) 井澤幸雄さん(一般財団法人小田原市事業協会代表理事、元小田原市企画部長、環境部長)、福嶋浩彦さん(中央学院大学教授、元消費者庁長官、元我孫子市長)福嶋浩彦さん
その他傍聴者数が3回で45名程度。類似の会合の中では異例の多さ。住民協議会は条例設置されており、無作為の住民のみの会議体が条例で定められている例は聞いたことがない。また、2015年度から高校生も参加しており今年度は2名。

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          恵庭市住民協議会実現の立役者、柏野大介市議

以下は、恵庭市の住民協議会の最後に委員の皆さんから一言ずつ感想を話してもらったものの抜粋。他の自治体でもそうだが、このコメントにいつも感動する。

●このように、世代や職業関係なく、みんなでしゃべれる場はとても重要。
●行政が目に見えない部分でがんばっていることがわかった。
●ゴミのことをこんなに考えたことはなかった。
●ゴミという単純に聞こえるけれど経費のことなどはとても複雑だった。一市民として、環境配慮につながる形で全体像を知る努力をしていきたい。行政も市民にわかりやすく全体像を示すことが必要と感じた。
●3回とも緊張していた。コストの削減だけが本当の目標ではないと思った。ちゃんとした判断であれば経費が掛かってもいいと感じるようになった。
●子どもの時にあまりゴミ問題が話題になっていなかったことに気づいた。
●目的が資源化なのかコスト削減なのかによって目指す方向が大きく違うことがわかった(コスト削減と資源化は違うことが認識できた)。このことはゴミ問題に限らずすべてのことについて言えるのではないか。
●ゴミのことを考える良い機会になった。市民の自覚として今後も主体的に考えていきたい。
●69000人分の1000人に当たったことは嬉しかった。将来の市民にツケを残さないように自分でできることをしていきたい。
●恵庭市は住民協働のまちづくりを標榜しいている。この協議会はそのモデルケースになる。


住民協議会を実施する自治体は、来年度さらに増加する可能性がある。「市民自治の実践例」としてのこの住民協議会をどんどん全国に広げていきたい。
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大刀洗町住民協議会には委員28名、傍聴者約20名のほか、職員が全83名のうち20名程度も参加!

コーディネーター論

私は、日本で一番事業仕分けに参加をしている(自治体は全230回中150回、政府や政党主催はすべて参加)。その大部分でコーディネーターを務めている。

時間管理、論点整理、論点出しなど、コーディネーターの役割はいくつかあるが、私が最も重視しているのは「空気づくり」だ。

空気づくりには、①会場の空気、②個々の議論における空気の2つの視点がある。

①は、傍聴者、職員、市民判定人(仕分けの評価を行うことを目的として無作為に選ばれた市民)など、会場全体の一体感をどう作るか。仕分け人は脳をフル稼働させる。テンションが高くなる人もいれば、逆に少し斜に構える人もいる。時には周りから「浮いた空間」となってしまう恐れもある。だからこそコーディネーターは、周囲の表情などを見ながら「熱さ」と「冷静さ」を使い分ける必要がある。議論終了後、自然に拍手が湧き起こった時は、場が一体となった証拠と感じる。これは最高に嬉しい。
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②は、個々の事業をいかにわかりやすく「解剖」していくか。そのためには質疑応答に連続性やストーリー性を持たせながら展開するのが理想的。なので、審議会のように順番に発言してもらうわけではない。さらに、議論する中で各仕分け人の特性がわかってくると、このタイミングで誰に発言してもらえば最も本質に食い込めるかを考えて、挙手していない人を名指しで当てることもある。これはコーディネーターの醍醐味と言える。

①は参加者の達成感や満足度を高めること、②は本質を突いた議論をすることに繋がると思っているが、これらは仕分けに限ったことではない。シンポジウムやフォーラム、少人数での勉強会であっても、満足度を高めることと本質を浮き彫りにすることは重要な成果指標であり、その達成のためには、その場を取り仕切る人間の力量が問われると考える。私自身、まだまだ目標の達成には至っていない。「伊藤がコーディネーターならこの場は安心」と思ってもらえるような環境を目指したい。

「これから税金を気持ちよく納めたくなった」(市民判定人)千葉県鴨川市事業仕分け初開催!

11月11日、12日に千葉県鴨川市で事業仕分けを初開催。

鴨川市は人口33000人程度(2005年に天津小湊町と鴨川市が合併)。
今年2月に初当選した亀田郁夫市長の強い意向により実施することになった。市長当選数日後に構想日本に来るほどのスピード感。

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市長の強い意向で実施が決まる場合、事務局になる課(今回は総務課)との温度差が出てしまうことが度々あるが、今回は市長のリーダーシップを絶好のチャンスに変えようととても前向きに準備をしてくれた。これまで実施した100以上の自治体の中で最も強い思いだったと言っても過言ではない。また、事務局以外の課の雰囲気も、研修を行うたびに、事業仕分けが対決型ではなく対話型である事を認識してくれて前向きに変わってきたと感じられた。

今回の事業仕分けは無作為による「市民判定人方式」で行った。住民基本台帳から2000人を無作為に選び送付、そのうち86人から応募。応募率4.3%は近年ではかなり高い方に位置する。参加者の構成は、女性が4割、最年少は18歳、40代以下が約3割など、従来の無作為同様、女性と若い世代の比率が高くなった。

準備のプロセスでは、以下の研修を実施した。
・7月下旬:全職員向け研修(事業評価の考え方、事業シートの書き方について)
 一般行政職280名程度のうち約230名が参加(2日間4回実施)。
・9月下旬:仕分け対象事業店頭課研修(仕分けの進め方、模擬仕分け)
・10月中旬:市民判定人向け研修、対象事業課との個別ヒアリング
 個別ヒアリングは昨年度からいくつかの自治体で実施。担当課ができる限り守りに入らないようにすることを目的とししている。
・事業仕分け前日:関係施設などの現地調査
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以上の準備の中での事業仕分け。感想を一言で言うと「とても良かった」。もちろん初めてで説明や資料の書き方に不慣れなところはあったが、噛み合った議論が多く、まさに対話型になっていたと思う。

また何より、判定人として参加した市民の満足度がとても高かった。以下は、終了後に市民判定人から一言ずつ感想を話してもらったもの。

●目から鱗だった。仕分け人の視点、コーディネーターのまとめ方が素晴らしかった。
●自分なりに良いと思っていた事業が議論を聞いていくうちに悪いとわかったりその反対もあったり、考え方のトレーニングになった。
●自分の生活においても時々仕分けをすることは必要と感じた。
●今まで行政に関心がなかったが、市への関心が大きく高まった。
●抽選に当たってうれしかった。18歳なのにこういう経験ができて良かった。また参加したい。(高校生)
●とても勉強になった。職員の気持ちも伝わったし、それを踏まえた上での仕分け人の専門的な視点が入ったので、必ずこの後良くなると思った。
●これから税金を気持ちよく納めていきたくなった。
●市民への情報公開、税金の使い道を考える意味という意味でとても意義があった。
●週末が休めない職場にいるけれど、無理して参加してよかった。
●鴨川に住んで5年。参加して本当に良かった。もっと若い人にも来てほしい。また参加したい(20代)
●今日の議論を、今後は市民が肉付けをしていく必要がある。
●手紙が来た時、億劫だった。1日参加してみて色々な考え方があることを勉強できた。
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このような感想をもらえるからこの稼業をやめられない(笑)。
鴨川がもっと住みやすくて満足度の高い町になるよう、これからも協力していきたい。
市長、総務課、対象事業担当課、市民のみなさん、本当にお疲れさまでした。

速報版として、既に仕分けの結果が鴨川市HPに掲載されています。

【メディア掲載】
毎日新聞

千葉日報

市民自治の最先端地域~群馬県太田市住民協議会~

10月28日(土)は群馬県太田市での住民協議会の第4回。この日が最終回だった。

住民協議会とは、太田市が無作為に1500人を抽出し案内を送付、その中で応募のあった50名(応募率3.3%)が3つの分科会に分かれて議論し、一定のとりまとめをするもの。
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議論をするにあたっての特徴がある。
1.「行政対住民」ではなく「住民同士」の議論になるよう心掛ける。そのための仕掛けとして、コーディネーターは市の職員ではなく外部の人間(構想日本選定)とする。
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2.行政はあらかじめシナリオを作ることなく、説明者や討論者の一員として参加する。行政が住民を「説得する」ためではなく、市の実態、事実を住民に対して「さらけ出す」ための資料作成をする。

3.「個人でできること」「地域でできること」から考える。行政への要望に終始するのではなく、課題解決のためにまず自分たちでできることから考える。参加者は課題とその改善策を「改善提案シート」に記載する(以下)。
改善提案シート

今回のテーマは「健康づくり」。
私がコーディネーターを務めた第1分科会では以下の3つのキーワードが重視された。
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1.「楽しさ」をどう作るか
 楽しくないと運動したり健康に気を付けても長続きしない。楽しさをどう入れらるかを考えようという議論が多く出た。例えば、健康診断の受診率が今は低い(特定検診の受診率が約33%)原因を考える中で、女性であれば美容に関する講演会の終了後、男性であれば退職後のライフプランや資産運用の相談会とセットで健診を行うなど。

2.「~しながら」を意識する
 仕事や家事が忙しいと運動や健康づくりの優先順位が高くならない。であれば、「バランスボールに乗りながら映画を見る」とか「子どもを抱っこしながら体を動かす」など、「~しながら」を少し意識すると、今までやれていないことができるようになる。

3.「やらなきゃダメ」の環境をつくる
 特に退職後の男性は、それまで地域活動に参加していない人も多いため家に閉じこもりがちになる人が目立つ。自由な時間は多くあるけれど何をしてよいかわからなくなる。だから、家族などが半ば強制的に何かに参加させることが重要。
 これは体だけじゃなく心においても同じではないか。心が健康でなければ外出する気持ちにもなれない。そんな時に「おせっかい」的に連れ出す人、1人でいたい時でも一緒にいようとして何も話さずにそこにいる人などがいると変わってくる。
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今回は最終回だったので、委員の皆さんに感想を書いてもらった。その中のいくつかを紹介する。

<協議会を通して変化があったことは?>
・健康に対して深く考えるようになり、食事も気を付けるようになった。
・健康に対する考え方が変わった。行政(市役所)が何をやっているのか考えるようになった。
・人と話をしていて、今まで聞き流していた様な事でも、何が問題なのかと気にするようになった。
・消極的であったが積極的に外にかかわりを持っていこうと思うことができた
・意見交換する楽しさを見出せた。皆さんの行動力や意識改革に刺激を受けた。
・太田市広報を隅々まで読むようになった。太田市のホームページを読むようになった。
・周囲に伝えるようになった。
・マラソンやトライアスロンに参加されている方に影響を受け、私も時間を見つけてランニングぐらいのことはしたいと思った。

<感想>
・大変楽しく参加させていただきました。自分の意見を発言する事は緊張感を伴うことで、頭を使ったりとなかなか難しいことでしたが、良い勉強となりました。今後も継続していくと良いと思います。
・色々な方の意見を聞くことができて、とても有意義な内容で勉強になりました。自分の考えをまとめて意見や文章にすることは難しく非力さを感じましたが、太田市の行政にこれからはより関心を持っていきたいと思います。
・「健康」というテーマで今まで関心をもっていなかったため、ためらいもありました。しかし、参加してみて健康というテーマは地域コミュニティにも関係しており、自分ごとにするだけでなく自分の視野を広めることのできる良い機会でした。
・異なる世代の方々と意見を言い合う経験は初めてに近かったので、大変新鮮で毎回楽しく参加させて頂きました。人生の先輩方が発せられる言葉は説得力があり、とても勉強になりました。最初の抽選は無作為のものでしたが、貴重な機会をありがとうございました。
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アンケートを読んでいて、涙が出るほどうれしかった。皆さんの意識が明らかに変化している。この変化こそが社会を変革する原動力ではないかと思う。国が政策を作ることで国民全員が幸せになるようなダイナミックなことはありえない。だからこそ、地道だけれど生活している一人ひとりが「自分ごと化」することの延長線上に国民みんなの幸せがあるのではないかと思う。そのお手伝いをしていることを誇りすら感じる。

最後に、私の分科会では「心の健康」についての議論がとても多くあった。
世界保健機関(WHO)は、健康について「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」と定義しているように、どれだけ屈強な体があってもストレスフルになっていれば「健康」とは言えない。心身両面に常に気を配らなければならないと思う。

「三原モデル」の確立~広島県三原市事業レビュー~

昨日、今日と、広島県三原市の事業レビュー。三原市としては4年目、構想日本が関わり始めて3年目、私が関わり始めて2年目。

構想日本が初めて協力した2年前は、市役所内での事業レビューを実施することの意識共有ができておらず、当日の議論やその後の見直しなどがあまりうまくいかなかった。その反省を踏まえ、昨年度から職員との接触を大きく増やした。

まずは、全職員向け研修そして事業評価事業レビューをする意味を説明。そして事業レビューの対象事業担当課向け研修、市民判定者(無作為で選ばれた市民)向け研修。さらにもう一つ、対象事業担当課と個別にヒアリングをし、事業シートの記載の修正や補足資料のアドバイスなどを行った。このプロセスによって、ある意味「怖い」と感じられていた事業レビューの印象を大きく変えることにつながったのではないかと思う。

そして今年。

全体的には去年同様にとても良かった。一番は、説明した職員が「対話」をしようという意識で議論に参加してくれたこと。この雰囲気はここ数年の事業仕分け・事業レビューの中でも随一と言える。

そして、市民判定者の皆さんの満足度の高さ。
市民判定者の感想を聞くと、
「来年も是非参加したい」
「市のことを自分の事として感じることができた。三原市の見方が変わった」
「このような良い取組みを終わらせてはいけない」

これに呼応するように、事務局となっている職員や、評価者役を務めた三原市の審議会の委員からも、「この方式は続けた方が良い」との声が。これは、当初来ることができないことになっていた天満市長がほんの10分でも傍聴に立ち寄られたり、副市長が空いている時間はすべて傍聴していたことも影響しているのではないかと感じる。

構想日本が関わり始めて3年間、ずっとうまく進められたわけではない。事業レビュー自体の進め方の課題もあったところを、一つずつ真剣に解決することを心掛けた。それだけに、上記の感想はとにかくうれしい。いつまでも三原市に関わり続けたい。
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以下は、2日間議論した事業の一言論点。

●防犯灯維持管理事業
 市内に7300ある防犯灯の管理は市が行い、電気代は町内会が負担、その一部を市が補助。
<論点>
・この事業の目的である犯罪の防止に効果があるかどうかの検証をより詳しくすべき(現在は刑法犯認知件数を成果指標としている。減少はしているが県内では多い方に位置する)。
・現在転換率が約30%であるLED化を一気に変えることによるメリットをより深く分析すべき。そのうえでメリットが大きいと判断した場合に、一括のリース化などの検討が必要。
・この事業は町内会と密接につながっている。そもそも防犯や防災と地域は切れない関係にあるが、防犯灯管理は生活環境課、町内会の対応は地域調整課、防災は危機管理監と分かれていることによる非効率が生じている可能性がある。
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●安心・安全事業
 町内会が設置する防犯カメラの補助、防犯連合会への補助。
<論点>
・担当課(生活環境課)が管理する防犯カメラは市が設置している全74台のうち10台程度。市全体の設置計画や設置基準があるわけではないため、他の課が管理する防犯カメラも含めて全体として設置計画を作るべき。
・刑法犯の中心が自転車窃盗と万引きであるという実態に応じたカメラの設置になっているか。
・防犯連合会への補助額(357万円)の根拠が不明確(現在、補助要綱策定の検討中、概ね人件費相当を出しているとの回答)。人件費相当を出すとしても、本当にそれだけの補助額が必要なのか活動のチェックをもっとすべき。
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●マイナンバー活用事業
 マイナンバーの申請者への交付事務、交付のための啓発、住民票や印鑑登録証明等のコンビニ交付にかかる経費。
<論点>
・交付率が現在12%(全国でも9%)。どこまでを目標とするのか。
・まだ交付が進んでいない段階でコンビニ交付を開始した理由(コンビニ交付の目的は、1.利便性の向上、2.業務効率化)。
・コンビニ交付開始により、市役所に設置していた住民票や印鑑登録証明の自動交付機を廃止。自動交付機を使用実績は昨年度6758件、比べて今年3月から開始したコンビニ交付の実績は634件。半年で比較しても5分の1程度に減少。そもそも、自動交付機を利用できる対象者(市民カードを持っていてパスワード設定をしている人)は23000人であったことに比べて、コンビニ交付を利用できるマイナンバーカード保持者は11000人。果たして、利便性向上につながるのか。
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●三原地域連携推進協議会補助
 市内にキャンパスがある県立広島大学(保健福祉学部)、商工会、行政が連携をして市民講座を開催したり、産業界と大学が連携をしての商品開発などを実施する協議会への補助。
<論点>
・目的が産学官の連携により「地域の発展を目指す」とされているが、目的が大きすぎて実際に協議会が行っていることと乖離している。
・市民講座の開催が中心にように見えるがそれが目的ではないし、さらに連携することも目的ではない。連携をして講座などを開いた先の成果を考えるべき。本当に目指しているのは、大学や産業界や地域に根差していることを認知してもらうことではないか。
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●障害者就労体験事業
 障害者の就労体験(数日程度)の受入可能企業を探し、さらに体験を受け入れてくれた企業に対して1企業当たり1万円の謝金を支払う。
<論点>
・1万円の謝金の有無によって企業が受入の意思を変えるわけではない(1万円には効果がない)。
・受入可能企業を探すことももちろん必要であるが、別事業で障害者の就労に関するコーディネートをNPO法人に委託している。そちらに統合すべきではないか。
・法律により障害者の雇用人数が決まっている(法定雇用率)。民間企業の法定雇用率は2.0%のところ、三原市の平均は1.94%、法定雇用に達していない企業は全体の47%(法律の対象は従業員100人以上の企業)。もっと重要な市の役割は、法定雇用率に達していない企業への指導やその実態調査・分析ではないか。
・就労体験受入企業を公表することにより、企業イメージのアップにつながらないか。
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●障害者優待乗車証・優待乗船券交付事業
 障害者の外出支援・社会参加を目的として、障害者のバスへの乗車運賃及び鷺島からの乗船料を無料にする。
<論点>
・バスの乗車証について、交付している2148人のうち何人が利用しているのかが不明。その実態調査ができていないため、この事業が障害者の外出支援・社会参加に効果があるのか不明。
・障害者のバス乗車料を市がバス事業者に補助をしているが、補助金額に決定手法が、年に2回の調査のみ。天候や曜日によって障害者の乗車数は大きく変化すると思われるため正確性に欠けるのではないか。
・乗船券と同じくバス乗車についてもチケット制にすることを検討すべきはないか。
・障害者の外出支援は船やバスの他に、福祉タクシーや自家用車のガソリン補助などがある。どれか一つに決めるというだけでなく市内の各地域で組み合わせることも検討すべきではないか、いずれにしてもそのための実態調査が必要。
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●消費生活相談センター事業
 インターネット通販や架空請求などの市民のトラブルに対して無料での相談窓口。
<論点>
・「解決提示割合」が99%ととても高いが、この割合は完全に解決した案件だけでなく助言をしただけのもの含まれるため、本当に解決に至っているのかフォローアップが必要。
・消費生活安全法により、個々の市町村で消費生活センターの設置が努力義務とされているが必ずしもすべての市町村ということではなく、近隣の市町村との広域設置の選択肢もある(全国的には事例あり)。消費生活に関する相談内容は市町村によって差異はないこと、また消費生活相談員のなり手が少ないことなどもあるため、広域化の検討も必要。
・広域化とは別の観点で、市民にとっては相談内容によって窓口が違うことよりも市役所に相談するレば解決の糸口が見つかるという安心感を持ってもらうことが重要。その意味で、三原市が行っている他の相談業務(市民相談や法律相談など)との一元化も検討すべき。現在は課が異なる。
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●国際化推進協議会
 国際交流事業(ニュージーランドへの訪問団派遣や受け入れ)、多文化共生事業(在住外国人と市民との交流)、インバウンド観光事業(訪日外国人への支援や情報誌への広告掲載)を行う協議会への補助。
<論点>
・補助事業ではあるが、国際化推進協議会の事務局は市役所で会長は市長。実質は直接実施になっている。現時点においては補助事業にすることの方が職員の業務量も多くなっている。
・市民意識調査による「国際交流ができる機会が充実していると感じる」割合が3.5%と極端に低く、事業の効果が出ていないと言える。
・多文化共生の観点では、約2000人いる在住外国人が住みやすいと感じているかどうかも重要。意識調査をすべき。

これらの論点が次に活かされればこれまたうれしい。

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プロフィール

伊藤 伸

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