今日は無線少年の長男にとって待ちに待った日であった。

彼は普段、自分の部屋から電波を出して交信しているのだが、今日は初めて、自作したアンテナを山の上まで持って行き、交信すると決めていたのだ。

標高が600mほど上がるので、きっと遠くまで電波が届くはず、と無線少年は朝から張り切っていた。

何だか面白そうなので、日々修行中の夫と私、野鳥少年もついて行くことに。

1カ月ほど前からホームセンターで謎の部品を買い集めていた無線少年。

彼の学習机の周りはロープやらペンチやら銅線やら、なんだかわけのわからない物で埋め尽くされていたが、ついにそれらが一つになる日が来たらしい。

普段ベランダで使っている物干し竿を今日だけ貸してほしい、というので快く貸出してあげた。

山頂までは車で20分ほど。

この山は野鳥少年が週2で通うフィールドでもある。

山頂に着くと、早速、カメラを持った野鳥少年は切り立った崖を下りて行った。

最近、野生復帰が目覚ましい野鳥少年である。

一方、無線少年は物干し竿の先にアンテナの線をくっつけて・・
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土台もないのにどうやって物干し竿を地面に立てるのだ?刺すのか?掘るのか?
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4方向からロープで引っ張って、ペグを打てば竿は自立するらしい。そういえばテント張るときに見たことある。
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これで、さらに20mの長さにアンテナ線を引っ張り・・
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いつの間にか帰ってきた野鳥少年が「ぼくに任せて!」と、木に登ってアンテナの先のロープを結ぶ。
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しかし、登れても、下りる時は抱っこでないと下りられないのよ・・という、証拠写真(*´з`)

1時間ほどでアンテナの組み立てが完了し、交信が始まった。
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金づちの上が無線機。その向こうの黄色い字が書いてある小さい箱が鉛のバッテリーらしい。

鉛だけにめちゃくちゃ重い。でも安いらしい。

彼は、無銭家な無線家である。

交信が始まると、私たちはすることがないので、日々修行中の夫はランニングしてくる、と林道に消えて行った。

私と野鳥少年は鳥探しと新しい山道の探検と昼寝をして過ごす。

あんまりコンディションが良くなかったらしいが、それでも東北や九州の数局とつながり、無線少年の初のソロ移動運用は終わった。
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その楽しさがイマイチよく分からないけれど、無線少年の“山の上で電波を出す”という夢がかなった瞬間に立ち会えてよかった。

ちなみに、ホームセンターで買わされたヘンテコリンな部品たちの代金はまだ返してもらっていない。

いつか出世払いで何倍かにして返してもらおうかな。