2006年11月01日

メディカルツーリズムとインドシフト

約一年前頃に、大前研一のBBT(ビジネスブレークスルー)大学院大学の衛星放送番組がネット上で見放題になるというキャンペーンがあった。膨大な過去の番組の中から最初に選んだのはインドの経済事情に関する番組だった。

その中で、大前氏はインドにおける医療のアウトソーシング、“メディカルツーリズム”の話に触れた。メディカルツーリズムとは、“こんにちは、はいさようならの一般的な一日単位の治療ではなく、手術コストの安いインドで、施設の充実した病院に入院し、旅行気分でゆっくりじっくりいい治療を受ける。”という意味であり、“基本的に欧米人を対象としており、規模が大きい病院は、欧米にも病院を持っていて、そこへ訪れた患者をインドへ送っている。”という現状があるらしい。また、“年間10万人を超える患者がインドへ渡っている”と現状を報告していた。

2005年のBBTの番組が何年度の統計を使っているのか分からないが、シリコンバレーのコンサルティング会社Blueshift Global Partnersの渡辺社長のブログ、『On Off and Beyond』で、先日、メディカルツーリズムに関する非常に分かりやすい記事がアップされており、“去年一年間で海外に手術や歯の治療をしに行ったアメリカ人の数、なんと50万人”…と報告されていた。更に、“メディカルツーリズム”ではなく、“メディカルバケーション”という語句に進化していた。“ゆっくりじっくり治療、療養するだけでなく”“リッチなホテルに泊まって観光もしちゃおう”というのが“メディカルバケーション”だそうだ。

アメリカ人の600人に1人。これを多いと見るか少ないと見るかは個人の判断によるが、渡辺氏のブログによるとNew York Timesにメディカルバケーションに関する記事が掲載予定であったりと、人々の認知度はどんどん高まっているようだ。海外の方が安くて、技術も十分だ、と聞いて、出向かない人はほとんどいないだろう。

話は変わるが、インドでは保険未加入者が圧倒的に多いため、医療費が安くなるのならと、新薬投与実験に協力的なインド人患者が多数いるそうだ。動物実験のハードルも低く、新薬の治験をインドにアウトソーシングする傾向が世界中で広がっている、とのこと。

医薬だけではない。現時点でITのエンジニアは中国よりもぶっちぎりで多く、CMMレベル5の企業は70社以上ある。もともと英語を話すため、国際競争でも有利なわけだ。イギリスの弁護士、経理士、医者の多くがインド人だという話もある。世界中の特許を取得するのは非常に手間とコストのかかる仕事だが、インドでは特許取得のコンサルティングも行っている。

インドの人口が多いことは言うまでも無いが、中国と比べて有利なのは若年人口が多いこと。つまり近未来的に、労働力はインドの方が高くなる、という見解がある。韓国はユニークな立場を築くため、早々にインドシフトを開始し、韓国人をトップにおいて周りをインド人で固めるという体制を組んだり、積極的に投資を行ったりしているという。日本も出遅れるわけには行かない。ただし、ここで注意すべきは、あくまで生き残りをかけた競争をしないこと。これは中国シフトの際の注意点と同様である。戦うのではなく共存のため、お互いが特化したドメインを持ち、他のドメインを補完しあうという体制を組んでいく必要がある。それはグローバル経済の本質でもある。

投稿:保田裕二


shinodakai at 17:08│Comments(2)TrackBack(0)経済 | 保田

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この記事へのコメント

1. Posted by スタービーチ   2011年07月12日 15:36
熱い復活の声と共に前回より更にパワーアップして帰って来ました!スタビことスタービーチ
2. Posted by セフレ   2011年07月20日 13:19
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