老年学者 澤岡詩野のつれづれblog

「高齢期のゆるやかなつながりづくり」に取り組む楽しむ事が大好きな研究者が、毎日の生活で発見した諸々を綴る・・・

「オンオクリ」への一歩

働くようになって自分の人生史上一番長いお盆休みを頂いている今年.
2歳児の唇にできた大きな口内炎騒動ではじまり,前半は空いている小児科を探して右往左往し,色々と企画を考えていたオカンは凹むことしきり.

口がいたいと泣き叫び,とにかく食べず,飲まずな2歳児をあの手この手で少しでも水分を取らすべくジィジにバァバも四苦八苦.
水すらも嫌がる2歳児の口にあったのが,バァバが探してきた某チチヤスが出す乳酸菌飲料で,とにかくそれはストローで飲むことがわかり一安心.

これは大丈夫だよ,お医者さんがそう言っていたからなど,2歳児の酷い口内炎には暗示も大切だということを学びつつ,ふと眺めたテレビには2歳児が行方不明になっているニュース.
子どもができてから子どもネタにはすぐに涙腺崩壊状態になるワタシは,もうワガコトの様に心配になり,愚図り続ける我が子を抱きしめつつハラハラ.

そんな数日が過ぎ,ある日「先生の言う通り,治った~」と自ら治った宣言をだしたムスメを膝に抱え眺めるテレビには「2歳児,発見!無事」とのニュース速報が.
良かった~と思いつつ,ようやく冷静にテレビを眺める余裕ができたワタシは,久々に「抱っこ~」「おかあさん,いたい~~,オクチ~~~」という声を聞かずにすむ朝食を愉しみつつ一息.

その後に驚いたのはムスメの回復力と,2歳児を押しかけて救助したシニアの男性ボランティアの話.
朝から入れ代わり立ち代わりテレビ局が同じようなインタビューを繰り返し,疲れているのに丁寧に体操する姿と,どんどん家の中まで見せてしまう人の良さに少しハラハラ.

何度も同じようなお話が繰り返されるなかで感じたのが,この男性がボランティアで困っている子どものもとに救助に向かう理由.
それは誰かの為とか,やってやっているという事ではなく,自分が今まで世話になったそのお返しだからという自然な動機.

いやいや,アタシだって死ぬほどたくさんの人に助けてもらって今があるけれど,そこまではできないよね….
この人を突き動かすものは何なんだろう…,などと第一発見者が怪しいとドラマ張りの疑惑の目をむけた自分を反省….

しつつ思い出したのが,誰かの為に自分の知識や時間をシェアするシニアの皆さんの口から飛び出す言葉.
「だって気になるから」「だってお世話になったから」「だって求められているって嬉しくて楽しいし,自分の為」なんていう言葉の数々は,この男性ボランティアと近いのかな~なんて思ったりして.

そう,おそらくは調査で出会ったシニアの皆さんと同じで,「誰かに表彰されたい」「勲章が貰いたい」「評価されたい」という第三者は関係ないはず.
改めて,ワタシにできる無理ない感じの「オンオクリ」への一歩をってなんなんだろう…と考える,いわゆるボランティアや奉仕という言葉に違和感を感じているアラフォー女子.

もう一つ考えるのが,マスコミの皆さんはあの男性ボランティアをもう少しほおっておいた方が良いのではないかということ.
集中的に一人の人間をヒーローに祭り上げることで,この男性の本当の姿がどんどん伝わらなくなっているわけで,ユルユルとマイベースで長く今の在り方を続けていく為に,もう静かにして差し上げてはいかがかと….

好きになり過ぎる「ダメ女子」

講演をお引き受けさせて頂く際に一番に大切にしていることは,企画する側の想いを知るコト.

●●大学の教授でもなんでもないワタシなんぞに声をかけて下さる位なので,いわゆるヒトを集めれば良い,講演会やシンポジウムを開催した事実が必要というニーズではないことは確か.

 

ワタシに期待すること,言い換えれば,ワタシの言葉を通じて地域の皆さんに伝えたい企画側の意図があるはず.

ご依頼先に出かけていけば,その地域に暮らす人の生活が見えたりで,収穫も大きく,先日も炎天下を某区に遠征.

 

自治体の場合,職員が23年おきに区内を異動しており,始めて伺う区でお付き合いのあった職員さんに出会うことも少なくない.

先日の某区でも,数年前に他の区で講演させて頂いた際にお世話になった方が現れビックリ!

 

一気に話が盛り上がった勢いで突入した講演の打合せでは,外からは見えない地域の裏事情などもうかがえ,講演の内容もかなり深く掘り下げられて大満足.

した処で話が向いたのは,ワタシの講演の次に登場するメインゲストである地域で活動する団体さんのこと.

 

偶然にワタシも以前からお付き合いのある団体さんで,折角なので講演のなかに団体さんの凄いポイントを現すキーワードを入れ込もうということに.

驚いたのは,区の担当者さんが話す団体の姿とワタシが今までのお付き合いを通して理解してきた姿がかみ合わない事.

 

日常的に接点があるからこそ見える問題を挙げられた際には,大好きな団体さんだけに,けなされた様にも感じてしまいしばし沈黙.

その後,反論をしょうと思ったものの,時間切れということもあり,なんとなくウツウツとした気持ちでの帰路.

 

電車に乗り,担当者さんの言葉を思い返しながら気付いたのは,指摘された問題点は,一つとして間違っていないということ.

むしろ,ワタシが団体さんと個人的に親しく成り過ぎ,いい処だけをレポートなどで紹介してきたことで,無意識のうちに直視することを避けていたことに気付き,愕然….

 

現場大好き,ヒトも大好きな研究者として,その活動や場を理解しようと入り込み,一緒に活動したり,そこにいるヒトと深く関わることを大事にしてきたこれまで.

でも,そのことで客観的に見ることができなくなっていたことも多々あったことに反省しながらの帰路.

 

第三者ではなく,その場の当事者でもなく,その間で存在し続けるにはどうしたらよいのか….

好きになり過ぎてダメになっていく男子の弱点が見えなくなってしまう「ダメ女子」ではプロ失格ということで,好きになった男子の長所を褒め,短所を指摘できる存在にならねばと決意を固める帰路.

生涯現役って「イキヅライ」

生涯現役社会や人生100年時代というキラキラした言葉を政治家から聴くたびに,なんだかな~と思う今日この頃.
とはいえ,講演やコラムなどで使って欲しいというご依頼もあったりで,ブツブツいいながらも使ってしまう今日この頃.

なんだかな~という違和感のもとは,五体満足,自立度が高い人がバリバリと働いたり,地域活動の担い手として活躍し続けることこそ素晴らしい.
人生100年という長い時間,ずっとバリバリと活躍することが素晴らしい!なんていうメッセージを暗に漂わせていること.

実際は,育児や介護,自分自身の老化や病気でバリバリといられる時間は限られていて,人生が100年になってもその時間が延びるわけではない.
誰かを支える為や心身ともに虚弱化していくなかで,色々なことが制限され,バリバリではなくチョボチョボ,助けてもらう事の方が多く成ったりもするわけで.

こういうキラキラ,バリバリな雰囲気が影響してか,講演などで「その言葉を使われると疲れちゃう」や「動くのが大変になってきた毎日を過ごしている自分は生きる価値がないと思ってしまう」というコメントを頂くことも少なくない.
そうなのである,この言葉が一人突っ走った結果,不安や虚しさといったイキヅラさを感じる人が増えているのである.

こんな言葉を安易に使う人々にお伝えしたいのは,長くなる人生でできない事も増えてくるのは当たり前.
大事なのは,どんな状況でもできる事があって,沢山助けてもらっていても,小さなできる事を続けている限りは生涯現役だということ.
人生100年時代に求められる支えは,一方的にお世話をして困りごとを解決することではなく,その人のできる小さな事を探し出し,できる様に支えること.

発信する機会を頂いた時には,出来る限り,それをお伝えしているつもり.
でも,アクティブシニア向け,地域デビュー関連の講演の打合せなどでは,その部分の話はいらない的なご意見を頂くことも多々あり….

本当の意味での生涯現役を実現していくには,本人だけが頑張ってもしょうがなく,周囲の人の価値観が変わっていかねばならないわけで.
小さな種まきだけれど,すこしづつ社会全体の価値観が変わっていけばよいな~と思いながらブログで呟く日曜日.

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