政策の現場 -シンクタンクで日本を変える

シンクタンク「構想日本」ディレクター伊藤伸のブログ。 2013年1月まで内閣府行政刷新会議事務局参事官、もっと前には国会議員秘書。2013年9月より法政大学法学非常勤講師兼務。 政・官・民それぞれの立場での経験から見えてきた「政策の現場」を書いていきます。

市原市

「『自分のまち』という意識が強くなった」~市原市「市民点検」~

昨日と今日は、市原市「市民による事業点検」。
4班体制で、コーディネーターは構想日本メンバー(株式会社三浦漁業公社常務取締役 石渡秀朗さん、厚木市社会教育部長 荒井英明さん、逗子市秘書広報課長 石井聡さん、伊藤伸)、点検員はすべて無作為抽出によって選ばれた市民。全国でも初めての取り組み。

雰囲気については、市原市で今回の責任者である総務課長の高澤さんの投稿をご覧頂きたい。
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今回、参加された市民は、若い人や女性が多いのが特徴だった(今日の午前の私の班は4人中3人が女性)。さらに、点検補助員という立場で、高校生にも参加してもらったがこちらも新鮮な視点で発言されており、大変素晴らしかった。

私の班では、最後に市民の皆さんから感想を聞いた。そのコメントをご紹介したい。

・普段考えていなかった行政のことを考えた。良い時間だった。
・他の人、多様な世代の意見を聞くことで自分の考えの幅が広がった。これから就職活動をするにあたって、材料が増えた。
・「自分のまち」という意識が強くなった。
DSC_0926・このような取り組みにトライしたのは素晴らしいこと。今まで以上に市の事に関心を持つことになった
・市民にも痛みを感じてもらう勇気が必要だということがよくわかった。
・自分の意見が言える場はとても貴重。大変良い場だった。
・ 色々なことを考え聞くことができ、とても楽しかった。


(以下、高校生)
・怖いかと思っていたがまったく違った。とても勉強になった。
・高校生でこのような体験できることはとても貴重。参加してよかった。

(以下、説明者)
・自分たちの仕事を知ってもらうこと自体が嬉しい。自分たちでも迷いのあった点がやはり指摘された。
・点検員と同様のことを感じながら対策が打てていないことを実感し反省。
・このような場に来られた方の意見こそが市民ニーズだと感じた。

このコメントを聞いて、この取組をやって良かったと実感。もちろん改善点はまだまだあるが、市民が行政のことを自分事に感じるための大きな一歩は踏めたのではないか。

また、説明員となった職員と「対話」による言葉のキャッチボールが十分に出来ていたと感じる。それは説明員側も同様に感じていてくれたのではないかと終わってみて感じる。

今日は傍聴に、市原市の職員のほか、広島県三原市の市議や館山、富津など県内他自治体の職員も来られていた。既に波及効果が出始めていると言える。 

次は8月6,7日(土、日)9時~16時半です。是非傍聴にお越しください。

「職員が事業を自分事化するための総点検」~市原市職員研修~

昨日は市原市で職員研修講師。

市原市は今年度、事業仕分けの手法を活用して、「事務事業総点検」を行う。大きな特徴は、全1300事業のうち、100事業程度は市民点検(その他は職員による点検)を行うこと。さらに、4000人を無作為抽出して案内を送付し応募のあった人が市民点検の点検員となる(コーディネーターは構想日本メンバー)。

これは全国でも初めてのケース。 

市原市では、今回の総点検の目的を、
「職員一人ひとりが従来の発想に捉われず、第三者との対話を通じて知恵を絞り、市の様々な事務事業を『他人事』ではなく『自分事』と捉え、仕事に誇りと責任感を持てるよう意識の改革を図る」
としています。

「職員自身の自分事化」。
まさに構想日本の考え方と一緒です。
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この日の研修の演題は、 「事業シートから自分の仕事を見直す」。
そもそも、行政が税金を使って行うことの意味や公益性とは何か、という考え方の話や、何のために行政評価を行うのか、現状の課題とその解決策、2つの自治体の同じ事業の事業シートを見比べて、事業の中身やシートの記載の仕方について、どこが違うのかを考え発表するグループワークなど。2時間半の研修を2回。トータル5時間! 合計140名の職員が参加されました。終了後は若干声がかすれます(笑)。

行政評価は、どこの自治体でも事業担当課からすると、日々の業務で忙殺される中での評価なので、やらされ感や負担感が大きくなってしまいます。しかし、1年のうち1回くらいは自分の仕事を違う角度から見て、「何のためにやっているのか」「この事業のゴールって何なのか」などを考えることは間違いなく必要だと私は思います。

今回、「きれいなシートを書くことが目的なのではない。シートの項目を埋める時間は、自分の仕事を振り返るための時間にして取り組んでみると、このような評価がやらされ感だけでは終わらなくなる」ということを何度も繰り返して話しました。
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まだまだ伝えきれなかった部分もあったと思いますが、参加者アンケートの結果を見ると、8割程度の方が「研修内容を理解できた」「今回の総点検を有効だと思う」と回答されていたのでひとまずは安心しています。

今回の事務局となっている総務課の課長が構想日本の事業仕分けに関する研修を受けたのが昨年。この手法を市原でも取り入れたいとの思いから、半年の間で一気に形にされました。このこと自体、行政を「自分事」ととして捉えているからこそできたのではないかと思います。

この課長の思いに応えるためにも、今回の総点検が、市民にも職員にも「やってよかった」と思われるよう協力していきたいと思います。

市原市の市民点検は公開で行われます。7月23,24日(土、日)と8月6,7日(土、日)の4日間。是非傍聴にお越しください(場所はいずれも市原市役所議会棟)。

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