初めての欧州車、LANCIA PRISMA 1.6ie。
コンパクトで上品なスモールランチア。
確かに京都に移動する前にもう1台増車する必要があったが、まさか本当にランチアを買ってしまうとは思わなかった。
当時の東京の住まいは目黒通りと環八に近く、土日ともなれば夫婦でディーラー巡りをするのが楽しみの一つ。
JAX,,、チェッカー、オートロマン、アトランティック、そして・・・・。
何度か足を運んだガレージ伊太利亜。艶かしいマセラティと憧れのランチア。
営業担当者が主人に言葉をかけた。「試乗してみませんか?」
試乗車として用意されたのはプリズマより一回り大きなTEMA ie Turbo。
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ジウジアーロデザインのバランスの良いプロポーションにLancia blueを施した1台。
回すと実にイタリアらしい官能的な金管音が響き渡る。
しかし、決して速い車ではない。音だけ30m先を行ってしまう。
何かの車雑誌にも書かれていた。「まるで自分の運転が上手が上手くなったような気にさせる」
素晴らしいのが、ナチュラルなステアリング・フィール。
先日体験させていただいたDELTA同様、やはりランチアの操舵感覚は今まで体験した車の中でもトップクラス。
実はプリズマを運転するために私がひとつ克服しなくてはならないのが“左ハンドル”
初めから何の抵抗も無く操作してしまうカンの良い人もいれば、鈍い人もいる。
納車後暫くは助手席に専任していた。
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今から思えばこの組み合わせが一番濃濃く思える。後に117Coupeの次の車となったシトロエンBXと。
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ラテンの醍醐味、イタリア車ならではの洗礼も当然ながら受けた。
納車間もなくエンジンの異常高回転。スロットルワイヤが引っ掛かったのか何かは忘れたが、もちろん即入院。
ボンネットを開けた。エンジンルーム内部に明かりが点いていて明るい。「さすがイタリアの車は日本車に無い配慮が・・いや違う!」スモール球がソケットごと脱落してエンジンルームを照らしていたのだ。
そもそもイタリア車がそんな配慮するハズ無い。
スタンドで手洗い洗車を頼んでその場を離れた。戻ってくるとスタッフが何やら内部を一生懸命拭いている。「水かけたら内部が濡れてしまったんです」よく見たらドアのヒンジが曲がっていて隙間がある
もちろん入院、整形治療。
・・・・・・・etc
あんまり入院するのでディーラーも気の毒に思ったのか代車を出してくれるという。
会社から帰ると駐車場にマセラティ・ビトゥルボが停まっていた。
そんな訳で、何が起きても驚かないラテン車乗りの精神はしっかりと身についた。
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カーグラフィックが選んだ「女性が似合う車」がプリズマだった。
TVではプリズマの運転席に向かって歩いて行く女性の後姿が映し出される。
車選びのセンスを褒められているみたいでちょこっと嬉しかった。 |
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