政策の現場 -シンクタンクで日本を変える

シンクタンク「構想日本」ディレクター伊藤伸のブログ。 2013年1月まで内閣府行政刷新会議事務局参事官、もっと前には国会議員秘書。2013年9月より法政大学法学非常勤講師兼務。 政・官・民それぞれの立場での経験から見えてきた「政策の現場」を書いていきます。

「これから税金を気持ちよく納めたくなった」(市民判定人)千葉県鴨川市事業仕分け初開催!

11月11日、12日に千葉県鴨川市で事業仕分けを初開催。

鴨川市は人口33000人程度(2005年に天津小湊町と鴨川市が合併)。
今年2月に初当選した亀田郁夫市長の強い意向により実施することになった。市長当選数日後に構想日本に来るほどのスピード感。

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市長の強い意向で実施が決まる場合、事務局になる課(今回は総務課)との温度差が出てしまうことが度々あるが、今回は市長のリーダーシップを絶好のチャンスに変えようととても前向きに準備をしてくれた。これまで実施した100以上の自治体の中で最も強い思いだったと言っても過言ではない。また、事務局以外の課の雰囲気も、研修を行うたびに、事業仕分けが対決型ではなく対話型である事を認識してくれて前向きに変わってきたと感じられた。

今回の事業仕分けは無作為による「市民判定人方式」で行った。住民基本台帳から2000人を無作為に選び送付、そのうち86人から応募。応募率4.3%は近年ではかなり高い方に位置する。参加者の構成は、女性が4割、最年少は18歳、40代以下が約3割など、従来の無作為同様、女性と若い世代の比率が高くなった。

準備のプロセスでは、以下の研修を実施した。
・7月下旬:全職員向け研修(事業評価の考え方、事業シートの書き方について)
 一般行政職280名程度のうち約230名が参加(2日間4回実施)。
・9月下旬:仕分け対象事業店頭課研修(仕分けの進め方、模擬仕分け)
・10月中旬:市民判定人向け研修、対象事業課との個別ヒアリング
 個別ヒアリングは昨年度からいくつかの自治体で実施。担当課ができる限り守りに入らないようにすることを目的とししている。
・事業仕分け前日:関係施設などの現地調査
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以上の準備の中での事業仕分け。感想を一言で言うと「とても良かった」。もちろん初めてで説明や資料の書き方に不慣れなところはあったが、噛み合った議論が多く、まさに対話型になっていたと思う。

また何より、判定人として参加した市民の満足度がとても高かった。以下は、終了後に市民判定人から一言ずつ感想を話してもらったもの。

●目から鱗だった。仕分け人の視点、コーディネーターのまとめ方が素晴らしかった。
●自分なりに良いと思っていた事業が議論を聞いていくうちに悪いとわかったりその反対もあったり、考え方のトレーニングになった。
●自分の生活においても時々仕分けをすることは必要と感じた。
●今まで行政に関心がなかったが、市への関心が大きく高まった。
●抽選に当たってうれしかった。18歳なのにこういう経験ができて良かった。また参加したい。(高校生)
●とても勉強になった。職員の気持ちも伝わったし、それを踏まえた上での仕分け人の専門的な視点が入ったので、必ずこの後良くなると思った。
●これから税金を気持ちよく納めていきたくなった。
●市民への情報公開、税金の使い道を考える意味という意味でとても意義があった。
●週末が休めない職場にいるけれど、無理して参加してよかった。
●鴨川に住んで5年。参加して本当に良かった。もっと若い人にも来てほしい。また参加したい(20代)
●今日の議論を、今後は市民が肉付けをしていく必要がある。
●手紙が来た時、億劫だった。1日参加してみて色々な考え方があることを勉強できた。
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このような感想をもらえるからこの稼業をやめられない(笑)。
鴨川がもっと住みやすくて満足度の高い町になるよう、これからも協力していきたい。
市長、総務課、対象事業担当課、市民のみなさん、本当にお疲れさまでした。

速報版として、既に仕分けの結果が鴨川市HPに掲載されています。

【メディア掲載】
毎日新聞

千葉日報

市民自治の最先端地域~群馬県太田市住民協議会~

10月28日(土)は群馬県太田市での住民協議会の第4回。この日が最終回だった。

住民協議会とは、太田市が無作為に1500人を抽出し案内を送付、その中で応募のあった50名(応募率3.3%)が3つの分科会に分かれて議論し、一定のとりまとめをするもの。
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議論をするにあたっての特徴がある。
1.「行政対住民」ではなく「住民同士」の議論になるよう心掛ける。そのための仕掛けとして、コーディネーターは市の職員ではなく外部の人間(構想日本選定)とする。
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2.行政はあらかじめシナリオを作ることなく、説明者や討論者の一員として参加する。行政が住民を「説得する」ためではなく、市の実態、事実を住民に対して「さらけ出す」ための資料作成をする。

3.「個人でできること」「地域でできること」から考える。行政への要望に終始するのではなく、課題解決のためにまず自分たちでできることから考える。参加者は課題とその改善策を「改善提案シート」に記載する(以下)。
改善提案シート

今回のテーマは「健康づくり」。
私がコーディネーターを務めた第1分科会では以下の3つのキーワードが重視された。
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1.「楽しさ」をどう作るか
 楽しくないと運動したり健康に気を付けても長続きしない。楽しさをどう入れらるかを考えようという議論が多く出た。例えば、健康診断の受診率が今は低い(特定検診の受診率が約33%)原因を考える中で、女性であれば美容に関する講演会の終了後、男性であれば退職後のライフプランや資産運用の相談会とセットで健診を行うなど。

2.「~しながら」を意識する
 仕事や家事が忙しいと運動や健康づくりの優先順位が高くならない。であれば、「バランスボールに乗りながら映画を見る」とか「子どもを抱っこしながら体を動かす」など、「~しながら」を少し意識すると、今までやれていないことができるようになる。

3.「やらなきゃダメ」の環境をつくる
 特に退職後の男性は、それまで地域活動に参加していない人も多いため家に閉じこもりがちになる人が目立つ。自由な時間は多くあるけれど何をしてよいかわからなくなる。だから、家族などが半ば強制的に何かに参加させることが重要。
 これは体だけじゃなく心においても同じではないか。心が健康でなければ外出する気持ちにもなれない。そんな時に「おせっかい」的に連れ出す人、1人でいたい時でも一緒にいようとして何も話さずにそこにいる人などがいると変わってくる。
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今回は最終回だったので、委員の皆さんに感想を書いてもらった。その中のいくつかを紹介する。

<協議会を通して変化があったことは?>
・健康に対して深く考えるようになり、食事も気を付けるようになった。
・健康に対する考え方が変わった。行政(市役所)が何をやっているのか考えるようになった。
・人と話をしていて、今まで聞き流していた様な事でも、何が問題なのかと気にするようになった。
・消極的であったが積極的に外にかかわりを持っていこうと思うことができた
・意見交換する楽しさを見出せた。皆さんの行動力や意識改革に刺激を受けた。
・太田市広報を隅々まで読むようになった。太田市のホームページを読むようになった。
・周囲に伝えるようになった。
・マラソンやトライアスロンに参加されている方に影響を受け、私も時間を見つけてランニングぐらいのことはしたいと思った。

<感想>
・大変楽しく参加させていただきました。自分の意見を発言する事は緊張感を伴うことで、頭を使ったりとなかなか難しいことでしたが、良い勉強となりました。今後も継続していくと良いと思います。
・色々な方の意見を聞くことができて、とても有意義な内容で勉強になりました。自分の考えをまとめて意見や文章にすることは難しく非力さを感じましたが、太田市の行政にこれからはより関心を持っていきたいと思います。
・「健康」というテーマで今まで関心をもっていなかったため、ためらいもありました。しかし、参加してみて健康というテーマは地域コミュニティにも関係しており、自分ごとにするだけでなく自分の視野を広めることのできる良い機会でした。
・異なる世代の方々と意見を言い合う経験は初めてに近かったので、大変新鮮で毎回楽しく参加させて頂きました。人生の先輩方が発せられる言葉は説得力があり、とても勉強になりました。最初の抽選は無作為のものでしたが、貴重な機会をありがとうございました。
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アンケートを読んでいて、涙が出るほどうれしかった。皆さんの意識が明らかに変化している。この変化こそが社会を変革する原動力ではないかと思う。国が政策を作ることで国民全員が幸せになるようなダイナミックなことはありえない。だからこそ、地道だけれど生活している一人ひとりが「自分ごと化」することの延長線上に国民みんなの幸せがあるのではないかと思う。そのお手伝いをしていることを誇りすら感じる。

最後に、私の分科会では「心の健康」についての議論がとても多くあった。
世界保健機関(WHO)は、健康について「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」と定義しているように、どれだけ屈強な体があってもストレスフルになっていれば「健康」とは言えない。心身両面に常に気を配らなければならないと思う。

「三原モデル」の確立~広島県三原市事業レビュー~

昨日、今日と、広島県三原市の事業レビュー。三原市としては4年目、構想日本が関わり始めて3年目、私が関わり始めて2年目。

構想日本が初めて協力した2年前は、市役所内での事業レビューを実施することの意識共有ができておらず、当日の議論やその後の見直しなどがあまりうまくいかなかった。その反省を踏まえ、昨年度から職員との接触を大きく増やした。

まずは、全職員向け研修そして事業評価事業レビューをする意味を説明。そして事業レビューの対象事業担当課向け研修、市民判定者(無作為で選ばれた市民)向け研修。さらにもう一つ、対象事業担当課と個別にヒアリングをし、事業シートの記載の修正や補足資料のアドバイスなどを行った。このプロセスによって、ある意味「怖い」と感じられていた事業レビューの印象を大きく変えることにつながったのではないかと思う。

そして今年。

全体的には去年同様にとても良かった。一番は、説明した職員が「対話」をしようという意識で議論に参加してくれたこと。この雰囲気はここ数年の事業仕分け・事業レビューの中でも随一と言える。

そして、市民判定者の皆さんの満足度の高さ。
市民判定者の感想を聞くと、
「来年も是非参加したい」
「市のことを自分の事として感じることができた。三原市の見方が変わった」
「このような良い取組みを終わらせてはいけない」

これに呼応するように、事務局となっている職員や、評価者役を務めた三原市の審議会の委員からも、「この方式は続けた方が良い」との声が。これは、当初来ることができないことになっていた天満市長がほんの10分でも傍聴に立ち寄られたり、副市長が空いている時間はすべて傍聴していたことも影響しているのではないかと感じる。

構想日本が関わり始めて3年間、ずっとうまく進められたわけではない。事業レビュー自体の進め方の課題もあったところを、一つずつ真剣に解決することを心掛けた。それだけに、上記の感想はとにかくうれしい。いつまでも三原市に関わり続けたい。
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以下は、2日間議論した事業の一言論点。

●防犯灯維持管理事業
 市内に7300ある防犯灯の管理は市が行い、電気代は町内会が負担、その一部を市が補助。
<論点>
・この事業の目的である犯罪の防止に効果があるかどうかの検証をより詳しくすべき(現在は刑法犯認知件数を成果指標としている。減少はしているが県内では多い方に位置する)。
・現在転換率が約30%であるLED化を一気に変えることによるメリットをより深く分析すべき。そのうえでメリットが大きいと判断した場合に、一括のリース化などの検討が必要。
・この事業は町内会と密接につながっている。そもそも防犯や防災と地域は切れない関係にあるが、防犯灯管理は生活環境課、町内会の対応は地域調整課、防災は危機管理監と分かれていることによる非効率が生じている可能性がある。
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●安心・安全事業
 町内会が設置する防犯カメラの補助、防犯連合会への補助。
<論点>
・担当課(生活環境課)が管理する防犯カメラは市が設置している全74台のうち10台程度。市全体の設置計画や設置基準があるわけではないため、他の課が管理する防犯カメラも含めて全体として設置計画を作るべき。
・刑法犯の中心が自転車窃盗と万引きであるという実態に応じたカメラの設置になっているか。
・防犯連合会への補助額(357万円)の根拠が不明確(現在、補助要綱策定の検討中、概ね人件費相当を出しているとの回答)。人件費相当を出すとしても、本当にそれだけの補助額が必要なのか活動のチェックをもっとすべき。
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●マイナンバー活用事業
 マイナンバーの申請者への交付事務、交付のための啓発、住民票や印鑑登録証明等のコンビニ交付にかかる経費。
<論点>
・交付率が現在12%(全国でも9%)。どこまでを目標とするのか。
・まだ交付が進んでいない段階でコンビニ交付を開始した理由(コンビニ交付の目的は、1.利便性の向上、2.業務効率化)。
・コンビニ交付開始により、市役所に設置していた住民票や印鑑登録証明の自動交付機を廃止。自動交付機を使用実績は昨年度6758件、比べて今年3月から開始したコンビニ交付の実績は634件。半年で比較しても5分の1程度に減少。そもそも、自動交付機を利用できる対象者(市民カードを持っていてパスワード設定をしている人)は23000人であったことに比べて、コンビニ交付を利用できるマイナンバーカード保持者は11000人。果たして、利便性向上につながるのか。
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●三原地域連携推進協議会補助
 市内にキャンパスがある県立広島大学(保健福祉学部)、商工会、行政が連携をして市民講座を開催したり、産業界と大学が連携をしての商品開発などを実施する協議会への補助。
<論点>
・目的が産学官の連携により「地域の発展を目指す」とされているが、目的が大きすぎて実際に協議会が行っていることと乖離している。
・市民講座の開催が中心にように見えるがそれが目的ではないし、さらに連携することも目的ではない。連携をして講座などを開いた先の成果を考えるべき。本当に目指しているのは、大学や産業界や地域に根差していることを認知してもらうことではないか。
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●障害者就労体験事業
 障害者の就労体験(数日程度)の受入可能企業を探し、さらに体験を受け入れてくれた企業に対して1企業当たり1万円の謝金を支払う。
<論点>
・1万円の謝金の有無によって企業が受入の意思を変えるわけではない(1万円には効果がない)。
・受入可能企業を探すことももちろん必要であるが、別事業で障害者の就労に関するコーディネートをNPO法人に委託している。そちらに統合すべきではないか。
・法律により障害者の雇用人数が決まっている(法定雇用率)。民間企業の法定雇用率は2.0%のところ、三原市の平均は1.94%、法定雇用に達していない企業は全体の47%(法律の対象は従業員100人以上の企業)。もっと重要な市の役割は、法定雇用率に達していない企業への指導やその実態調査・分析ではないか。
・就労体験受入企業を公表することにより、企業イメージのアップにつながらないか。
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●障害者優待乗車証・優待乗船券交付事業
 障害者の外出支援・社会参加を目的として、障害者のバスへの乗車運賃及び鷺島からの乗船料を無料にする。
<論点>
・バスの乗車証について、交付している2148人のうち何人が利用しているのかが不明。その実態調査ができていないため、この事業が障害者の外出支援・社会参加に効果があるのか不明。
・障害者のバス乗車料を市がバス事業者に補助をしているが、補助金額に決定手法が、年に2回の調査のみ。天候や曜日によって障害者の乗車数は大きく変化すると思われるため正確性に欠けるのではないか。
・乗船券と同じくバス乗車についてもチケット制にすることを検討すべきはないか。
・障害者の外出支援は船やバスの他に、福祉タクシーや自家用車のガソリン補助などがある。どれか一つに決めるというだけでなく市内の各地域で組み合わせることも検討すべきではないか、いずれにしてもそのための実態調査が必要。
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●消費生活相談センター事業
 インターネット通販や架空請求などの市民のトラブルに対して無料での相談窓口。
<論点>
・「解決提示割合」が99%ととても高いが、この割合は完全に解決した案件だけでなく助言をしただけのもの含まれるため、本当に解決に至っているのかフォローアップが必要。
・消費生活安全法により、個々の市町村で消費生活センターの設置が努力義務とされているが必ずしもすべての市町村ということではなく、近隣の市町村との広域設置の選択肢もある(全国的には事例あり)。消費生活に関する相談内容は市町村によって差異はないこと、また消費生活相談員のなり手が少ないことなどもあるため、広域化の検討も必要。
・広域化とは別の観点で、市民にとっては相談内容によって窓口が違うことよりも市役所に相談するレば解決の糸口が見つかるという安心感を持ってもらうことが重要。その意味で、三原市が行っている他の相談業務(市民相談や法律相談など)との一元化も検討すべき。現在は課が異なる。
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●国際化推進協議会
 国際交流事業(ニュージーランドへの訪問団派遣や受け入れ)、多文化共生事業(在住外国人と市民との交流)、インバウンド観光事業(訪日外国人への支援や情報誌への広告掲載)を行う協議会への補助。
<論点>
・補助事業ではあるが、国際化推進協議会の事務局は市役所で会長は市長。実質は直接実施になっている。現時点においては補助事業にすることの方が職員の業務量も多くなっている。
・市民意識調査による「国際交流ができる機会が充実していると感じる」割合が3.5%と極端に低く、事業の効果が出ていないと言える。
・多文化共生の観点では、約2000人いる在住外国人が住みやすいと感じているかどうかも重要。意識調査をすべき。

これらの論点が次に活かされればこれまたうれしい。

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4年越しの市長の思いの具現化~岐阜県羽島市事業仕分け~

昨日、今日(23,24日)は岐阜県羽島市で初めての事業仕分け。
松井聡市長の強い思いによる実施。私が4年前に羽島市役所に行った際に初めて市長とお会いし事業仕分けの話をした際に関心を持たれ入念な準備を経て今回実現に至った。

何よりもすごいのが、イベントの多いこの時期の週末の中で、市長はほとんどすべての時間、傍聴していた。それこそが、強い思いの表れと言える。
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以下は、各事業の簡単な概要と一言論点。

●道路維持管理事業(事業費2億600万円)
【事業概要】
 自治会要望に基づいて行う補修工事(約1億2000万円)と道路・水路や街路樹の管理委託(約7800万円)
【一言論点】
・自治会からの要望箇所の優先度のランク付けが必要ではないか。
・さらに市民への透明性を確保するため、要望案件、そのうち市の基準をクリアしている案件、さらにその中の採択案件などをすべて公表すべき。
 ※28年度は要望件数のうち実施件数は約50%、適合件数のうち実施件数は約60%。
・そもそも自治会からの要望に基づいて道路補修をしていることを知らない市民が多いので周知をさらにしていく。

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●公園施設管理事業(6900万円)
【事業概要】
市内に67ある都市公園の管理。
【一言論点】
・市内を4つのエリアに分けて管理委託をしているが、結果的に同じ事業者が毎年同じ場所を受託している。エリアで一律に発注するだけでなく、規模の大小によって契約を複数にしたり、より専門の事業者にまとめて発注するなど、契約のあり方の工夫。

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●文化協会補助事業(90万円)
【事業概要】
文化団体から構成される文化協会への活動への補助
【一言論点】
・目的は文化の振興であれば、イベントの来場者数が成果なのではなく市民の文化的な意識がどのくらいあるかを調査すべき
・文化協会に加盟する19団体への助成金は会員数に応じて決まっているが、行っている事業に対しての補助への移行について
・イベント参加者が限定的(400人程度)。このままイベントを継続する必要性。

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●美術展・文芸祭・音楽祭開催事業(380万円)
【事業概要】
市が主催しての3つのイベントの開催事業。
【一言論点】
・文化振興のためのイベント開催をどこまで市が行うべきか
・文化協会補助事業との事業統合の可能性。文化協会補助事業と合わせて約500万円の事業費をどう使うかを考えるべき。
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●老人クラブ助成事業(1500万円)
【事業概要】
市老人クラブ連合会や自治会単位の老人クラブへの活動補助。
【一言論点】
・今後の市民活動について、老人クラブなど組織単位で考えるのか、地域単位(113の自治会や10の町自治委員会)で考えるのかの検討。
・老人クラブの加入率が全国平均よりも高い(31%)特徴を生かした強化策
・補助金の根拠の明確化

●保育所等育成補助事業及び障害児保育対策事業(3600万円)
【事業概要】
精度として国や県から補助金をもらっている事業以外の、保育園に関する市単独の事業。一時保育や延長保育をする保育園への助成や保育士の研修助成、障害児保育への補助金。
【一言論点】
・障害児保育の補助金は、障害児の数で決まっているが、保育園が障害児を受け入れるために加配する保育士の数の実態に合っておらず、障害児を受け入れるたびに園の経営を圧迫している状況。基準の見直しについて。
・認定こども園も含めた全11園すべてが私立で、かつ充足率が80%を超えている。さらに待機児童もおらず大部分の保護者が第1希望の園に入ることができているという意味で羽島市は先進的。さらに充実するために保育士の研修の強化や他市の状況の調査などの必要性。

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●花の郷推進事業(750万円)
【事業概要】
千葉市から寄贈された大賀ハスや葛飾区から寄贈された菖蒲の栽培管理をするための委託事業と、美濃菊のPRを目的とした菊花展実行委員会への負担金及び美濃菊保存会への補助金。
【一言論点】
・何が一番の目的なのかが不明確。ハスは観光資源として考えているのか? としたなら市内の他の資源よりも優先度が高いのか。
・観光資源として考えるなら農政課ではなく観光課が行うべきではないか。
・地域での管理の検討
・美濃菊の原産地が羽島市であることの周知の強化。
・ハスと菖蒲に500万円、菊に250万円の事業費である現状でコストバランスが合っているか。

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●地区集会施設建設事業補助金(850万円)
【事業概要】
113の自治会が所有する集会施設(現在61施設)の新設、改修等への補助金。
【一言論点】
・原則として自治会の財産になるものを税金でサポートすることの必然性。
・補助金を出すことの公益性があったと判断した場合の、その範囲(現在は全体の1/3,上限1000万円程度の補助金)の妥当性。
・防災の観点で考えた場合の耐震化の必要性(昭和56年以前の施設が多い)。

●防犯灯補助事業(840万円)
【事業概要】
防犯灯の新設や蛍光灯からLEDへの取替えの補助(補助率2/3)及び、電気代の1/3補助(防犯灯はすべて自治会所有)
【一言論点】
・LEDに取り換えることによるコストメリットや環境負荷の試算(現状できていない)
・自治会所有で設置や電気代の補助をする場合、市の所有で電気代は自治会負担(市からの補助金あり)の場合、市の所有で電気代も全額市負担の場合など多くのパターンがあるため、羽島市にとってのベストは何かを研究することの必要性

●広報紙発行・配布事業(2500万円)
【事業概要】
月1回発行の「広報はしま」の作成・印刷製本及び自治会にお願いしての配布(印刷会社から自治会長の自宅までの運搬はシルバー人材センターに委託)。
【一言論点】
・すべての市民が広報紙を読むことを目標としていることの実現可能性について(現在は自治会配布のため加入している74%+α)
・どのくらいの市民が読んでいるのかの意識調査の実施、本当に市民に伝えるべき情報の整理、情報過多にならない工夫
・若い世代に対応した媒体の整備(SNSやホームページなど)
・広告を取りに行く努力

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「市長リーダーシップを絶好のチャンスに変える」~千葉県鴨川市職員研修~

今年度、千葉県鴨川市では初めての事業仕分けを11月に開催する。
3月に就任したばかりの亀田市長の強いリーダーシップにより実施することになったもの。就任直後に構想日本まで来られ仕分けのことを勉強し、一気に実施を決めるということは、これまで230回行ってきた仕分けの歴史の中でも例がない。

24,25日の両日は、仕分けに向けた準備の一環として職員研修を実施。講師として参加した。
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今回の研修、うまくいったと思う。
そう感じている要因の半分は、今回の研修までの準備にある。

1回2時間×2回×2日=4回8時間の研修だったのだが、全職員の約7割にあたる260名もの職員が参加。参加が必須の職員以外にも希望者を募ったところ若手職員を中心に手が挙がったとのこと。このようなケースはあまり多くない。
その理由は、今回の取組みの事務局になっている総務課が「市長のリーダーシップをチャンスととらえて意義のあるものにしたい」と、入念な準備をしていたからだと思う。初開催の自治体の場合、事務局も「やらされ感」になることもあるが、鴨川市はまったく違った。とても前向きかつ丁寧に進めておられる。一緒に仕事をしていて気持ちが良い。
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もう半分は、終了後の職員のアンケート結果。
研修の必要性を感じてくれた職員が約95%(5%が必要性を感じてくれなかったことは私の反省点)。自由記載の良いものを取り上げると(笑)、「久しぶりに良い研修だった」「講師のすごい熱量を感じた」など(ちょっと熱すぎた感じもするが)。

研修では主に以下のことを話した。
●行政が税金を使って行うことは公益性は高い方が良い。自分の担当している仕事は公益性が高いかどうかを考えてみよう。公益性とは、「みんなの利益」になりうるかどうか。目に見えている数ではなく潜在的にみんなになりうるかどうか。

●公益性の高いこと=行政が行うことではない。個人、地域、NPO、企業など民が公益性の高い活動(パブリック)を担うが、その考えが行政職員も市民も浸透していないように感じる。

●日々の仕事で忙しい中でいつも上記のようなことを考えるのは無理。だからこそ事業評価や今回の研修のタイミングでほんの少し立ち止まって考えることが大切。

●全国どこの自治体でも事業評価を行っているがほとんどが機能していない。その理由は評価が次につながっていなくて事業担当課とすると負担感しか残らないから。意味のない評価はしない方が良い。しかし、立ち止まって考えることはとても大切で、その意味での評価はすべき。

●効果のある事業評価にするためには、庁内での評価業務(類似の帳票の作成)を簡素化することと翌年度の予算や事業の見直しへの反映を必須とすることが必要。評価の「選択と集中」を行うことで、事業担当課の負担軽減と意味のある事業シートの作成が可能になる。

●また、評価で使う事業シートを、顧客である市民に対して商品である事業を伝えるためのプレゼン資料という位置づけにすることで、市民の行政への不信感の打破につなげることもできるのではないか。

●上記事業評価の手法として事業仕分けがある。事業仕分けはコストカットすることだけが目的ではない。今回鴨川市では、外部の視点や市民にも関わってもらうことで今行っている事業の検証をし事業のやり方の見直しや職員の意識改革につなげたいと考えている。

●今回の事業仕分けは無作為の手法を使った「市民判定人方式」を実施。過去100回近く行ってきている中で、市民の意識の向上やこれまで行政がアプローチできていなかった層が参加することによる行政内での改善など効果が大きく出ている。
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このほか、決算カードから見る鴨川市の財政状況の分析や事業シートの書き方、2つの自治体の広報紙発行事業の事業シートを各自読んだうえで事業の中身の違いを考えてもらう時間もとった。

鴨川市の財政の一番の課題は債務の多さと感じる。人口当たりの地方債残高はかなり上位。合併したことによる地方交付税の特例期間が終わり交付税が減額している最中で収入は落ちている一方で、浮上費の増大に伴う歳出増という状況において、いかに債務を減らしていくかは重要かつ喫緊の課題だと感じる。

また事業シートはきれいに書くことが目的なのではなく、これを書くときに「自分の仕事は何のためにやっているんだ?」「この事業のゴールってなんだ?」などを自分の頭の中で考えたり、隣の席の人と少し話すプロセスことこそが重要。
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鴨川市の事業仕分け本番は11月11日(土)、12日(日)。
それまでに、対象事業担当課研修、対象事業ヒアリング、市民判定人向け研修など、たびたび鴨川市には行くことになる。
鴨川市の仕分け、是非ご期待ください。
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