2006年03月01日

乳がんが見つかった 3

「がんかもしれない」といわれたその夜、夫はなにやらインターネットで調べています。さっそく乳がんに関する情報をあれこれ集めているよう。
「ねえねえ見て。乳がんって、こんなしくみになってるんだ」。
ことさらいつもと同じような表情で、患者さんのマンモグラフィ画像を私に見せてくれるので すが、私はなんとなく機嫌が悪い。
「私のがんなんだから、私がいちばん知っていたい。主導権を握るのは私なんだからね!」
 心の中はこんな感じ。いきなり、なんでもわがままのいえる特権階級になってしまったみたい。この日はもう何も考える気がしなくて、さっさと寝てしまいました。
 2日後。医師に指定された時間に病院に電話をかけました。出先だったので、落ち着いて話せるベンチを探し、心の準備をしてから思いきって携帯電話を耳にあてました。
「細胞診の結果なんですけれど、針生検ではなくて、もう少し別の検査が必要になってきました」
「この間の検査では良性であるといえる材料が見当たらない、ということですか?」
「いや、むしろ悪性の可能性が高いです」
 翌日の病院の予約をとって電話を切ってから、すぐに夫に電話。
  不思議なことに「がんではないか」と心配していたときよりも、今度はずっと冷静でいられました。いっそ目標がはっきりした。そんな気持ちです。
 弱気になったら切りがない。立ち向かおう。
 帰りに本屋に寄って、まずは参考書。初心者なので、読んでいてめげないように、明るい装丁のムックで、乳がん治療に関する全般的なことが書いてありも
のを選びました。ぱらっとめくってみるけれど、あまり頭に入りません。
 次の日。訪ねるようにと医師が指定したのは点滴センター。丸いテーブルを中心に、3〜4人の女性たちが点滴をしています。すぐに、抗がん剤での治療を
しているのだと気がつきました。
 診察室で改めて説明を受けました。
 先日取ったしこりの細胞の病理結果報告書を見ながら、「やはり硬がんでした」。そしてまた、ポイントになる言葉を書き付けながら「太めの針を使った針
生検で、ホルモン治療が有効かどうかや、細胞の悪性度などがわかります。が、今後の治療方針を決定するうえでいちばん重い因子となるのが、腋の下のリン
パ節に転移しているかどうかです。それを確認するために、センチネルリンパ節生検という検査をやっていただきます」
「今のところ、がんの大きさは2センチ以下で、リンパ節に転移はしていない可能性です」
「がんの治療には、手術、抗がん剤やホルモン剤、分子標的薬剤などの薬を使うもの、放射線による治療が行われますが、あなたの場合はまず手術をすることになるでしょう。ただ、私は血液治療の担当なので、この次からは外科の先生に引き継ぎます」。
 いきなりこの点滴センターで、抗がん剤治療をするのではなかったのね。
外科の医師との面接を次の週に予約して、精密エコー検査、MRI検査の予約をしてこの日は終わり。
 この病院のホームページで、改めて診察を受ける外科医のプロフィールをみてみたけれど、大学を卒業した年度がわかるくらいで、あまりたいした情報はあ
りません。私を見てくれるのがどんな先生なのかは、よくわからないのです。

  

Posted by shingo67 at 06:46Comments(3)TrackBack(0)

2005年10月15日

書のアートブック「キャレモジ」

「キャレモジ」というアートブックの
編集を進めています。
12月5日アシェット婦人画報社から出版されます。
キャレモジ」とは伝統的な日本の書を
現代感覚で表現したアートで、
テレビや新聞雑誌でもしばしば紹介され、
密かなブームを起こしています。
背景には、ライフスタイルの欧米化が進み、
床の間に掛け軸という古くからの書の伝統が、
失われつつあるという事情がありました。
これまで書といえば習字や書道と、
お稽古事のイメージが優先していましたが、
「書」本来のファインアートとしての価値を再発見し、
新たなムーブメントを作りつつあるのです。
「キャレモジ」は現代空間にも飾ることができるよう、
新しい装いで書を見せる新感覚のアートです。



  
Posted by shingo67 at 20:58Comments(1)TrackBack(0)