10月28日(土)は群馬県太田市での住民協議会の第4回。この日が最終回だった。

住民協議会とは、太田市が無作為に1500人を抽出し案内を送付、その中で応募のあった50名(応募率3.3%)が3つの分科会に分かれて議論し、一定のとりまとめをするもの。
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議論をするにあたっての特徴がある。
1.「行政対住民」ではなく「住民同士」の議論になるよう心掛ける。そのための仕掛けとして、コーディネーターは市の職員ではなく外部の人間(構想日本選定)とする。
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2.行政はあらかじめシナリオを作ることなく、説明者や討論者の一員として参加する。行政が住民を「説得する」ためではなく、市の実態、事実を住民に対して「さらけ出す」ための資料作成をする。

3.「個人でできること」「地域でできること」から考える。行政への要望に終始するのではなく、課題解決のためにまず自分たちでできることから考える。参加者は課題とその改善策を「改善提案シート」に記載する(以下)。
改善提案シート

今回のテーマは「健康づくり」。
私がコーディネーターを務めた第1分科会では以下の3つのキーワードが重視された。
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1.「楽しさ」をどう作るか
 楽しくないと運動したり健康に気を付けても長続きしない。楽しさをどう入れらるかを考えようという議論が多く出た。例えば、健康診断の受診率が今は低い(特定検診の受診率が約33%)原因を考える中で、女性であれば美容に関する講演会の終了後、男性であれば退職後のライフプランや資産運用の相談会とセットで健診を行うなど。

2.「~しながら」を意識する
 仕事や家事が忙しいと運動や健康づくりの優先順位が高くならない。であれば、「バランスボールに乗りながら映画を見る」とか「子どもを抱っこしながら体を動かす」など、「~しながら」を少し意識すると、今までやれていないことができるようになる。

3.「やらなきゃダメ」の環境をつくる
 特に退職後の男性は、それまで地域活動に参加していない人も多いため家に閉じこもりがちになる人が目立つ。自由な時間は多くあるけれど何をしてよいかわからなくなる。だから、家族などが半ば強制的に何かに参加させることが重要。
 これは体だけじゃなく心においても同じではないか。心が健康でなければ外出する気持ちにもなれない。そんな時に「おせっかい」的に連れ出す人、1人でいたい時でも一緒にいようとして何も話さずにそこにいる人などがいると変わってくる。
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今回は最終回だったので、委員の皆さんに感想を書いてもらった。その中のいくつかを紹介する。

<協議会を通して変化があったことは?>
・健康に対して深く考えるようになり、食事も気を付けるようになった。
・健康に対する考え方が変わった。行政(市役所)が何をやっているのか考えるようになった。
・人と話をしていて、今まで聞き流していた様な事でも、何が問題なのかと気にするようになった。
・消極的であったが積極的に外にかかわりを持っていこうと思うことができた
・意見交換する楽しさを見出せた。皆さんの行動力や意識改革に刺激を受けた。
・太田市広報を隅々まで読むようになった。太田市のホームページを読むようになった。
・周囲に伝えるようになった。
・マラソンやトライアスロンに参加されている方に影響を受け、私も時間を見つけてランニングぐらいのことはしたいと思った。

<感想>
・大変楽しく参加させていただきました。自分の意見を発言する事は緊張感を伴うことで、頭を使ったりとなかなか難しいことでしたが、良い勉強となりました。今後も継続していくと良いと思います。
・色々な方の意見を聞くことができて、とても有意義な内容で勉強になりました。自分の考えをまとめて意見や文章にすることは難しく非力さを感じましたが、太田市の行政にこれからはより関心を持っていきたいと思います。
・「健康」というテーマで今まで関心をもっていなかったため、ためらいもありました。しかし、参加してみて健康というテーマは地域コミュニティにも関係しており、自分ごとにするだけでなく自分の視野を広めることのできる良い機会でした。
・異なる世代の方々と意見を言い合う経験は初めてに近かったので、大変新鮮で毎回楽しく参加させて頂きました。人生の先輩方が発せられる言葉は説得力があり、とても勉強になりました。最初の抽選は無作為のものでしたが、貴重な機会をありがとうございました。
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アンケートを読んでいて、涙が出るほどうれしかった。皆さんの意識が明らかに変化している。この変化こそが社会を変革する原動力ではないかと思う。国が政策を作ることで国民全員が幸せになるようなダイナミックなことはありえない。だからこそ、地道だけれど生活している一人ひとりが「自分ごと化」することの延長線上に国民みんなの幸せがあるのではないかと思う。そのお手伝いをしていることを誇りすら感じる。

最後に、私の分科会では「心の健康」についての議論がとても多くあった。
世界保健機関(WHO)は、健康について「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」と定義しているように、どれだけ屈強な体があってもストレスフルになっていれば「健康」とは言えない。心身両面に常に気を配らなければならないと思う。